2012-02-09

Eolasの悪夢、再び

Patent Troll Claims Ownership of Interactive Web – And Might Win | Threat Level | Wired.com

Eolasと聞いただけで身震いする者は、有能な技術者である。わからないものは、未熟者である。Eolasは「HTML内に自動的に外部アプリを起動させてやり取りをさせ埋め込みオブジェクトを表示するための手法」というあまりにも明白過ぎる特許を取って、一時期Webを混乱に陥れた特許ゴロである。わかりやすく言うと、Flashを埋め込むHTMLコード、embedやobject要素がこの特許に抵触する。

Eolasはマイクロソフトを相手取って特許侵害の訴訟を起こした。この訴訟には、WWWの父であるW3Cの長であるTim Berners-Lee本人をはじめ、様々な企業、団体がマイクロソフトを援護したにもかかわらず、結局、特許を覆すことはできなかった。最終的に、マクロソフトは和解をし、非公開の額の賠償金を支払ったということである。一説によると、3040万ドルだそうだ。

もちろん、これはアメリカ国内の話なのだが、ブラウザーを作っている企業の多くはアメリカにいるし、外国企業とて、アメリカという市場を無視することはできないため、この特許を回避する方向に動いた。回避方法とは、Flashの再生には、ユーザーの明示的なマウスクリックを必要とする変更であった。わけが分らない。さらに、Javascriptで動的にFlash埋め込みコードを追加するのも、特許回避であるので、様々なFlash埋め込み用のJavascriptライブラリが流行した。これも技術者の端くれとして本質的に訳がわからない。

そういうわけで、Eolasは特許ゴロの名を(ほしいまま)にしたわけだが、実は、第二弾があった。「インタラクティブなWeb」という特許である。

この特許は、とにかくインタラクティブなWeb全般に関わる。またもや、Tim Berners-Leeご本人をはじめ、主要なWeb企業は裁判で戦っている。

ソフトウェア特許という奇妙極まりないものは廃止すべきである。恐らく特許自体、廃止、ないしは極端に制限すべきだろう。著作権も、もはや時代にあっていない。

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