冷戦時代、米ソは盛んに宇宙開発を競争しあった。その目的には、国威高揚的なものがだいぶあったとされている。私は、常々これに疑問であった。果たして、宇宙開発が国威高揚になり得るだろうか。
私はアポロ11号が、人類史上初の月面着陸を成功させた時には、まだ生まれてすらいなかった。そのため、当時の様子は分からない。
しかし、スターダストがヴィルト第2彗星の塵を持ち帰ったとき、別に感動はしなかった。日本のかぐやが月面を無意味に高画質な可視光で撮影したときも、まったくもって感動しなかった。
しかし、2007年にはやぶさがイトカワに接近したときは興奮したし、今回も、リアルタイムでUstreamやその他の情報を確認していた。なるほど、確かに国威高揚の効果はあるらしい。
昔、日本の愛国心教育をどうするかなどという話があったが、第二の幼学綱要を作るよりは、宇宙開発に金を出したほうがいいのではないかと思う。
とはいえ、国威高揚の著しい例は、今回のはやぶさや、アポロ13号のように、アクシデントだらけの中、なんとかやり遂げたというものばかりである。あまり、研究上の利点はない。
第一、最も優れた国威高揚手段は、戦争なのだから。
ちなみに、幼学綱要というのは、当時のコピペ学者である元田永孚によって編纂された、うさん臭い小説である。
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