今回は式と文の違いといった、C++の用語の解説をする。
今回の勉強会の動機は、CADDi社員がうっかり未評価式の文脈でラムダ式を使ってしまったところ、つまり
using type = decltype([]{}) ;
のようなコードを-std=c++17でコンパイルしたところ、「未評価の文脈でラムダ式は使えない」というそのままのコンパイルエラーメッセージが出力されたが、はて、未評価とは?という疑問でこのエラーメッセージの意味するところを理解するのに相当苦労した経験をしたことが元となっている。なぜC++コンパイラーがこのようなエラーメッセージを出すかというと、未評価という言葉は規格上の用語なのだ。ちなみに、Clangのほうがエラーメッセージは親切で、「未評価オペランドの中のラムダ式」としている。これは規格そのままの表現だ。GCCの表現は規格どおりの表現ではないが、規格に沿った表現であることに変わりはない。C++コンパイラー開発者は当然C++規格を参照しているのでC++規格に沿った表現を使う。そのために、コンパイラーのエラーメッセージを解釈するには、規格の用語の知識が必要になる。今回はそのような知っていると役に立つかも知れない規格の用語を解説していこうと思う。
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