delegateという言葉がある。これは、デザパタ(笑)業界では、委譲とか委任などと訳されている。実に悪い翻訳である。むしろ、単にデリゲートと言ったほうが分かりやすい。
どうして、既存の翻訳家は、こういうまずい訳をあてたがるのだろうか。例えばRegression testだ。退行テストなどという珍妙な訳を当てた人間は、腹を切って詫びるべきである。
さて、delegateはデリゲートと音訳することに関しては、異論は出ないだろう。ただ、C++0xのコンストラクターのデリゲートには、もっと翻訳しにくい単語がでてくる。
たとえば、delegating constructorだ。これはどう訳したものやら。デリゲーティングコンストラクターではわけがわからない。Finding Nemoをファインディング・ニモと訳すのと同じぐらい馬鹿げた訳だ。いったいどこのバカがこのタイトルに決めたのか知らないが、多くの日本人は、ファイティング・ニモだと勘違いしている。これはいっそ、デリゲートコンストラクターとでもした方が分かりやすいだろう。意味が異なってしまうが、まあ、仕方がない。
最後の刺客は、principal constructorである。これは非常に分かりづらい。プリンシパルという音訳は、あまり一般的ではない。これを単純に音訳したならば、どこか滑稽で、まるでルー大柴になってしまう。それは避けねばならない。
ではどうするか。元コンストラクターというのが、まあ、精一杯考えたあげくの案だが、どうもこれもよろしくない。むしろ、最初のコンストラクターとでも訳したほうが無難か。意味としては、最初に呼び出されたコンストラクターなのだから。
数学では普通は "principal" は "主" と訳しますがどうですか。
ReplyDelete個人的には delegate は委譲でいいと思いますが、なぜ委譲は気に入らないんでしょう?Delegate はまさに委ねて譲ることだと思いますが ...
ReplyDelete最初に訳した人が delegate を「代理」とでも
ReplyDelete訳出しておけば…と思わないでもない。
訳した挙句カタカナ英語にされるなんて最悪でしょう。
ReplyDeleteだったら最初から訳さない方がいい。
まず、英文なら構造化されてて新しく聞いた単語でもなんとなく意味がわかるけど、カタカナ英語にはそれが反映されないから意味がわからない。
例えばreinterpretなんかは、英字のままよめば、
interpretに接頭辞であるreが付いただけなのでもう一度interpretするという意味だとすぐ解る。「レインタープレット」と完全な新出単語にしか見えない。
次に英単語で書くと全然違うのにカタカナ英語で書くと誤読される場合がある。「テザリング」と「デザリング」が良い例。最初からTetheringと書いていれば間違うこともない。