2012-07-11

発想の不思議

GCCは最近、エラーメッセージの改良に勤めている。これは明らかに、Clangに影響されたものである。

ひとつ不思議なのは、なぜGCCがいままで、エラーメッセージを改良しようと思わなかったのかということだ。プログラマーはエラーメッセージを頻繁に読まなければならない人種である。したがって、エラーメッセージの読みやすさは重要である。GCCの開発者とてプログラマーである以上、しかもコンパイラーの開発者である以上、コンパイラーのエラーや警告のメッセージは、多くの場合、無視してはいけないものであることを誰よりも理解しているはずだ。なぜエラーメッセージを改良する動きがなかったのか。

GCCにエラーメッセージを改良する技術力や労力がなかったわけではあるまい。現に、Clangが頭角を表してからは、すぐさま、追いかけるようにエラーメッセージを改良していった。これは不思議だ。GCCの開発者にエラーメッセージを改良するという発想がなかったはずがない。しかし、実際に動くものとして見せられるまで、その発想を実装するのは、技術力や労力以外の点で、難しいものなのだろうか。

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