2009-05-14

中江兆民について

中江兆民は、変人である。これは万人の賛同してくれる所であろう。もっとも、明治維新前後の著名な人物というのは、変人奇人がやたらと多い。高杉晋作といい、坂本竜馬といい、新島襄といい。そういえば、徳川慶喜もそうだった。時代がそうさせたのだろうか。

中江兆民の生涯は、その門弟である幸徳秋水が、じつに興味深く書き残している。無頼遊蕩であったこと。民間人なのにもかかわらず、当時、無理矢理に国費留学していること。帰国すると、衆議院議員になったこと。民主主義が行われていないとあきらめると、すぐに辞職してしまったこと。その後、職を転々とし、一時は遊郭の経営まで試みたこと(もちろん、幸徳秋水は、ご存じの通り高潔な性格をしているから、さんざん諫めたらしいが)、等々、実に破天荒な性格をしていたらしい。

はて、中江兆民の著わした本について書こうとしたら、なぜか中江兆民の人物像の解説になってしまった。とにかく、中江兆民と幸徳秋水の残した文章の、その文学的価値はかなりのものなので、暇を見て書いていこうと思う。

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