万年筆のインクには、水性染料インクと、水性顔料インクがある。およそ萬年筆用として売っているインクのほとんどは、染料インクである。染料インクは、扱いが比較的楽である。数ヶ月に一度ぐらい洗浄するだけでよいし、もしペンの中で固まってしまったとしても、数日水につけておけば、大抵は、問題なく書けるようになる。
ところで、コアな万年筆オタクの中には、顔料インクを好む人種がいる。万年筆用の顔料インクが売っていない時代から、普通の顔料インクを使っていたらしい。
ところで最近(四、五年前からだと思うのだが)、セーラーから極黒というカーボンの顔料インクが発売された。これは、「超微粒子顔料インク(ナノインク)採用」という謳い文句であり、万年筆用の顔料インクということらしい。2chには、万年筆のインクスレなどというニッチなスレがあるが、この極黒は、かなり人気だ。
なぜ、顔料インクがあそこまでもてはやされるのか理由が分からなかったが、つけペンを使ってみて、その理由が分かった。単純に色が濃い。染料インクというのはかなり水っぽく、万年筆で書くと、結構、線に濃淡がでる。ところが、顔料インクには、それがない。ハッキリと濃く黒い線が書ける。人気の理由は、ここだろう。
とはいえ、やはり扱いが難しい。染料インクと顔料インクの扱いの難しさの違いは、つけペンを洗う時に分かる。染料インクなら、コップの水にペン先をつけて揺するだけで、インクはあらかた落ちる。しかし、顔料インクでは、ペン先は黒いままである。タオルやティッシュなどで拭き取らなければならない。
まあ、今使っているのは、あくまでつけペンの為の、パイロットの製図用インクなので、極黒はもう少し扱いやすいのかも知れないが。
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