2009-05-15

乾飯作成、一日目

茶碗一杯分の、炊いた米を、水で軽く洗い、天日に干してみた。今日は日差しが強いので、すぐに乾くだろうと思っていたが、これが、案外乾かない。一日では無理のようだ。

なぜ乾飯の作成を試みているかというと、伊勢物語のある有名な場面の実感が、いまいちわかないためだ。私は、自分で体験しないことは、さっぱり推測できない、空想力の非力な人間である。あの有名な、かきつばたで詩を詠む場面だ。果たして、涙程度の少量の水で、乾飯はふやけるのだろうか。

もっとも、昔の文章には、「袖を絞る」なんて表現も頻出するので、文字通りの事実であるとするならば、水の量は問題にならないのかもしれない。それにしても、古文では、何かあるごとに、人々は袖を絞るほど涙を流している。たんなる比喩表現なのだろうか。それとも、当時の人は、大げさに泣くことを美徳としていたのだろうか。

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