2012-03-17

Walmart同志が見張っているぞ!

Walmart buys a Facebook-based calendar app to get a look at customers' dates

これは非常に危険なニュースだ。Walmartが会社を一つ買収した。「なんだ、それだけか」と思うかもしれない。問題は、その会社とは、Facebookでカレンダーアプリを提供していた会社なのだ。しかも、1600万人ものユーザーがいるのだそうだ。

つまり、Walmartは会社をひとつ買収することで、その会社が得ていた1600万人分の誕生日やその他の予定などのプライバシー情報を得たことになる。しかもWalmartは、その情報を自社の販促に使うと明言している。

これが合法なのか? たしかに、法的には同じ会社になったのかもしれないが、これまでカレンダーアプリを使っていた人間は、そういうことに使われることを期待していなかったはずだ。これが合法なのか? プライバシーはどうなるのだ。

これは非常に危険な流れだ。もしこれが合法ならば、プライバシーポリシーの同意など存在しないも同義ではないか。プライバシー情報が欲しければ、会社を買収すればいい。Walmartのような大企業にとっては、Facebookのアプリを作っているちっぽけな会社を買収するなど、造作もないことだ。これは非常に危険だ。なぜこれがアメリカで合法なのか分からない。

これが日本の法律ではどうなるのだろうか。もしこんな馬鹿げた迂回方法が合法だとしたら。日本の個人情報保護法はザルだ。

そして、アメリカの会社の提供するオンラインサービスを使っている自分が恐ろしくなってきた。その会社がプライバシー情報を悪用していないだけでは安心できない。その会社が他の邪悪な会社に買収されれば、私のプライバシー情報は別の邪悪な会社に合法的に渡ることになる。祇園精舎の鐘の声には諸行無常の響きがあるのと同じく、たけき者も遂にはほろびるのだ。10年後、Googleが今の地位を保っている保証はどこにもない。もしGoogleが破産の憂き目にあった場合、Googleを買収する会社が出てくる。私のプライバシー情報は合法的に別の会社に吸い取られてしまう。たとえGoogleが邪悪を行わなかったとしても、結局は邪悪になってしまうのだ。

明らかに、法規制が必要だ。

2 comments:

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