Oracle対Googleの訴訟で、まずOracleが一本とった。
もし、APIに著作権が認められるのならば、GoogleはOracleの著作権を侵害しているという判断である。
これにより、合衆国の司法は次に、APIには著作権が認められるのかという判断をしなければならない。
もし、APIに著作権保護が認められるのならば、合衆国ではまともにプログラミングができなくなるだろう。
ちなみに、日本ではとっくの昔に、プログラミング言語や規約や解法は著作権保護されないと法律に明確に書かれている。したがって、APIは著作権保護の対象ではない。EUでも最近、そういう判決が出た。
ただし、日本国ではソフトウェア特許が認められているので、現時点でも、まともなプログラミングはできない。
ともかく、APIとは何か。プログラミングに馴染みのないものには、よくわからない話だろうと思う。そこで、なるべく簡単に説明してみようと思う。
APIとは、Application Programming Interfaceの略である。プログラムのコードを書くには、あらかじめ定められたAPIに頼ることになる。たとえば、
class Hoge { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello World!") ; } }
というコードがある。このコードの意味は気にする必要がない。重要なのは、System.out.printlnだ。これはJavaの標準のAPIである。この場合、出力ストリームに文字列を出力する。
プログラマーが正しいコードを書くには、このSystem.out.printlnが、どのような挙動をするのかが、明確に定められている必要がある。APIに著作権が認められるというのは、その挙動に対して著作権が認められるという事である。
しかし、この挙動というものは、果たして著作権が認められるべきものなのだろうか。たとえば、将棋やチェスのコマの動きなどと同じく、単なるアイディアとか情報ではないのか。アイディアは著作権保護の対象にはならない。少なくとも日本では。
もちろん、APIの挙動を定義したドキュメントや実装は、著作権保護されるべきだ。将棋やチェスのコマの動きを解説したドキュメントが著作権保護されるのと同じことだ。しかし、挙動という単なるアイディアは、著作権保護されない。少なくとも日本では。
今回の裁判は、APIに著作権が認められるという前提のもとに判断すると、Googleは著作権侵害をしているという判断であり、別に驚くべきことではない。そもそも、その前提が間違っているのだから。しかし、アメリカ合衆国のことだから、ひょっとするとAPIに著作権性を認めるかもしれぬ。その時、アメリカでは純粋なアイディアが著作物になるのだ。
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