網野善彦の書いた、日本の歴史を読み直すという本を読んだ。さて、今の学校歴史教科書は、全部燃やす必要があるな。
いわゆる歴史教科書は、日本は農民国家だったと教える。なぜならば、当時の人を職業別に分類してみると、実に76.4%が農民であり、円グラフにすると一目瞭然であるなどと言っている。でも、その分類はそもそもどうなんだと、この本の筆者は言う。
というのも、当時、土地を持たない人はすべて、水呑百姓に分類されている。しかし実際には、そういう人たちは、土地を持たなくてもいい人達だった。たとえば、教科書は廻船の挿絵を載せたりしているけれど、いったい誰がその船を持っていたかというと、水呑と呼ばれる人たちであった。そういう人たちが何百両も用立てしたという記録まで残っている。そもそも、百姓という言葉には、農民という意味はない。云々。
なぜ、日本は農民ばっかりであったかというイメージがあるかというと、儒教などの中国からやってきた統治思想によるのだとか。当時の政府は、海民にまで、水田を割り振ろうとしていたらしい。また、小島や山奥の田舎は、水呑ばかりで貧しかったのだという従来のイメージは間違っているという。というのも、彼らは観光、製鉄、塩など多彩な生産をしており、それを銭に変えて、米を買っていたのだという。また、飢饉というのが何故起きたかというと、そもそも農民以外で暮らしている人が多かったからだという。彼らは銭で食料を買っていたので、物価が上がると飢えたわけだ。そもそも、戦中戦後を考えても、農民自体は飢えていないではないか。
なかなか面白い本だ。
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