2009-01-20

映画に思う

余、ひそかに思うらくは、今日のハリウッド映画は、ネタに困っているのではなかろうか。

まず、仮想敵というのがいない。冷戦、東西対立といったことがないし、ロシアや中国とは、ある程度の軋轢があるとはいえ、全面戦争などとなると、どう考えても自国の経済に与える影響のほうが大きいので、起こりようがない。北朝鮮や中東のカルト信者は、しょせん世界戦争を引き起こすだけの力はない。だから、宇宙人が攻めてくることもない。

未来への憧れというものもない。一時期、近未来ものの映画やドラマがたくさんあった。たいていは、時代を二千数十年に設定している。そこでは、車は空を飛ぶし、みんな画一的で個性のない、体にぴったりフィットする服を着ている。しかし、車が空を飛ばないのは、技術的なこともあるとして、個性のない服というものは、まったく問題はないはずだ。しかし、はやらない。やはり、個性が欲しいのだろう。

昔はSF小説が好きだったのに、今はSFなど、誰が書いているのか知らないし、読む気もしない。火星人がいるだとか、月にモノリスがあるだとか、土星に着陸するだとか、今日び、誰もそんなSF小説を書けやしないのだ。

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