2012-07-12

文化庁の違法ダウンロードのQ&Aはそれほどおかしくない。おかしいのは著作権法自体だ。

文化庁の違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&Aが色々と話題になっているが、それほどおかしいことは言っていない。少なくとも、真面目に改正される著作権法を解釈した結果である。そもそも、おかしいのは改正される著作権法自体だという事もできる。

たとえば、「友人から送信されたメールに添付されていた違法複製の音楽や映像ファイルをダウン ロードしたのですが、刑罰の対象になるのでしょうか。」という質問には、「違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。」と答えている。これは正しい。というのも、違法ダウンロードには「自らその事実を知りながら」という文面があるからだ。メールは、ダウンロードしなければ中身を確認できない。そのため、違法ダウンロードであるかどうかは、ダウンロードしてみるまでわからないのだ。

さらに、Q「CDやDVDとして売られている音楽や映画と違って、テレビの番組は無料で見ることができますが、このように無料で放送されているテレビの番組の海賊版をダウンロードする行為も刑罰の対象になるのでしょうか?」という質問には「ドラマなどのテレビ番組は無料で放送されているため、刑罰の対象にはなりません。ただし、テレビ番組であっても、DVDとして正規に売られているようなものについては、その番組の海賊版を、海賊版だと知りながらダウンロードすると刑罰の対象となります。 」と答えている。これも、違法ダウンロードとなるには、「有償著作物」でなければならないからだ。有償著作物は、有償で公衆に提供されている、録音と録画である。有償で公衆に提供されていなければ有償著作物ではないし、録音にも録画にも当てはまらないものは、有償著作物ではない。そのため、このような不思議な回答になる。

文化庁が変な解釈をしていると言うより、著作権法を真面目に解釈するとこういうことになるという例だ。結局、今の著作権法は、危険なほど時代遅れである。

むしろ危険視したいのは、Lマークだ。Lマークなんて誰でも勝手につけることができる。すでに、違法ダウンロードという違法行為を行なっている者が、Lマークだけは正しくつけないはずがない。Lマークを偽造するに決まっている。

我々ができるのは、自由なソフトウェアと自由な著作物を広めることだ。著作権法により、明示的な許諾が必要な諸権利がある。自由なライセンスは、その権利の許諾を与える代わりに、ライセンスへの同意を求める。ライセンスに同意しなければ許諾が得られないのだから、著作権保護された使い方をしたい者は、ライセンスに同意しなければならない。ライセンスは、許諾を与える代わりに、自由を保証する条件をつける。特に推奨する自由なライセンスは、GFDLかCC-BY-SAである。これは、派生物も同じライセンスを継承することを求めているので、自由を積極的に保証できるライセンスである。

ただし、何度も言うように、Creative Commonsというライセンスはないので注意が必要である。自由なライセンスは、CC-BYとCC-BY-SAだけである。利用を推奨するのは、CC-BY-SAだ。これ以外のライセンスは、全て不自由なライセンスである。

ただし、自分の意見を述べる場合など、どうしても自分の著作物を改変されたくない場合は存在する、。そういう限定的な場合は、CC-BY-NDを使うのもいいだろう。ただし、これは自由なライセンスではないという事も知っておかなければならない。

1 comment:

  1. >自由なライセンスは、CC-BYとCC-BY-SAだけである
    最近FSFに認められたそうなので、CC0も自由なライセンスですね。もっともライセンスというよりただの宣言ですが……

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