昨晩はXPathにかまけていて、肝心の試験の様子について書くのを忘れていた。
私は六時半に、地本から車で宇治の駐屯地へ向かった。今回は、特筆すべき事はあまりない。予備自衛官補の試験と、それほど変わりないからだ。行うべき事は二つ。身体検査と面接のみ。
身体検査は予備自衛官補のものと、全く変わりがなかった。ただし、やたらと丁寧な検査になっていたと思う。とくに、色覚と聴力に関してだ。予備自衛官補では、色覚のテストを、飛ばし飛ばしにやっていた。ただし今回は、全ページに対して行った。また、聴力も、以前は数種類の周波数でしか行わなかったが、今回はやたらと増えた。予備と現職の違いだろうか。
さて、落ち着いて周りを見回してみると、皆、申し合わせたように同じ格好をしていた。つまり、私も含めて皆、いかにもな若者らしく安物感が漂う、こぎれいなスーツを着用していた。いわゆるリクルートスーツと呼ばれている所のものだ。不思議である。一次試験では、ほとんどの人間がスーツを着ていなかったのだ。もちろん、一次試験は面接などないので、服装にこだわらないというのもあるが、それにしても、この100%のスーツ着用率は不思議である。
そして人数だ。やたらと少ない。中部の二次試験は、27日と28日に、宇治駐屯地で行われる外、24日に舞鶴で行われたらしいが、それにしても人数が少ない。
これは地本の人の話なので、真偽は分からないのだが、何でも、例年の一般曹候補生は、秋にしか試験をしないらしい。それが今年、年二回やるようになったのだとか。更に噂によれば、前期の試験では、三割しか取らないといわれている。残りの七割は秋の試験に取るのだとか。そこで、今回の一次試験突破は、だいぶ厳しかったのではないかと言うことだった。
この私でも通ったぐらいだから、それほど厳しい一次試験だったとは思えないが、現にこうして、全員申し合わせたようにスーツ着用の光景を見ると、まあ、そんな気もしてくる。一次試験の時は、茶髪にピアスで眉そり落とし、アクセサリーをジャラジャラと付けて、やたらと派手なシャツに、両膝の破けたジーンズで、しかも遅れてきた奴がいた。そういう手合は受からなかったのだろう。
試験は、非常にあっさりとしたものだった。特技は英語とプログラミングだと答えたら、何でも、面接官もプログラミングをするらしい。具体的には何もいわなかったものの、「おいおい、何でIF使ってるんだよ。遅いだろうが、SELECT使えよ」という言葉があったところから察すると、SQLだろうか。SQLがプログラミング言語かというと、また別の話だ。SELECTに言及する前に、危うく、「そうですな、ブランチはヘビーなパイプラインを持つモダンなプロセッサにとってはタブーですな」などと言いそうになった。危ない所だった。また、言語だが、ハングルは読めるかと聞かれた。残念ながら、ウリにはハングルは読めないニダ。なるほど、確かに今の情勢から考えるに、使えて重宝される言語というと、ハングルになるのだろう。
いつも通り、私はあらかじめ何も答えを用意せずに望み、その場で正直に答えた。別に己を夏目漱石の坊ちゃんに比したいわけではない。自身の性格からして、あらかじめ心にもない「模範解答」を用意していったところで、その模範解答を答えようとすれば、眉つり上がり、目細まり、口元ゆがみといった、いわゆる苦虫を噛みつぶしたような顔をするに決まっているからである。つまり、私はポーカーが苦手だと言うことだ。
他人の感想を求めても、皆、「やたらとあっさりと終わった」と言うだけであった。誰一人として、「いやぁ、つっこまれまくってダメでした。終わったなオレ」などと答えたものはいなかった。無論、圧迫面接の有効性については疑問だが、皆が皆、あっさりと終わったと感じるような面接でも、やはり評価のしどころに困るのではあるまいか。その辺は、疑問である。
そういえば、ひとつ気がついたことがある。それは、陸と海で、一次試験合格通知の判子が、変わっていることである。陸は楷書の判子だったが、海は隷書だった。海は昔気質なのだろうか。
とにかく、これで試験はすべて終わった。合格通知は七月末、秋の試験の受付は八月からだ。
予備自衛官補の辞令式が、もうすぐある。
selectはVBの構文でしょうね... Cのswitchに相当
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