二本目の親知らずを抜いた後の傷がなかなかふさがらない。舌で探ってみると、なにやら尖ったものにあたる。歯のかけらが残っているのだろうか。
歯医者にいって診てもらうと、歯のかけらではなく、親知らずを抜いた際に割れた顎の骨のかけらだという。放っておいてもそのうち取れるだろうがといいながら、取ってもらった。
歯医者で待っている間に、たまたまおいてあった京都の1940年から1960年あたりの写真集を眺めていた。これがなかなか興味深い。
まず、先斗町が非常に危険そうな雰囲気にみえる。道路の舗装が悪いところが、特に怪しい雰囲気を醸し出している。まあ、いまでこそ平和そうな小路だが、元来花街だったこともあり、そんなものだったのかもしれぬ。ただ、今のようにあの千鳥足で歩くような石畳が舗装されてからの写真は、ガラリと変わって安全そうな明るい雰囲気になっている。
また、先斗町には、農家の婆さんがリヤカーで野菜を売りに来ていたらしい。一体どこからどのくらいの距離を歩いてきたのだろうか。
実はいままで全く知らなかったのだが、四条にある東華菜館は、実は1926年に立てられた、結構古い建物らしい。
さらに理解できないのは、自転車で風車を売っている行商人の爺さんが写っていることだ。一体、当時は風車がそんなに売れたのであろうか。
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