2010-08-27

H.264の特許利用料、緩和さる

MPEG LA - The Standard for Standards - Media

MPEG LA’s AVC License Will Not Charge Royalties for Internet Video that is Free to End Users through Life of License

エンドユーザーに対し無料で提供されるインターネット上の動画に対しては、MPEG LAの持つ特許利用料を要求しない。

どうも分かりにくい文面だ。「エンドユーザーに対して無料」という文面である。たとえば、YouTubeは基本的に、エンドユーザーから直接に金を取ることはない。しかし、広告を表示することによって、エンドユーザーに対して、広告をみなければならないという負担を課しているし、それによって金銭的な利益を得ている。しかし、この文面を文字通り受け取るならば、エンドユーザーに対しては無料であるので、おそらく特許利用料は払わなくてもいいのだろう。

では、YouTubeが選択性の課金サービスを始めて、課金ユーザーに対し、何か差別的な(例えばダウンロード速度とか画質とかの)、付加的なサービスを提供した場合、これはどうなるのか。思うに、課金ユーザーの分だけ、特許利用料を払わなければならないのだろう。

ご存知の通り、H.264のライセンス料というのは、利用数あたりの従量課税である。

そして思うに、おそらく、ブラウザー自体は、この条件には当てはまらないのではないかと思う。結局、フォーマット論争はまだまだ続くわけだ。

しかしもし、インターネットの動画を提供するWebサイトが、H.264のデコード(あるいはエンコードをも)をするブラウザー用のプラグインを、エンドユーザーに提供した場合。そして、Webサイトを利用するには、そのプラグインの利用が必須である場合、これはどうなるのか。

思うに、この緩和は、H.264ストリーム、すなわち動画に対する緩和であって、エンコーダー、デコーダーは、また別であると思われる。したがって、Webサイトは、プラグインを配布した数に応じて、MPEG LAとライセンス契約を結ばなければならないものと思われる。

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