3月31日の日曜日に、11回目となるスノーボードに行ってきた。今回はかぐらスキー場に行くことにした。なんでも、かぐらスキー場は雪質がよいらしい。ただし、事前に得た情報によると、バスが混み、雪質も上の方まで行かないとよくないらしい。
かぐらに行くには、越後湯沢駅からバスに20分乗る。越後湯沢駅周辺のスキー場の多くが無料シャトルバスを出している中、かぐら行きのバスは有料だ。しかも荷物があると100円増しの片道480円かかる。往復だけで千円ほどかかる。ただし、更衣室のロッカーは500円だった。ガーラ湯沢のロッカーが千円であることを考えると、500円の差だ。また、私は利用しないが板とウェアを一式レンタルする場合、かぐらの方が安い。
かぐらスキー場のふもと、みつまたステーションの更衣室は狭かった。こんなに狭くて混み合ったりしないのかと思ったが、案外混んでいない。どうやらかぐらに行く客層は車で来るか、地元民か、周辺の宿の客であることが多いようだ。
みつまたステーションからゴンドラでゲレンデのふもとまで上がる。このゴンドラ、とても大きな多人数乗りのゴンドラであった。さながら満員電車のようにゴンドラにすし詰めになって乗車する。
さて、かぐらについたので今回は普通に滑ろうかと思ったが、ふとスノーボードスクールの看板が目についた。なんとかぐらのスノーボードスクールでは、コブレッスンなるコースがあるそうだ。これは興味深い。すでにきれいに圧雪された斜面ならば楽しく速度を出して滑り降りることができる腕前になっているが、圧雪されていないコースではとたんに何もできなくなってしまう。コブの滑り方の動画を何本も見たものの、いまいちよくわからない。わざわざコブレッスンという枠を設けるからには、ここのインストラクターはコブの滑り方を教えるのにもなれているに違いない。
しかし、スクールを受けるとそれだけで今日1日が終わってしまうだろう。圧雪面ならばほぼ直滑走に近い滑り方で楽しく滑ることができるようになった今、そしてもしかしたら今回が今シーズン最後のスノーボードになるかもしれない状況で、8千円も払って1日スクールを受けるべきだろうか。
少し悩んだが、スクールを1日受けることにした。結論から先に書くと、これは正解だった。
スクールで、コブレッスンの受講者は私一人だったために、実質プライベートレッスンになった。まずこれがとてもよかった。
その時の私のスノーボードは、カービングターンを練習するためにスタンス角が前30度後18度という極端な設定になっていた。インストラクターの助言に従って、スタンス角を前18度後0度に変えた。
まず、圧雪された斜面で、非圧雪面で安定してターンする方法を学んだ。ターンについて今までは、姿勢を前にするために目線は進行方向を見るとか、ロテーションを使うとか、角付けをするといったことを学んでいた。ところが、今回マンダ非圧雪面で安定してターンする方法は完全に真逆であった。目線は常に谷側に向ける、角付けをせずにフラットに乗る。ということを教わった。
非圧雪コブ斜面にはすばやいショートターンが必要で、そうなるともう目線を悠長に左右に動かしているヒマはない。進行方向というのは常に谷側だ。
ターンのときに角付けをすると、カービングターンになってしまう。スライドはさせてもカービングターンとして速度が出てしまう。まずはできるだけ速度を落としてゆっくりと確実に滑り降りたいのに、速度が出てしまっては問題だ。まだエッジで起伏に乗り上げると不安定になる。そこで角付けを抑えてエッジではなく面で乗ることによって起伏のある非圧雪面でも安定させる。ターンの際に角付けを抑えるには、リーンアウト(アンギュレーション)を強く意識する。ターンするときには体はターンの内側にリーンするのだが、この時体をリーンの逆側に起こすことにより、体を安定させる。アンギュレーションをさらに強く入れることにより板をフラットに接地させる。
圧雪面で説明を受けながら滑っている時は全然実感が沸かなかったが、実際に非圧雪面に入ると、明らかにターンの安定が違う。まだ連続ターンまでは行かないものの、単体のターンをして転ばずに立っていられるようになった。今まではターンをしようとノーズドロップし、あまりに速度が出すぎるために無理やりブレーキをかけ、その勢いで転んでしまっていたのだ。それが確実にターンして転ばずに止まることができるようになった。
その後、コブレッスンというのに圧雪面や単に柔らかい雪が積もっているだけの面だけでは退屈だろうということで、インストラクターはしっかりとしたコブが形成されている斜面に向かった。コブの山から山にサイドスリップで移動する訓練をした。途中まではうまく進めたのだが、一度失敗すると立て直しが困難だった。かぐらはコブの練習にとても良いことに、広いコースに圧雪面と非圧雪面が並走していて、横に移動するだけでコブから脱出できる。立て直しができないので脱出して休憩している横を、常連のスノーボーダーがコブの谷をターンしながら滑り降りていった。
他にも、盛り上がった壁や小山に乗り上げて頂上でターンして戻ってくる滑り方を学んだ。これはすでによそのスキー場で、慣れたスノーボーダーがやっているのを何度も見ているが、とても私にはできそうではないと挑戦すらしていなかった滑り方だ。ただ、実際にやってみると案外あっさりと成功させることができた。以前はできるわけがないと思っていたスピンもできるようになっていたりするので、知らず知らずのうちに上達していたらしい。
ゴンドラに載っている間、インストラクターが私の仕事について聞いてきたので、逆にスノーボードのインストラクターは夏の間は何をして生計を立てているのかと聞いてみた。これは様々で、飲食店で働いているものもいれば、スノーボードショップで働いているものもいるし、運送業や土方をしているものもいるという。
私を担当したインストラクターはだいぶ極端な趣味に生きる人間のようで、夏の間はひたすら金をため、シーズンの間は仕事をやめて毎日のように滑るのだという。実はインストラクターは生計を立てるための仕事ではなく、たまたま滑ってお金ももらえる補助的な仕事にすぎないのだという。
実際、かぐらではレッスンを受けるような人はなかなか来ないという。
結論として、かぐらはコブの練習にはよいスキー場であった。コブの練習をしたいときにまた来ようと思う。
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