Canonicalが全く新しいディスプレイサーバーであるMirを発表した。Mirは去年からかれこれ9ヶ月ほど秘密裏に開発されてきたらしい。当然沸き起こる疑問がある。一体誰が開発しているんだ。
Canonicalは、これまでX.orgやMESAやWaylandやグラフィックドライバーにはそれほど貢献してこなかった。つまり、Canonicalには十分な知識を持った人材がそれほどいないはずなのだ。
[Phoronix] The Developers Behind The Mir Display Server
Phoronixが、このたびCanonicalが公開したMirのBazaarレポジトリから、コミットの名前をカウントして、主要な開発者を洗い出している。
元Compizの開発者や、X.org/MESAのメンテナー、GNOMEコンポーネントやUnityなどの開発者の名前が挙がっている。Phoronixの意見では、多少は知識がある者たちだが、いずれも既存のX.orgやMESAなどの多大な貢献者というわけではないし、やはり不十分だとしている。
人材もさることながら、時間が圧倒的に足りない。計画では、2014年の4月のUbuntu 14.04にはリリースできるようになっているはずなのだ。これまでX11の開発者達が長年かけてWaylandを設計、開発して、いまだにWaylandは実用とは程遠いのに、いったいどうやって間に合わせるのか。
[Phoronix] Building & Running The Ubuntu Mir Display Server
さらに、Phoronixは公開されたレポジトリから、Mirを試みている。
Mir自体はC++で実装されており、Boostライブラリが使われている。
レポジトリ自体は去年の6月に作成されており、これまでのところ461件のコミットがある。
現在のところ、公開されているうちの全ソースコード(cmakeなどのファイルも含めて)は、たったの14661行である。
現在のMirは、自由なグラフィックドライバースタック上のみで動く。つまりIntelか、AMDの有志開発の自由なドライバーでしか動かない。Nouveauでは動かないそうだ。AMDやnVidiaとは協議するといっているが、もしすでに秘密裏に協議して対応の約束を取り付けていたとしても、やはり対応には相応の時間がかかるだろうし、一体どうするつもりなのか。
やるべきことが多すぎる。現時点では、Mirはシェルを動かせるレベルに達していない。今公開されているMirのデモは、動作にX.orgを必要とし、単に画像をスクロール表示させる文字通りのデモにとどまっている。
Canonicalは、まだ何かとんでもないサプライズを隠しているのだろうか。
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