現時点における、GSoC 2012で受け付けられた興味深いプロジェクトをいくつか紹介する。
Adding Static Profiling Capabilities to LLVM
LLVMに、プロファイルによるガイド付き最適化を実装するプロジェクト。他の競合する多くのCやC++コンパイラーが実装している機能だ。
LLVMに、自動的な並列化変換を実装するプロジェクト。私は未だに、どのコンパイラーにおいても、自動的な並列化が実用的になったという話を聞かないが、まあ、興味深い機能ではある。
Provide an alternative to libstdc++ with libc++
LLVMプロジェクトのC++の標準ライブラリの実装、libc++をDebianに移植してパッケージ化し、GNUによる実装であるlibstdc++と切り替えて使えるようにするためのプロジェクト。
これは非常に興味深い。現在、libc++はGNU/Linuxベースのシステムでも動くが、正しく使用するためのドキュメントが不足しているし、ディストロによるパッケージ化も存在しないので使いづらい。
Virtual Tables and RTTI in the Microsoft Visual C++ ABI
MSVCのC++ ABIのうち、Virtual tableとRTTIをClangでも使えるようにするプロジェクト。ClangをWindows環境で使うためには、MSVCとのABI互換性は重要である。
Implement missing functions in D3DX9
WineのD3DX9の実装のうち、よく使われているがいまだに欠けている機能を実装するプロジェクト。WineでDirectX 9を使うプログラムとの互換性が向上する。
GSoC project: Improve CJK font support
Wineにおける、CJKフォントのサポートを向上させるプロジェクト。
他には、ffmpeg向けに受け付けられたプロジェクトはないが、libav向けに受け付けられたプロジェクトなら存在するということか。
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