fallout 3スレでネタにしていたのもこの私だが、最近ブログのネタもないもので、ここにも書いてみる。このニュースが気になった。
The 7 Worst Tech Predictions of All Time
"Nuclear-powered vacuum cleaners will probably be a reality within 10 years."
Alex Lewyt, president of vacuum manufacturer Lewyt Corp., 1955
原子力掃除機というものは、今後十年以内に実現できるだろう。
1955年、掃除機会社の社長、Alex Lewyt
Earliest weapons-grade plutonium found in US dump
一部引用
Update: Since publication, Jon Schwantes has discovered that a microgram sample of plutonium produced in 1942 by Glen Seaborg's group at the University of California in Berkeley is also plutonium-239. The sample discovered at Hanford is technically the second oldest sample of plutonium-239, but remains the earliest produced during the Manhattan Project and the first bulk batch anywhere.
An old glass jar inside a beaten up old safe at the bottom of a waste pit may seem an unlikely place to find a pivotal piece of 20th century history. But that's just where the first bulk batch of weapons-grade plutonium ever made has been found - abandoned at the world's oldest nuclear processing site.
But despite its historic significance, Schwantes doesn't plan to put the sample in a museum. He is working with New Brunswick Labs to create a standard reference sample for plutonium-239 from the material, partly because of its primacy as the oldest sample. "The other factor is its extreme purity - 99.96% plutonium-239 is as pure a sample of 239 I have seen produced from any reactor," says Schwantes.
まず最初の記事は、馬鹿げた技術予測の発言集というもので、有名なものとしては、"640kb ought to be enough for anybody."があるが(ビルゲイツが言ったかどうかは不明なのだが、それに良く似た実話はある。)
とにかく、1950年代のアメリカというのは、原子力に対して魔法のような期待があった。原子力を使えばなんでもできるという期待があったのだ。原子力で動く車や飛行機なども、まじめに研究されていた。原子力は確かにすばらしいのだが、何しろ被爆の問題があるので、そうおいそれと使うことはできない。結局、無尽蔵の電力が必要な潜水艦や、太陽から遠すぎて太陽電池が使えない惑星探査機などにしか用いられていない。ある意味残念なことではある。技術的には、持ち運びできる大きさの原子力電池が作れるはずであり、ノートパソコンを百年以上使い続けられるはずなのだ。しかし、ハンマーで叩き壊しただけで被爆するとあっては、そりゃあ実用化できるわけがない。
次のニュースは、ハンフォードの昔の核施設のゴミ山に捨ててあった、古い金庫の中に、世界で二番目に古い、精製されたプルトニウムが見つかったというもの。昔は核の取り扱いがおざなりで、そのゴミ山は放射能で汚染されているのだとか。しかも、そのプルトニウムの純度は99.6%であり、現代としても、研究試料として最高の純度であるという。
そう、ドクはフラックスキャパシターに必要な1.21ジゴワットを出すにあたって、プルトニウムを手に入れるの為にリビアのテロリストをだます必要なんてなかったのだ。ただハンフォードのゴミ山をあさるべきだった。まあ、一般人が立ち入れるかどうかは別として。
ともかく、昔は核に対する取り扱いが極めて雑だった。現代としても最高純度のプルトニウムが、ゴミ山の金庫の中に、それもスチールの机みたいな簡易な金庫の中に放置されているとは、おろそかすぎる。
なぜこんなニュースが気になるかというと、今、Fallout 3をやっているからである。
このゲームは、1950年代のアメリカ人が考えそうな未来という設定である。時代は2277年、2077年に起きた、米国と中国の間の大戦争(Great War)により、大規模な核爆撃が行われ、地球は不毛の地になったというものだ。草木はなくなり、すべての水は放射能汚染され、放射線を浴びた人間はゾンビとして不死になっており、また放射線によってスーパーミュータントという怪物が作り出された。いたるところで、戦前(2077年以前をさす)の遺物が残っているのだが、原子力電池や原子炉がとても気軽に使われている。たとえば、車の残骸は銃で撃つと爆発し、しかも、あたりは放射能汚染されるという有様である。
まあ、いかにもゲームらしい設定といってしまえばそれまでなのだが、この手のニュースを見るにつけ、どうも笑えなくなってくる。
聞説、XBox360やPS3で発売されている日本語版のfallout 3は、Fatmanという武器の名称が変更されており、また、原爆を爆発させるクエストも取り除かれている。余計な自主規制というものだ。それに、これはアメリカの話であり、アメリカの文化背景をネタにしたブラックジョークが随所にちりばめられており、日本語で楽しむのは不可能である。例えば、日本語でアンクルサム(Uncle Sam)といって、日本人の誰がその名前の意味するところを知っているだろう。ゲーム中では、"I have a private message from Uncle sam for you."などといった言葉がでてくる。それ真にFallout 3を楽しみたい者は、英語版を買うべきだ。日本語版を買っても後悔するだけである。だいいち、ゲームパッドのスティックで照準を動かすのは苦痛である。
サンダーバードなんかにも原子力飛行機が登場しますね。
ReplyDelete確かにかつて記述された「未来」への展望は今になって見れば馬鹿馬鹿しいものです。
しかし、未来に対するロマンを感じられた時代でもあります。
その Fallout 3 とやらは未来観を過去に求めるとは、なかなか秀逸な皮肉ですね。
そういえば、日本でも同様に太陽光発電万能といった風潮があった時代があります。
未来少年コナンにおける太陽エネルギの扱いは時代を象徴するものでしょう。
最近ではガンダム00で太陽エネルギを基礎にしている点が興味深いです。
未来少年コナンで描写されているものとは規模が大幅に違うという点はありますが、ここであらためて太陽エネルギが持ち出されるところに時代が一周したような印象を受けました。
このfalloutシリーズは、皮肉の塊のようなゲームです。
ReplyDeleteたとえば、リンカーン像は首が取れていて、しかも奴隷商人の巣窟になっています。
しかし、いまSFをやるとしたら、所詮こういう形でやるしかないのではないでしょうか。
今誰が突拍子もない、個性のないぴったりとした服、空を飛ぶ車、宇宙開拓なんかに共感できるのでしょうか。
太陽エネルギーは、原子力と違って、技術力が追いついていませんね。
いまだに効率が悪いし、コストは高いし、メンテナンスが大変だし。