2014-05-12

C++標準化委員会の国際会議に出席するためにパスポートを取得した

さて、ドワンゴに入社した筆者は、今やC++標準化委員会の国際会議に出席できる機会を得た。国際会議というのは、年数回、海外に飛んでホテルに一週間缶詰になるということだ。これにかかる費用を個人で出すのは難しい。ましてや無職では難しい。C++の規格は個人でも学べるが、金や会社がなければ行えないC++啓蒙活動もあるということだ。

さて、C++WGの国際会議に出席するには、単に金さえあればいいというわけではない。色々と準備が必要だ。とりあえず筆者個人としては、まずパスポートを取得しなければならない。

パスポートの取得は、それほど難しくはなかった。問題は、パスポート取得に至る準備が、厄介だった。

まず、パスポートを取得するには、戸籍謄本か戸籍抄本が必要になる。筆者の本籍は生まれてから移していないので、東京にはない。したがって、郵送で申請しなければならない。申請するには、本籍がある場所をしらなければならないが、筆者は知らない。たしか、住民票に書いてあったはずだが、引越の際についでに取得した住民票は、もう破棄してしまった。

そのため、本籍を知るためだけに住民票を申請する必要があった。

さて、住民票によって本籍を把握したので、さっそくその場所の役所に郵送で戸籍謄本を申請した。これに一週間かかった。

さて、パスポートの申請に必要な書類が揃ったので、パスポートセンターに行った。

顔写真は用意しなかった。思うに、パスポートセンターともなれば、周辺に顔写真を撮影する機械ぐらいあるだろうと踏んだのだ。

はたして顔写真撮影所はあった。それも、パスポートセンターの横にあった。駅やコンビニにあるようなボックス型の撮影機ではなく、撮影所であった。料金はボックス型撮影機よりは割高であったが、ちゃんと照明や撮影者がいるので、利用することにした。平日の昼間だというのに、撮影所は撮影待ちの人が大勢いた。だいぶ儲かっているといえよう。この撮影所の形態はどうなっているのだろうか。公務員がやっているのだろうか。それとも民間の業者がやっているのであろうか。

顔写真の撮影でよくわからないのが、価格だ。写真撮影の価格が、かなり高い。もちろん、部屋の中に照明があって、撮影者がいて、受付がいるこの撮影所ならば、料金がある程度高いのは分かる。しかし、無人のボックス型撮影機まで、料金が高いのは何故だろう。なぜプリクラほど安くはならないのだろうか。いや、考えてみれば、プリクラだってそれなりに高い。この機材と印刷用の紙やインクが、それなりの値段するのだろうか。

写真撮影の価格に対する疑問を抱きながら、パスポート申請の手続きをした。パスポートが発行されるにはすこし時間がかかるので、その日はそのまま出勤した。

さて、いよいよパスポート受領の日だ。再びパスポートセンターを訪れた筆者は、パスポートを受領する窓口に向かった。

筆者「パスポートを受け取りに来ました」
職員「ここに名前を漢字でおねがいします」

と職員が差し出した書類を見ると、なるほど署名欄がある。さっそく、江添亮の江のさんずいまでかいて、ふと、上の欄にある文面に気がついた。正確な文面は失念したが、以下のような意味の内容が書いてあった。

旅券に記載事項を確認し、旅券を受領しました

ん? 旅券の受領はともかく、まだ旅券の現物を確認していないではないか。

この事実を指摘すると、職員は、「では署名は後で」と、パスポート(旅券)を持ってきた。筆者は、旅券に記載された事項に誤りがないことを確認した後で、書類に署名した。

型通りのお役所仕事というのは、実に不思議だ。手順だけが目的になってしまう。

こうして、パスポートを手に入れた筆者は、職場に向かった。まだ国際会議参加のためにやることは山ほどあるのだ。

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筆者のパスポートの申請作業はドワンゴの勤務時間を大胆に削って行われた。この記事はドワンゴの勤務中に勝手に書いたので、これも筆者の勤務時間の削減に貢献している。

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CC BY-ND 4.0: Creative Commons — Attribution-NoDerivatives 4.0 International — CC BY-ND 4.0

3 comments:

Anonymous said...

個人的な興味でお聞きしたいのですが、
C++の啓蒙活動に有給休暇は有りますか?

江添亮 said...

私は雇用されているので有給休暇は当然あります。

Anonymous said...

躍進の足音が聞こえてきて勇ましくすばらしいと思います。
がんばってください。