2008-12-29

The Soul of Ilithiel

OblivionのMOD、The Soul of Ilithielの本の翻訳。

依頼された、二日前に発見した旧記の写本を終えた。羊皮紙の保存状態は悪くはなかったが、触れただけでページが破れるほどであった。注意深く、できる限りの解読をしたが、断片的な写本とならざるを得なかった。

この旧記は、アシュカンダー・クシュルクサランなる魔道士によって書かれたものらしい。彼は荒廃する以前のFort Facianに住んでいたようだ。

この魔道士の実在と、旧記に書かれている内容の真偽について、さらなる研究が必要であると感ずる。

Colovius 第二記

……をやり遂げた。ついに書の封印を解いたのだ。長い間悩んだ末に、とうとう、ニンブラシルによる霊魂術上級書の封印を解く術を解明した。音楽だ。そりゃそうだ。初めから分かりきっていたのだ。私はニンブラシルについて、あらゆる面から研究してきたのだから。

正しい音階の特定には実に手間取った。しかし、もはやそれは終わったことだ。誰もが挫折していた封印の解除に、この私が成功したのだ。実に素晴らしい。さっそく兵士達に、lesser soulをいくつか集めてくるよう命じた。さっそくにも実験を始めなければならぬ。まさに、私は……を超える力を学ばんとするに……

……は思ったよりはかどらぬ。何より注意深くやらねばならぬ。霊魂の正しい取り扱いは、恐ろしいほどに複雑なのだ。単純な魔法道具のチャージや、くだらぬ日々のエンチャント以上の事を行うには、慎重にやらねばならぬ。

よりよい実験器具が入用だ。現在のものでは、大した成果は出せぬ。ニンブラシルの著述するほどの霊魂の厨が使えたならば、どんなにか好いだろう。ああ、夢物語は何らの……は、もはや失われたのだ。そこで私は……

……また、だいぶ間が空いてしまった。多忙でもあるし、何より研究に没頭しすぎて、わずかな手記すら書く暇がない。研究は多大な進展を得た。ニンブラシルの魔法障壁に関する研究には圧倒される。私の考えでは、彼の記すところの手順は、束縛された霊魂を用いて霊的な力を発揮せしめ、而して、その進入を妨害し、あるいは完全に遮断するものである。にわかには信じられぬ。一体、如何にせば、かくは……するものぞ。

……実に腹立たしい。もうだいぶ霊魂を浪費している。兵士達はいい加減に気難しくなってきている。なにしろ、毎日毎日、新たな霊魂を束縛しに出かけなければならぬのだからな。ある者は、私はとうとう気が触れて、卿の資財を浪費しているとまで愚痴をこぼしている。ああ、何とでも思うが好い。理解無き者どもよ。私は成功するに極まっている。アンナリオン卿の帰還なされる頃には、お目にかけるだけのものをこしらえて進ぜるつもりだ。

何が悪いのかさえ分かればいいのだが。私は記された手順に細部まで忠実に従っているのだ。何が足りないというのだ。実にくたびれた。少し……

……用いたpetty soulは完全に消費された。造りだされた力は、わずかの間しか持たず、また何らかの破壊力も備えていた。実験器具は酷く損壊してしまった。修復には時間と、そして金が、かかるだろう。

手順の改良が必要だ。また書にあたるとしよう。まあそれに、代替器具の到着も待たねばならぬことでもあるし。これはどうも……

……実験器具は損傷しておらぬ。これは私の計算した破壊領域の仮説が正しいことを証明するものである。完全に防げぬのであれば、もっと威力を制限できれば好いのだが。この生ずるところの破壊力を利用することもできるかもしれぬが、今は魔力壁の安定化と持続に注力するばかりだ。私はまだ、より上級の霊魂で試そうとは思わぬ。この効果がどのように増強されるのか予想しかねるし、それに……

……は実に期待できる。今回、私はアンデッドの霊魂を入れたソウルジェムを用いた。少なくとも、購入時の説明を信じればだ。この霊魂は、前に使っていたものより強力な霊である。用いるのはためらわれたが、威力は期待通りの向上を見せ、制御方法の改良も上出来だ。

付け加えるに、アンデッドから束縛した霊魂を用いると、より安定した結果を得られた。造りだされた力は、揺らぎが少なく、より長く持続した。より強い霊魂を用いれば、結果が向上することは予想していたものの、これほどまでに異なるとは思わなかった。またニンブラシルの書にあたらねばならぬ。もしや、彼はこの事に関して何か解説を……

……はだいぶ奇妙だ。この塔の近くで最後にアンデッドを見たのは、二十年以上前の事だったはずだ。しかし兵士の報告は、倒した骸骨のわずかな数の違いを除けば、一致している。

これは少し気にかかることだ。私はネクロマンサーとその闇魔法を好まぬ。つまり、アンデッドに関することだ。それ故、私はあの霊魂を使うのをためらったのだ。生を装った死者などもってのほかだ。案ずるに……

……良い点もある。兵士達が、新たなアンデッドの霊魂を束縛できたらしい。それで私は……進めて……

……ところ、卿の帰還を知らせる手紙を受け取った。何事もなければ、アンナリオン卿は早ければ来週末にも帰還なされるだろう。

これは素晴らしい知らせ。卿の実見に足るものがたくさんあり、必ずや満足あそばすであろう。卿が御顔に微笑みを浮かべ、満足をあらわすのを、すぐにでも拝したいもいのだ。他人が笑おうと、気違いに思おうと、勝手にするが好い。私は必ずや……

……で、喜びと歓迎が、悲しみと悲嘆に変わるとは。帰路に着くアンナリオン卿が襲撃された。よりにもよってアンデッドに襲撃されたのだ。すでに塔近くであったのに。骸骨どもだけではなく、軟弱な男は敢えて戦おうともせぬ獰猛な怪物までいた。奴らは撃破したものの、なんと負傷の激しかったことか。卿こそ致命傷を負わなかったものの、エレナ妃が亡くなられた。これぞ我が心を痛ましむ。もはや妃の元気な笑い声は絶え、……に楽しまれる時の瞳のまばゆい輝きも、永遠に失われるのだ。

……は地下室に安置せられた。実に悲しい葬儀であった。涙に袖を絞ったのは私だけではない。卿は打ちのめされていた。卿の肩は、あたかも重荷を背負うが如く曲がっていた。私は卿の気をそらそうと、実験について語った。これまでの実験の成果や、この実験の秘める可能性についてだ。卿は、わずかな興味しか示さなかった。無理もない。卿はエレナ妃を御自身の命より愛しておられたのだ。我らは皆、今は亡き妃の為に悲しむ。

私が、如何にして、霊魂で満たしたソウルジェムを用いて、力を造るか説明すると、アンナリオン卿は私に、旅の次第と、発見した財宝について語って下さった。卿は不思議なソウルジェムを持ち帰ったことに言及し、強力な霊魂が束縛されていると仰った。その霊魂はまだ意思を持っており、卿に語りかけてくるのだという。

私はそのような事を未だかつて耳にしたことがない。それは信じられぬ……

……は大きく進展した。力は完全に安定し、破壊力に関する私の計算は、完璧になった。私は持続時間の向上にすら成功した。何と十時間近くも持続するようになったのだ。信じられぬ。より強力なアンデッドの霊魂を手に入れさえすれば……

……は、またアンデッドの襲撃を受けた。アンナリオン卿は兵士を率いて撃破に向かった。卿の武器は炎に包まれ、電光を発し、恐ろしい獰猛さで、数多くの敵を倒した。我が兵士達の為には、ほんのわずかの敵しか残して下さらなかった。

それでも、兵士達の中には、私が霊魂を必要としていることを覚えていたものもいて、半ダースもの霊魂を束縛してくれた。中でも幽霊の形をなせるものの霊魂があったとか、少なくとも、その霊魂を束縛した兵士は語っていた。

私はさっそくにも、その霊魂を用いたかった、がしかしその前に、卿に訊ねなければならぬ事がある。門に向かった卿は、お気に入りのメイスを握っていた。卿が「拳」と呼んでいるものだ。

あの武器は、確かに有用であろうが、何らのエンチャントも施されていなかったはずだ。にも関わらず、卿の攻撃なされた骸骨どもは、炎に巻かれていたではないか。一体、卿はどんな秘められた力を纏っているというのか。これは実に……

……卿の仰らぬこと五日。本日、卿は私に秘密を打ち明ける決断をして下さった。卿を謁した私には衝撃が走った。卿の御顔は青ざめ、屈強な肩は落ち込み、全身が曲がりこんでいた。容体が優れぬのかと伺ったが、卿は力無く微笑まれるだけで、すぐに話題を変えてしまわれた。私が訪ねていた、六日前のアンデッドとの戦いの事だ。

卿の仰るには、卿自身は何らの魔法をも使っていないという。あの炎や電光は、前の旅で手に入れた、あの不思議な霊魂の力だという。卿の曰く、「イリシエル」は、どんな武器にも「憑依」する力を持っており、「彼女」は、敵の弱点を見抜くことができ、その敵に最も効果的な魔法を使うのだという。

意思ある、女の、イリシエルという名の束縛された霊魂は、あらゆる武器をエンチャントでき、他人の魔法に対する脆弱性を見抜くとは。これは前代未聞の話だ。霊魂とは単なる力に過ぎぬ。我々はその力を使って、武器や魔法道具を満たすのだ。

私は、我が卿の容体をひどく気にかけている。卿は肉体的に傷ついておられるだけでなく、精神的にもまいっており、その心は……

……は、召使によると、我が卿は一日中、地下室のエレナ妃の石棺の前で過ごしているという。卿はつやつや供御も召されず、思うに十分に睡眠もされていないのではなかろうか。

ああ、卿の為に何かできることはないものか。研究がもっと進展すれば、卿の興味を引き付けることができ、もって卿の気を紛らわすこともできよう。

さっそく研究に戻ろう。

……幽霊か何かの霊魂を用いた。もう三日になるのに、力は安定して持続しており、ほとんど貫通する能はざる障壁を為している。その強さたるや、細い棒を刺すのさえ、全力をもってしなければかなわぬ程だ。破壊力もさらに増している。この力に長く曝されたならば、小動物は確実に死ぬであろう、実験はしないが。非常に苦痛な死をもたらす、残酷なものになるだろう。

思うに、そろそろアンナリオン卿の実見を乞うても好い頃だろう。すこしは実用的になったはずだ。例えば、門に障壁をはるであるとか。ああ、少し興奮しているようだ。しかしなお……

……卿の容体は、ますます酷くなっているように思われる。このような卿は見るに忍びない。だが私が卿に、実験を見せ、ニンブラシルによる手順の記述と、私による改良について説明した時、私の意欲は卿の瞳を輝かせたようだ。卿の微笑みから、若干の悲しみが消えたような気がする。

私と卿はしばらくの間、この実験結果の実用的方法や、霊魂の束縛一般について話し合った。私は厚かましくも、卿の所有する意志ある霊魂について執拗に訊ねた。卿は決して怒らず、優しい目で私をお見つめになり、自分自身で見るが好いと言って下さった。卿はかの意思ある霊魂を手渡して下さったのだ。そこで私は……

……とは、何と不思議なソウルジェムであることか。私はしばらく呆然と眺めていた。グランドソウルジェムの倍はある大きさだ。ジェムは夜の闇のように暗いが、赤紫色の揺らめく光を放っている。紫色に揺らめく、雲に似たものが一筋流れ出し、ゆっくりと床に落ちては消えている。

それは他のジェムと比べてはるかに重かった。触れると温もりがある。温もりは光の明滅にあわせて増減する。このジェムは衝撃的であった。所謂、武器をチャージする以上に、ソウルジェムについて学んでいるものは、このジェムに圧倒されるであろう。このジェムを作るのに、一体どれほど強大な力を有していればいいのか。私はこのようなジェムを作れる者を知らない。あるいはニンブラシルならば。彼はこの手の魔術を真に極めていたはずだし、あの霊魂の厨をもってすれば、あるいは……

……昨晩はよく眠れなかった。何か悪夢を見た気がする。実に奇妙なことだ。どんな夢だったかは思い出せぬ。しかし、寝床の有様から判断するに、私は転げまわっていたらしい。酷く疲れ、頭痛もする。今日は何もできぬだろう。私は……した方が好いのかも知れぬ。

……、またあの夢だ。今度は、何やら奇妙な声が、頭の中にささやきかけていたような気がする。何がとてつもなく恐ろしいことをささやいていた。またもや、夢の内容は覚えておらぬが、悪夢であったことだけは確かだ。

疲れた。たった一晩でも安楽な眠りにありつければ好いに。今日はあの奇妙なソウルジェムに関する研究を続けられそうにはない。ニンブラシルの書にあたるべきだろう。おそらくは、何か参考になる……

……例の項を解読したが、ただちに読み進める気にはなれぬ。この書は、わが意に反する不吉な事柄をも含むものであった。人間の霊魂の束縛について論じているのだ。ああ、すると事実であったのか。動物や獣のたぐいだけではなく、残酷な者の手にかかれば、人間の霊魂をも束縛し得るものなのか。考えるだけでも気がめいる。果たしてニンブラシルも、そのような闇魔術を行ったのであろうか、あるいは、単に理論上の仮説を立てたに過ぎぬのか。このことについて、更に深く学ばねばならぬが、ただちにというわけには行かぬ。一旦、外に出て、新鮮な空気を吸わねば、そして……

……は、またあの奇妙なささやき声だ。残忍な誰かが、苦痛についてささやきかけているのだ。一体何事だろう。誰か強力な魔道士が、私を苦しめているのか。だが何のためだ。私は常に皆に敬意を払ってきたではないか。無益で下らぬ研究に没頭する者でさえも、私は差別することがなかった。何故といって、およそ人たるものは、皆、我が道を歩むものなのだ。例えば、私による束縛された霊魂の斬新な利用方法の発見も、他人から見れば気違いじみた単なる……

……ニンブラシルが人間の霊魂を束縛したという証拠は見当たらぬ。恐らく、ニンブラシルは理論上の手法を考案したに過ぎぬ。ニンブラシルならば、所謂ブラックソウルジェムを作り出すことも可能であったろうが。

この声がやんでくれれば好いに。これでは何事にも集中できぬ。疲れた。眠りたい。あの薬を試してみるとしよう。あれならば……

……は、ジェムこそ、この恐ろしげな声の主であると信ずる。おお、然り。あの中には意思をもった霊魂が束縛されておるのだ。残忍で凶悪な霊が、じわじわと私を苦しめているのだ。この霊は何らかの方法で、我が心と結びつき、私を苦しめているのだ。ささやきかけているのだ。恐怖と苦痛とを、絶え間なくささやき続けているのだ。

もしやアンナリオン卿ですら。もはや疑いようがない。卿の容体が日に日に悪くなってゆくのも頷けるというものだ。卿と話さねばならぬ。卿の耳に入れねばならぬ。我々はこれを振り払わねばならぬ。

アンナリオン卿と話した。卿はご立腹のご様子であった。しかし、あの邪悪な霊に対してではない。この私を信じてくださらぬのだ。卿は、私は物事を理解しておらぬと仰る。イリシエルは、何度となく卿のお命を救ってくれたと仰る。卿は、ただちにジェムを返すように、この私に仰った。

もはや私にはどうすることもできぬのだろうか。卿の容体は悪い。御身体は酷くやつれ、御顔は青ざめ、御目はくぼんでおられる。これは間違いなく……

……、あの邪悪なソウルジェムから離れて以来、私は眠れるようになった。神々を褒め讃えよ。頭痛はほとんど消え、食欲も戻った。

今日は研究に戻ることができるだろう。あれを破壊する方法を見つけねばならぬ。どうにかしてアンナリオン卿を説き伏せて……

……、またアンデッドの襲撃があった。酷い戦いであった。兵士は二人も死んだというのに、アンナリオン卿が生きておられるのは奇跡である。卿の盾は潰れ、鎧には激しい殴打の貫通した跡が残っていた。卿を塔に運び入れてみると、卿は酷い怪我を負われていたが、鎧を貫通した殴打は致命傷に思われた。卿は戦う前に、何らかの回復魔法を用意しておくべきであった。

容体は定かではなく、私の回復に関する知識は、簡単な塗り薬と飲み薬程度のものだ。我々は卿の傷の手当をし、薬を塗り、酒によって眠りにつかせた。卿はすぐに良くなるはずだ。

兵士達は、彼らの言によれば、「亡霊」というものの霊魂を束縛してきた。どうやらgrand soulらしい。

……して、grand soulの使用は、見違えるようであった。まったくの別世界だ。私は亡霊を入れたソウルジェムを、実験器具から別の器具に、障壁を破らずに移すことができた。障壁は一切ものを通さなかった。私は強力なクロスボウを用いて、矢を放ってみた。矢は、まるで強固な壁にあたったかのように弾かれた。

破壊力もさらに強くなった。恐らくは即死級だろう。ジェムの取り扱いは慎重に行わねばならぬ。

ニンブラシルの書を研究中に思ったのだが、障壁をジェムの近くではなく、すこし離して出現させることもできるのではなかろうか。まだ実験が必要だ。安全の為、地下室に移った方がよさそうだ。まだ障壁の設置方法の制御に確信が持てぬ。不測の事態に備えて……

……て、そして新たな研究室が完成したので、道具を地下に移して実験を再開することにする。墓の近くで研究する私を、おかしくなったと思う者がいるようだが、気にはしない。こここそがもっとも人から離れていて、安全な場所なのだ。むしろ私の安全への心がけに感謝してもらいたいぐらいだ。

……は、期待通りであった。私は配置方向と範囲を設定できるようになった。私はさらに、破壊力の方向を定めることもできた。まあ、多少だが。

この私の為し得た事が誇らしい。アンナリオン卿にもこの大成功を喜んでもらいたいのだが、卿の容体はまだよろしくない。傷はもうとっくに癒えたので、問題はないはずなのだ。あの邪悪な霊の仕業に違いない。なんとかあれを引き離し、どこか遠く……

……昨夜、アンナリオン卿が亡くなられた。我らは皆、悲しみに暮れている。皆、卿は悲壮窮まった末に死んだ、などと云っている。最愛の妻、エレナ妃なくしてこれ以上生きようとは思わなかっただとか、怪我をしたために気力をなくして死んだだとか云っている。

愚かものどもめ。何も知らんのだ。一体何が卿の心を蝕み、苛み、生きる気力を打ち砕いたかは分かりきっている。何としても終わらせてやる。あの忌々しいソウルジェムを壊すことはできなんだ。さらばよし。誰にも害を及ぼせぬよう封印してくれる。何人にも破る能はざる、この天地のつきるまで終わることのない封印をしてくれるわ。

……アンナリオン卿の為には、別に墓室をつくり、あのソウルジェムを一緒にしておくよう提案した。誰も反対はしなかった。というのも、皆気乗りのしない仕事であったからだ。アンナリオン卿とエレナ妃の墓室を分けることについては、一問答あった。私の実験室はエレナ妃の石棺に近い。アンナリオン卿は私の設計した荘厳な墓室に眠られるのだ。何で悪いことがあろうか。

……、墓室の仕事は終わった。障壁を造る準備はほぼ整った。頼んでおいた、アンデッドで満たしたgrand soul gem四個は、数日で手に入るだろう。前に実験した亡霊の霊魂を頼み、深入りはしないよう注意した。

二人の召使がFacianから出て行った。アンデッドの襲撃を恐れており、アンナリオン卿なき今、彼らは……

今日、アンナリオン卿の遺体を、新しい石室に運び入れた。私は呪われたソウルジェムを石棺の上に置いた。このうっとおしい霧を発するものは、ここに捨て置かれるのだ。

ジェムを地下室に運ぶ間、なにか不思議な感覚に襲われた。今も体が震えている。もしやまた精神的な繋がりが生じたのではなかろうか。この前よりも強い。早く障壁を完成させ、二度とあれに近づけぬようにせねばならぬ。

……な夢に再び襲われた。まだこの身が震えている。あれは私自身の事ではないのだ。私はあのように邪悪ではないのだ。かほど邪悪なものがあろうか。かかる恐怖をどうすれば夢に見ることができるのだ。あたかも陰湿で異常な精神を共有しているかのようであった。

これも私の行いを妨げるつもりであるのだろうか。ジェムは地下室にあるのだ。あの悪霊は、どうやって私に悪夢を見せているのだ。これほど遠くまで届くものなのだろうか。

また……の夢だ。夢の中で、尽きる事のない苦痛に耐えねばならぬ。やめてください、助けてください、終わらないよう。何か怒れるものが私を苛み、私は泣き叫んで抵抗する。秘密は守ります。

しかし秘密とは何だ。私を苦しめているのは一体誰なのだろう。

今日、亡霊の霊魂でみたした四つのソウルジェムが揃った。すぐに一つ目の障壁に取り掛かるとしよう。一日にひとつしか造ることはできぬだろう。細心の注意を払い、正しい調整をしなければならぬ。これには時間がかかる。準備がととのったら、すべての障壁を動かすのだ。つまり、あと四日は悪夢に耐えなければならぬ。気力が持てばいいが。

……、四つの障壁はすべて設置された。今日、私は障壁を動かすつもりだ。そして塔を後にする。もうこの夢には耐えられぬ。逃げなければならぬ。牢獄を完成させるため、今から地下に降りる。

書くのですら危うい。全身の血が煮えたぎるようだ。これでも薬を使っているのだ。さもなければ気を失ってしまうだろう。地下室に近づきすぎた。あれは私が何をしようとしているか感づいたに違いない。防壁を動かした時、恐ろしい力に襲われた。あの悪夢が現実になったようであった。

何故だろう。何故、これが記憶のように感じるのであろうか。

またニンブラシルの書にあたらねばならぬ。別の暗号を使った部分が残っている。解読しなければならぬ。ニンブラシルの知識のすべてを知らねばならぬ。

……は、本当だった。アンナリオン卿の仰ったことは、すべて本当だったのだ。ニンブラシルの報告は、明解にこのことを述べている。彼女は私の夢を蝕んでいたわけではなかったのだ。あれは彼女の記憶を、私が寝ている時に、すなわち心の置き所がなく、開かれている時に、共有していたのだ。彼女の力を欲するがために、際限なく威され続ける、彼女の記憶だったのだ。あれは私ではなく、彼女の救いを求める声だったのだ。じわじわとその美しい身を焦がし、なおも逃さぬ苦痛から逃れる試みであったのだ。死すら彼女を逃がさず、尚も精神を蝕み続けているのだ。

私には彼女の記憶を共有できるだけの力がなかったのだ。彼女を繋ぎとめ、苦痛から解き放つだけの力がなかったのだ。何ということをしでかしたのだ。アンナリオン卿が自身の悲嘆に暮れ果てたことにより、もはや助けてくれる者は誰もいなかったのだ。なぜ私に分からなかったのか。私は彼女を助け、繋ぎとめ、救ってやるべきだったのだ。かわりに、私は彼女を封印して、死体と置き去りにしてしまった。彼女の所へ降りていかねば。

……、墓室にできるだけ近づいてみた。障壁のために死にかけて、引き返さざるを得なかった。なんとか彼女に話しかけようとしたが、どうやら結びつきは十分に強くないらしい。

とにかく、しばらくそばにいると、彼女の苦しみは少し和らいだようだ。おそらく、近くに友好的な心があることを感じ取ったのだろう。

……て、最後の暗号を解読した。これで、私はニンブラシルの書をすべて読んだことになる。ニンブラシルの書のすべてを理解したとは言わぬが、あの障壁をけしさる術は載っていなかった。自分で見つけなければならぬ。

……、恐らく、これが最後の手記になるであろう。私はイリシエルの元に向かい、防壁を破りに行く。成功するとはもとより思わぬ。ひょっとしたら、すこしでも弱められるかもしれぬ。つまり、より強く、賢い者が、後に障壁を破ってくれるだろう。

私は地下室には行かぬよう、皆に告げた。もっとも、大半の者は、もはや塔から逃げ出してしまっているが。ありったけの回復薬をかき集めてきた。さあ、行かねば。

神々よ、憐れみたまえ。

アシュカンダー クシュルクサラン

2008-12-26

Real Four Yorkshiremen

asahi.com(朝日新聞社):派遣切り、届いた0円の給料明細 「寮費不足分払え」 - 社会

「派遣切り」の後に送られてきたのは手取り0円の給料明細だった。関東地方の半導体基板製造工場で派遣社員として働いていた30代後半の男性。11月上旬に契約打ち切りを言い渡された。だが、11月分の給料は、寮の清掃費などを差し引かれて1円も振り込まれなかった。

目を疑った。男性は11月に6日間出勤したが、寮の清掃代として約5万6千円、仕事で使った作業着代650円が差し引かれ、11月分の手取りがなくなった。

「一方的に首を切ったのに0円の給料明細なんてよく送れたものだ」。会社に電話で抗議すると「差額の481円はあなたの負担」と、金を振り込むように指示された。

It reminds me Monty Python's Four Yorkshiremen.

とりあえずスクリプト。

Eric Idle: Very fussable, isn't it? Very fussable.
All: Right, all right.
Graham Chapman: Good glass of Chateau de Chasselas, ain't just that, sire?
Terry Jones: Oh, you're right there, Obadiah.
Graham Chapman: Right.
Eric Idle: Who would have thought, thirty years ago, we'd all be sitting here drinking Chateau de Chaselet, eh?
All: Aye, aye.
Michael Palin: Them days we were glad to have the price of a cup of tea.
Graham Chapman: Right! A cup of cold tea!
Michael Palin: Right!
Eric Idle: Without milk or sugar!
Terry Jones: Or tea!
Michael Palin: In a cracked cup and all.
Eric Idle: Oh, we never used to have a cup! We used to have to drink out of a rolled-up newspaper!
Graham Chapman: The best we could manage was to suck on a piece of damp cloth.
Terry Jones: But you know, we were happy in those days, although we were poor.
Michael Palin: Because we were poor!
Terry Jones: Right!
Michael Palin: My old dad used to say to me: "Money doesn't bring you happiness, son!"
Eric Idle: He was right!
Michael Palin: Right!
Eric Idle: I was happier then and I had nothing! We used to live in this tiny old tumbled-down house with great big holes in
the roof.
Graham Chapman: House! You were lucky to live in a house! We used to live in one room, all twentysix of us, no furniture,
half the floor was missing, we were all huddled together in one corner for fear of falling.
Terry Jones: You were lucky to have a room! We used to have to live in the corridor!
Michael Palin: Oh, we used to dream of living in a corridor! Would have been a palace to us! We used to live in an old
watertank on a rubbish tip. We'd all woke up every morning by having a load of rotten fish dumped all over us! House, huh!
Eric Idle: Well, when I say a house, it was just a hole in the ground, covered by a sheet of tarpaulin, but it was a house to us!
Graham Chapman: We were evicted from our hole in the ground. We had to go and live in a lake!
Terry Jones: You were lucky to have a lake! There were 150 of us living in a shoebox in the middle of the road!
Michael Palin: A cardboard box?
Terry Jones: Aye!
Michael Palin: You were lucky! We lived for three months in a rolled-up newspaper in a septic tank! We used to have to go
up every morning, at six o'clock and clean the newspaper, go to work down the mill, fourteen hours a day, week in, week out,
for six pence a week, and when we got home, our dad would slash us to sleep with his belt!
Graham Chapman: Luxury! We used to have to get up out of the lake at three o'clock in the morning, clean the lake, eat a
handful of hot grubble, work twenty hours a day at mill, for two pence a month, come home, and dad would beat us around
the head and neck with a broken bottle, if we were lucky!
Terry Jones: Well, of course, we had it tough! We used to have to get up out of the shoebox in the middle of the night, and
lick the road clean with our tongues! We had to eat half a handful of freezing cold grubble, work twenty-four hours a day at
mill for four pence every six years, and when we got home, our dad would slice us in two with a breadknife!
Eric Idle: Right! I had to get up in the morning, at ten o'clock at night, half an hour before I went to bed, eat a lump of cold
poison, work twenty-nine hours a day down mill and pay millowner for permission to come to work, and when we got home,
our dad would kill us and dance about on our graves, singing Hallelujah!
Michael Palin: Aah. Are you trying to tell the young people of today that, and they won't believe you!
All: No, no they won't!

"pay millowner for permission to come to work"に注目。まさにこれだ。

これを訳すなどというのは無謀なのだが、まあ、試してみると以下のような意味である。

エリック アイドル「なかなかいいな。悪くねぇ」
全員「ああ、悪かない」
グラハム チャップマン「このシャトー・デ・シャスレも悪くねぇな、なぁ」
テリー ジョーンズ「そうだなぁ」
グラハム チャップマン「うん」
エリック アイドル「しっかし、三十年前に、俺達がこうしてくつろいで、シャトー・デ・シャスレ飲んでるとは思わんかったぜ」
全員「ああ、ああ」
マイケル ペイリン「紅茶一杯あればまだ幸せな方だったさ」
グラハム チャップマン「そうだ。しかも冷めたやつな」
マイケル ペイリン「そうだ」
エリック アイドル「ミルクも砂糖もなしで」
テリー ジョーンズ「お茶もだ」
マイケル ペイリン「コップはひび割れてたしな」
エリック アイドル「おいおい、俺はコップなんてもんは持ってなかったぜ。俺らは新聞を丸めて使ってたんだ」
グラハム チャップマン「俺らは湿った布着れを使ってたぜ」
テリー ジョーンズ「でもさ、俺らはあの頃楽しかったよな。貧乏だったけど」
マイケル ペイリン「貧乏だったからこそだよ」
テリー ジョーンズ「そうだ」
マイケル ペイリン「親父がよく言ってたもんさ。『金では幸せになれん』、とな」
エリック アイドル「その通りだ」
マイケル ペイリン「そうだ」
エリック アイドル「一文無しだったけど幸せだったさ。俺らは傾いたちっぽけなあばら屋に住んでたんだぜ。天井にでっかい穴があいてたもんさ」
グラハム チャップマン「家だと。家とは贅沢だな。俺らは二十六人で一部屋だったんだぜ。家具なし、床半分なし。落ちないように一箇所に固まってたもんさ」
テリー ジョーンズ「部屋とは贅沢だな。俺らは廊下に住んでたこともあるんだぜ」
マイケル ペイリン「廊下に住めたらどんなに良かったことか。廊下なんて最高だろう。俺らはみんな下水道に住んでたんだぜ。朝起きると腐った魚が散らばってるんだ。家だと。フン」
エリック アイドル「いや、俺の言った家というのはだな、地面に穴掘ってシートかぶせただけなんだ。でも俺らにとっちゃ家だったんだよ」
グラハム チャップマン「俺らは地面に掘った穴から追い出されてだな、池に住まなきゃならなかったこともあるんだぜ」
テリー ジョーンズ「池とは贅沢だな。俺らは百五十人もで、道路のど真ん中で靴箱の中に住んでたんだぜ」
マイケル ペイリン「ダンボールのことか」
テリー ジョーンズ「そう、それ」
マイケル ペイリン「贅沢だな。俺らは新聞敷き詰めた浄化槽ん中に住んでたんだぜ。俺たちゃ毎朝六時に起きて新聞片付け、工場で働くんだ。一日十四時間労働で、毎週毎週、週給六ペンスさ。そんで家に帰れば、親父にベルトで打たれる」
グラハム チャップマン「めぐまれてたな。俺らは毎朝三時に起きて、池の掃除さ。温めたもんを多少食って、工場で一日二十時間働いて、月給二ペンス。家帰ってみろ。親父に割れ瓶で殴られるんだぜ。それだけで済みゃマシなほうだったが」
テリー ジョーンズ「もちろん俺らはもっと酷かったさ。真夜中に起きて靴箱から這い出て、舌で道路を舐めてキレイに掃除するんだ。半分凍ったまんまのもんを食って、工場で一日二十四時間労働。給料は六年働いてたったの四ペンスさ。家に帰ったらだな、親父にパン切り包丁で真っ二つさ」
エリック アイドル「さて。俺は毎朝夜十時、寝る三十分前に起きて、腐った残飯をあさるんだ。一日二十九時間工場で働いて、工場主に労働費を払うんだ。家に帰ればだな、親父は俺らを殺して墓の上でハレルヤ歌って踊るんだ」
マイケル ペイリン「まあ、今の若いもんに言っても、信じやしないだろうけどな」
全員「信じるもんか」

このスケッチを理解するのは、イギリス人ではなく、英語を母国語としてすらいない我々にとっては難しい。まず第一に、このスケッチのタイトルは、「四人のヨークシャーの男達」という意味である。全員ヨークシャー訛りで話す。ヨークシャーというのは、炭鉱産業で栄えた地域である。イメージとしては、汚い工業地域で、知性の低い肉体労働者ばかり住んでいるところだ。ヨークシャー訛りには、そういう意味がある。昔は貧乏していた肉体労働者が、いまは成り上がって悠々自適の生活をしているというような所からスケッチは始まる。

ところで、もともとこのスケッチでは、エリックの部分はジョン クリーズが演じていた。しかし、このハリウッドのライブでは、エリックになっている。これは、ジョンはヨークシャー訛りで話すのが下手だったからという噂がある。

追記:このdadは、親父じゃなくて、ボスという意味かもしれない。たとえば、Who's your daddyとかいう文脈で使う。

追記:かなり初期の作品はこちら

サクラは違法なのか

違法である。偽の客で行列を演出し、客を騙しているのだから詐欺だ。

違法ではない。もし演出が違法であるとするならば、いったいCMはどうなってしまうのか。うまい肉、新鮮な魚、大人気の商品、などというCMは、「大半の人が美味であると評価する肉(味覚には個人差があります)」、「漁獲後、即座に冷凍させた魚」、「大人気になる予定の商品」となる。行列のできるなんちゃらという商品名は使えない。

今回テレビもすばやく取り上げているが、テレビへの広告料を減らしたから見せしめだという陰謀論もあるとかないとか。まあ、どこもサクラぐらい使っているとは思うが、こういう分かりやすいのは、なかなかない。

あんな面白いチャンスを逃すとは、もったいなかった

惜しいことをした。私は今回のマクドナルドのサクラの募集に応募することもできたのだ。何しろ、不本意ながら現在はフリーな身の上なのだから。職を探す上で、派遣というのは最初から選択肢にないが、こういう面白いことが起こるなら、定期的に見ておくべきだった。

もしこのフルキャストの仕事に応募して、録音機を持っていけば、しばらくブログのネタには困らなかっただろうに。守秘義務? 何それおいしいの? もとより売り上げ最高記録更新とか即日発表して株価操作してるのだから、むしろ内部告発にあたる。しかも訴えれば、サクラを使っていたことを認めることになるので、なおさら面白い。ああ、もったいないことをした。さぞ面白かっただろうに。

だいたい大阪だ。大阪人が行儀良く行列を作るわけがない。しかもマクドを並んで食べるとは、痛すぎる。

公式発表では、「モニタリング」と弁明しているそうだ。行列ができたらどうなるかを検証するモニタリングなのだろうか。痛いにも程がある。

2008-12-25

車を殺人兵器に変える方法

How to Turn Your Car Into an Unstoppable Murder Machine

1 トランクを蜂で一杯にする。トランクを開けて敵を殺人蜂で驚かせよう。
2 ワイパーにAK-47を取り付ける。トリガーには糸を仕掛けて、ワイパー作動時に弾をばら撒くようにしておく
3 怒り狂う熊を前後左右に結びつける。水の入った瓶を用意しておくこと。熊がダレてきたら、水をぶっかけて怒らせよう。
4 天井にラジカセを取り付けて、恐ろしげなカセットを流す。恐怖とは最大の武器なり。
5 タイヤをヤクの血で染める。おまじない。
6 ライトにナイフを取り付け、カーバッテリを接続する。敵が来たら回転式発光ナイフで攻撃だ。
7 運転中はチェーンソーをホイールに装着する。接近してくる敵に対して有効。
8 戦争の顔をしろ。迫力なし。バックミラーみて練習しとけ。

See also : What Santa REALLY Does While You're Asleep - BumblePigs.com

マクドが謎のバーガーを盛り上げるためにサクラを大量導入

>「新商品を並んで買って食べるだけ」の短期アルバイトが登場、時給は1000円 - GIGAZINE

マクドナルドが、謎のバーガーは大成功だったと吹聴しているが、ちょうどまったく同じ日時に、同じ場所で、フルキャストから「楽チン!新商品を並んで買って、食べるだけのお仕事!」なる仕事情報がでている。その日時に並んでいたのは……マクドナルドぐらいしかない。はてさて、不思議不思議。

しかも、売り上げ最高記録を更新したと公式サイトで謳っている。昨日の今日でえらく早い公式リリースだ。まあ、不況時の株価対策か何かなのだろう。浅ましいことだ。

しばらくマクドナルドに行くのはやめておこう。だいたい、材料はどうしたんだ。マクドで一千万の売り上げならば恐ろしく大量の材料が必要になるが、確実に売れる「保障」がなければそんな材料をあらかじめそろえるわけがない。

2008-12-16

歯の治療は一段落

今日、ようやくクラウンをかぶせた。やれやれだ。

ところで、この人工の歯であるが、真っ白ではなかった。隣の歯の色にあうような色を選ぶらしい。意外だ。

2008-12-15

NSFW テトリスの歌

コロブチカに独自の歌詞をつけたもの。Not Safe For Work!

歌詞は以下の通り。なるべくメロディを考えて訳したので、多分このまま歌えると思う。このブログの最近の傾向からから考えるに、この手の内容はどうかと思うが、何しろ聞いて大爆笑したので、訳さずにはいられない。内容はともかくとして、この歌のニュアンスを日本語に訳すのは難しい。しかも歌だから、メロディに合わせて歌えないといけないわけだ。ニュアンスも含めて正しく訳せたと信じる。

二つの意味のある、こういう文章を訳すのは難しい。

ワン ツー スリー フォー
四色の ブロックが 四つ揃って T字や箱で 落ちてくる
行が揃えば 消せるけれど これは女の為なんだ

母ちゃんは 回して 入れるのが 好き(回して 入れる)
婆ちゃんは 言うよ これ やみつきね(もちろんさ!)

これは 女がウケだから 初めて でも平気
逝って楽しい チチとマンありゃ 君だって天国さ(ヘイ!)

お前の母ちゃんも 大好きさ(大好きさ)
俺のは凄え もっと もっと ヤレるぜ(何、冗談さ)

女の脳みその奥には、気持ちのいい 場所がある(Tスポットさ)
ブロックが落ちたら スポットに当たり こんな風に歌いだす

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ
テトリス 大好き ラララーラ

女に飽きたら 焦げ付かずに 別れる術がある(何て酷い)
この歌を 歌えば 女は 騙されてしまう(やってみよう)

ラ ラ ラ ラ(酷い!) ラ ラ ラ(これってテトリスの歌?)
ラ ラ ラ ラ(テトリス大好き!) ラ ラ ラ(仕方ないわね)

テトリスがあれば 女に困らんぜ(ギシ ギシ ギシ)
テトリスをやれば すぐ 簡単に デキちゃうよ!

ちなみに、原文は以下の通り。

One, two, one two three four
Shapes made of four colored blocks like a T or a box
Come down like falling bricks
You can set them in rows, but everybody knows
That they made this game for chicks (HEY!)

Mom just loves to flip and stack
Grandma says this shit is like crack! (Well it is!)

This is the game girls deserve, there is no learning curve
Which makes it great for noobs
It will fill you with glee, especially if you have a vaj and boobs (HEY!)

Your mom loves it
Mine does too
Call me sexist, bitch it's still true (just kidding about the bitch part)

Deep in a girl's dainty brain, there's a spot near a vein
Which regulates their bliss (The T-spot)
Once they see falling blocks, the T-spot unlocks
And they start to sing like this (SING!)

LA LA LA LA LA LA LA
WE LOVE TETRIS, LA LA LA LA

Here is a trick I have learned
To avoid getting burned
When you piss off your chick

If you sing this on key,
Immediately shell forget that you're a dick (Try it!)

LA LA LA LA (Im still mad.) LA LA LA (Is that the Tetris song?)
LA LA LA LA (I love tetris!) LA LA LA (Im happy now.)

Tetris helps when chicks want to neuter us (Snip, snip, snip)
If you love it, you probably have a uterus!

あまり良い訳だとは言えないが、まあ難しい。 "Your mom loves it Mine does too" というフレーズは、正しく訳すには語数が足りない。"especially if you have a vaj and boobs" も語数が足りない。"there is no learning curve"は完全に脱落してしまった。最後にuterusなんて言葉が出てきた時はどうしようかと思った。これはブロックを四段消すことを意味する言葉、テトリス(Tetris)にかけてある。日本語に訳す時も、この二つの意味を持たせなければならない。幸いにして、すぐに良い訳を思いついた。

とは言っても、やはり内容が内容だなぁ。

2008-12-12

Google ChromeのUnicode対応度が上がった。

0.4.154.33では、 "Fixes an issue with displaying unicode characters in some fonts."という修正がされた。これによって、いくつかのUnicode文字を正しく描画できるようになった。例えばこのページで、いくつかのUnicode文字の描画を確認できる。前回と比べて、描画できる文字が増えている。しかし、完璧ではない。

デフォルトのVista環境では、タミル語の文字以外はすべて表示できるはずだ。Chromeは、まだタミル文字以外にも、表示できない文字がある。ちなみに、VistaのIE7では、リンク先の記事は表示できない。理由は不明。

2008-12-11

シンプソンズのエロ同人作家、児童ポルノを画いたとして有罪となる

スラッシュドット・ジャパン | 「ザ・シンプソンズ」のエロパロ漫画、豪州で児童ポルノとみなされる
Slashdot | Australian Judge Rules Simpsons Cartoon Rip-off Is Child Porn

絵が児童ポルノとみなされるのも驚きだが、シンプソンというのも驚きだ。アレはそもそも人間なのか? 日本人として生まれていくらかマシか分からない。

2008-12-09

C++0xにおけるユニバーサルキャラクタ名(universal character name)について

以下のコードはC++03では規格違反だが、C++0xでは問題の無いコードである。

"改行コード→\u000D\u000A"

見ての通り、ユニバーサルキャラクタ名で、0x0Dと0x0A、すなわち、CRLFを記述しており、これはWindows環境で標準の改行コードである。これはC++03ではコンパイルできない。何故ならば、2.2 Character setsのパラグラフ2には、以下のように書かれているからである。

If the hexadecimal value for a universal character name is less than 0x20 or in the range 0x7F-0x9F (inclusive), or if the universal character name designates a character in the basic source character set, then the program is ill-formed.

もし、ユニバーサルキャラクタ名の16進数の値が、0x20以下か、0x7F-0x9Fの範囲であるか、あるいはuniversal character nameがbasic source character setであれば、プログラムはill-formedである。

basic source character setという、アルファベット数字記号といくつかのコントロール文字で構成される、96文字の文字である。C++0xでは、この部分は以下のように変更される。

If the hexadecimal value for a universal-character-name corresponds to a surrogate code point (in the range 0xD800–0xDFFF, inclusive), the program is ill-formed. Additionally, if the hexadecimal value for a universal-character-name outside a character or string literal corresponds to a control character (in either of the ranges 0x00–0x1F or 0x7F–0x9F, both inclusive) or to a character in the basic source character set, the program is ill-formed.

もし、ユニバーサルキャラクタ名の16進数の値が、サロゲートコードポイント(0xD800-0xDFFFの範囲)にあたる場合は、プログラムはill-formedである。さらに、もし、文字と文字列リテラル以外のユニバーサルキャラクタ名の16進数の値が、コントロール文字(0x00-0x1Fか、0x7F-0x9Fの範囲であるとき)か、basic source character setである場合は、プログラムはill-formedである。

この英文は理解しづらいと思う。"outside a character or string literal"というのは、「文字と文字列リテラルの外で」という意味だ。つまり文字と文字列リテラルはこの制限を受けない。

コンパイラが良きに計らってくれるのでは困る。俺はサロゲートペアを直接使いたいんだという人は知らん。

Raw String Literalって役に立つのかな。

どう考えても文法がキモいいんだよね。

char16_t const  * p = uR"dumbass[ここにはなんでも記述できる。例えば、龘、とか、ᚠᛅᛁᚱᛂᛅᛚ、とか]dumbass"

それに、たとえばWindowsでは、改行コードはCRLFなので、所詮はそのまま使えない。そしてバックスラッシュも特別な働きをしないので、Windows下でRaw Stringリテラルで改行を使う場合には、以下のようにする必要があると考えた。

uR"Windows環境のRaw Stringリテラルでいかにして改行を使うかという方法のサンプル。/u000D
このようにしなければならない。/u000D
なんて面倒なんだ。/u000D
これのどこがRawだ。これのどこが。/u000D
馬鹿なの? 死ぬの?" ;

universal character nameについては別に書く。

へろへろ矢

清盛などがへろへろ矢は物の数にてや候ふべき。

保元物語より。

これは保元物語の実際の文章である。保元物語の多くの諸本は、ここで清盛の矢を、へろへろ矢と表現している。しかし、へろへろ矢とは、なんだか面白い言い方だ。当時の口語は、案外現代に近いものもあったのかもしれない。

2008-12-08

C++0xの識別子

C++0xの識別子はユニバーサルキャラクタ名と、その他の実装依存の文字が使える。したがって、Unicodeを識別子に使えるC++0xコンパイラは、規格違反ではない。

Unicodeが識別子に使えると、コードの表現力が圧倒的に増すだろう。たとえば、

typedef int 整数 ;
整数 合計 = 1 + 2 + 3 ;

もっと突き進めると、以下のようなコードも書けるであろう。

台形の面積 = ( 上底 + 下底 ) * 高さ / 2 ;
円の面積 = 半径 * 半径 * π ;

素晴らしい。とても分かりやすい。日本語は空白を必要としない文字なので、とても使いやすい。あるいは、Σとかλなどの、ギリシャ文字を数学的な関数の名前に使いたいという人は多いであろう。そのほかにも、世の中には将棋の駒なんていう文字もある。

興味深い文字もいくつかある。たとえば空白だ。Unicodeには空白文字がかなり沢山ある

  =   +   ;

この規格を真に受けて、Unicode識別子をサポートしたコンパイラが出ると面白いことになりそうだ。

問題は、あくまで実装依存なので、ポータブルではないことだ。それに、VBなどでは日本語の識別子も使えたと聞くが、あまり喜ばれてはいなかったと聞く。

歯が悪いといろいろと不便である

歯が悪いことが、こんなにも日常に影響を及ぼすとは思わなかった。単に物がうまく食べられないだけではない。 意欲までそがれるとは。

2008-12-07

Raw string Literalについて

去る12月5日のC++WGのアドホック会議で、誰もRaw String Literalの正しい知識を持っていなかったので、ここに正しい内容を書き記す。かく言う私自身も、Raw String Literalについてはまったくもって不勉強であった。というのも、名前が指し示す通りの意味でしかないではないかと思っていたのだ。つまり、改行やバックスラッシュの類もすべてそのまま記述できるリテラルだと思っていた。しかしこれは誤りである。

まず、通常の文字列リテラルでは、一部の文字が特殊な意味を表すので使えない。例えば、

"\\" ; // バックスラッシュひとつ
"\n" ; // 改行コード
""" ; // エラー

これらを何とかしたい。そこで、Raw String Literalが考え出された。

この文字列の解説は簡単にはいかない。まず、通常の文字列リテラルの前にRがつく。文字列の中身は以下のようになる。

" d-char-sequenceopt [ r-char-sequenceopt ] d-char-sequenceopt "

まず、最初と最後のd-char-sequenceとは、連続したひとつ以上のd-charである。これは省略できる。d-charとは何か。それは、空白、[、 ]、 垂直タブ、水平タブ、フォームフィード、改行、を除く、basic source character setである。つまり、2.2.1で定義されている96文字の内の、89文字のことだ。アルファベットと数字と[]以外の記号である。

つぎに、[]で文字列を囲む。その中には、r-char-sequenceを記述する。r-char-sequenceとは、ひとつ以上のr-charである。r-charとは何か。それはほとんどすべての文字である。何でもいい。ただし、いくつか例外がある。

まず、\u、\Uは使えない。これはユニバーサルキャラクタ名を記述するために必要だからである。それと、最後のd-char-sequenceに続く]が使えない。それ以外は普通に使える。

R"[]]"

この場合では、最後の]が、最初の[を閉じるために使われる、したがって実際の文字列は

"]"

である。それ以外は、なんでも自由に使える。

R"[ここにはほとんど何でも記述できる。]" ;

R"[\でも使えるのは楽だ。\rや\nや\tなどもそのまま記述できる。ただし、uもしくはUが続く場合は使えない。]"

R"[たとえば、
このように
改行も記述できるってゆーか
そんなの
あたりまえだし
この場合
改行が
たくさんあって
読みやすいし]" ;

これは、従来の文字列リテラルでは、次のようになる。

"ここにはほとんど何でも記述できる。"

"\でも使えるのは楽だ。\\rや\\nや\\tなどもそのまま記述できる。ただし、uもしくはUが続く場合は使えない。"

"たとえば、\nこのように\n改行も記述できるってゆーか\nそんなの\nあたりまえだし\nこの場合\n改行が\nたくさんあって\n読みやすいし"

という文字列になる。

どうもドラフトの記述がよくわからない。2.13.4 String literalsのパラグラフ3のサンサンプルコード

the assert will succeed:
const char *p = R"[a
b
c]";
assert(std::strcmp(p, "ab\nc") == 0);

となっているが。pの指す文字列は、"a\nb\nc"である。assert will succeedというのは、assertされるということなのだろうか。それならpの指し示す内容は"ab\nc"でなければ何でもいいことになり、サンプルコードとして変だと思うのだが、いいのだろうか。

それから、Raw String Literalの中の、[]は省略できないように読めるのだが、ドラフトのサンプルの中では省略しているものがある。いいのだろうか。

d-char-sequenceの目的がさっぱり分からないので除外。ドラフトからでは、前後のd-char-sequenceは同じ文字の並びでなければならない。最大で16文字である。ということしか分からない。

2008-12-04

予定

12月4日の午後11時頃に、京都から夜行バスに乗って東京に行く。
12月5日の午前7時頃に、東京に着く。
午前10時からC++WGの会議に出席。今回はアドホックなので、結構な人が集まる予定になっている。
午後5時に会議終了。
午後10時に東京から夜行バスに乗って京都へ帰る。
12月6日の午前6時頃に京都に着く。

会議からバスまでの空き時間をどうすべきか。どうも中途半端な時間だ。

2008-12-03

ロスレス圧縮と無圧縮の違いを聞き分けられるすごい耳の持ち主

本田雅一の「週刊モバイル通信」

ロスレスと非圧縮をも聴き分けられるオンキヨーのオーディオネットトップ

さらにソフトウェアの面でも高音質を追求し、独自のPureSpaceというソフトウェアが添付されている。このソフトウェアはWindowsのサウンドミキサーをバイパスして音楽を再生するPure Direct Audio Path(PDAP)という技術を採用するオーディオプレーヤーで、
(中略)
 PureSpaceが起動中は、他のWindowsアプリケーションが鳴らす音はミキシングされないため、音楽を聴いている時に突然、メール着信音が鳴って気分が台無しになるといったことがない。加えてWindowsのサウンドミキサーは、音を悪くする張本人として悪名高く、これをバイパスすれば音質が高まることは間違いない。

生のPCMとロスレスコーデックの音が違う、というのは、実はオーディオの世界ではよくあることで、たとえばTrondheim Solisteneの「Divertimenti」というアルバムなどでも体感できる。SACDとBlu-rayが同梱されており、Blu-rayにはDTS-HD Master Audio、Dolby TrueHD、リニアPCM、Dolby Digital(AC-3)を聞き比べることができる。AC-3が違うのは当然としても、すべての音声トラックが異なる質に聞こえるのだ。

言い換えれば、そうしたロスレスと非圧縮の違いを感じられる程度にまで、クオリティを高めることに成功したとも言えるだろう。本機と同程度の価格が設定されているUSBオーディオは数多くあるが、ここまで高音質な製品は少ない。

WAVにリッピングした音は歪みっぽさが抜け、滑らかでイヤな音を感じさせないクリアな質感表現は、実に堂々としたものだ。一般的なネットトップ+2万円ほどでこれだけの質を引き出していると考えると驚くに値する。

頭大丈夫かな、この人。

2008-12-02

Vista SP2のRTM版が来年の四月に公開されるという噂

TechBlog: Report: Windows Vista Service Pack 2 coming in April
Tech ARP - ED#106 : Windows Vista Service Pack 2's Latest Release Schedule

噂の一次ソースはTech ARPから出ている。ここは以前にも、Vista SP1やXP SP3のリリース時期を当てたこともあり、なかなかある程度の信頼があると言われている。

具体的な噂の内容としては、来年の二月にRC版が出て、四月にRTM版がでるらしい。もちろん、RTMとは、stands for Release To Manufacturingなので、一般に公開されるには、それよりも後になるだろう。Windows Updateに載る前に、手動で落として当てるWeb版が公開されると思われる。

日本語とは何と曖昧な表現に強い言語だろう。言語学では、言語ごとの優劣を論ずるのは愚かだと、どこかで読んだし、それにこの手の話は、日本文化と外国の文化の差異というものを切り離して論ずるということができないので、この手の事について論じている本の著者は、大抵ナショナリズムの具現ともいうべき人物なのだが、それでもやはり、どこか違いがあるような気がする。実際、英語を使っている時の自分は、だいぶaggressiveとでも言うべき性格になっている気がする。

科学者の料理方法

YAGレーザーによるホットコーヒー

まずは温かい飲み物を作りましょう。手順はとても簡単。コップに水を入れて、どこのご家庭にもあるYAGレーザーで、たったの20秒ほど加熱するだけです。火を使うなんて原始人ですし、電子レンジなんて二十世紀の遺物です。これからはYAGレーザーの時代です。

テスラコイルによるホットドッグ

これはまじめに疑問なのだけれど、テスラコイルの横の棒の下半分のところに、ホットドッグが、棒から出ている横棒に刺さっている。ホットドッグ自体は繋がっていないものの、放電によって数珠繋ぎのように見える。これで肉が焼けるのかな。

Windows 7のCPUのみによるDirectXの実装のベンチマーク

Windows Advanced Rasterization Platform (WARP) In-Depth Guide
Windows 7: Play Crysis Without a GPU - Tom's Hardware

CrysisをCPUのみで実行した場合のFPSについて。Nehalemが突出して早い。皮肉なことに、Intel DX10 Integratedよりも早い。x264の開発者の一人も、Nehalemは早くなったと言っている。

もちろん、CPUによるエミュレートは、nVidiaやAMDのローエンドのGPUからみても嘲笑されるほど遅いが、すべてのPCで、DirectGraphicを使うプログラムを、とりあえず走らせることができる。たとえGPUが溶けたとしても。

訂正:よく読んだら、MMX, SSE or SSE2 is *not* requiredと書いてあった。

2008-12-01

歯医者

最悪なことに、根管治療をすることになった。これは手間と時間がかかる。歯の中に膿がたまっていたらしい。いや、先生、膿をこれ見よがしに見せてくれなくてもいいのですが。

2008-11-30

歯が痛い

歯が痛くて良く眠れない。困ったことに、歯が痛み出したのは昨日の夜からなので、歯医者はやっていない。そして日曜日にやっている歯医者は近所には、聞いたことが無い。鏡で見ても、とくに虫歯になっているような様子はないが。しかし実際に痛むので困ったことだ。

2008-11-28

日本の携帯の絵文字をUnicodeに入れようという動きがあるらしい

Google Japan Blog: 絵文字のユニコード符号化: 符号化提案用のオープンソースデータ

日本の携帯文化では、あの独自の絵文字が、実際に文字として使われている。したがってUnicodeに入れるべき理由はあるのだが、うっとおしいというか。

2008-11-26

ああそうさ、俺はヘアドライヤーを経費で買ったよ

The Old New Thing : Yes, I filed an expense report for a hair dryer, why do you ask?

1990年代後半に、私の同僚がヘアドライヤーを経費で落とそうとし、認められた。しかし、どうしてテスターの仕事にヘアドライヤーを買わなければならないのか。ちなみに、この同僚というのは、今はOfficeラボにいる。なかなか面白い事をしているので必見だ。

さて、当時、私の同僚はWindowsの電源管理のテスターとして働いていた。そのテストの中に、マザーボードが正確に温度負荷、約めて言えばオーバーヒートを、OSに報告できるかということと、OSは正しく反応できるかというテストがあった。仕事が始められた時、マザーボードをオーバーヒートさせる最も簡単な方法は、ヘアドライヤーを当てるというものだった。

しかし、新人社員に対して、「これが君の机だ。それと、これが君のヘアドライヤーだな」、などという案内をするのは、妙な話だったに違いない。あるいは賢いとする人もいるかもしれないが。

ハードウェアのテストに関する関連した話:ちょうど同じ頃の話だが、ジョイスティックのテスターは、ジョイスティックに一連の機械を装着していた。その機械は、何時間も負荷テストを行うためのものだったが、動力源はレコードプレイヤーのターンテーブルだった。いや、俺は33回転か45回転だったかは知らんよ。

レコードの世代ではないので、何回転でもかまわないが、なぜレコードのターンテーブルでなければならなかったのか。

2008-11-22

GMailのセキュリティ上の問題とドメインの盗難について

BREAKING: New Gmail Security Flaw. More Domains Get Stolen! | MakeUseOf.com

事件のあらましは以下の通りである。makeuseof.comが、何者かによって盗まれた。奴は他にも沢山のドメインを盗んでいるようだ。しばらくして、犯人を自称する者から、ドメインを返して欲しければ二千ドルを払えという脅迫メールが送られてきた。

しかし、なぜドメインが盗まれたのか。どうやら、レジストラに登録しているGMailアドレスがハックされたらしい。そしてドメインの所有権が他のレジストラに移されたようだ。GMailのアカウントには、いくつかのフィルタが仕掛けられていて、メールを転送するようになっていた。しかしパスワードは15文字も使っているし、キーロガーの類も仕掛けられていない。一体どうやって奴はGMailをハックしたのか。

リンク先は途中の経緯などを記していて、非常に冗長なので、結論だけ書いておく。どうもこのハッカーは、パスワードを突破し、自分でGMailにログインしたわけではないらしい。そのドメインの所有者が、GMailのアカウントにログインしたまま、他の悪意のなさそうなページを見た際に、何らかのmultipart/form-data POSTを使って、そのユーザのブラウザ側から、GMailにメールを転送させるフィルタを作らせたらしい。その転送されたメールを読んで、必要な情報を手に入れ、ドメインの所有権の転送を行ったものとみえる。

これを許してしまうGMailにも問題がある。興味深いことに、似たような問題が以前にも発見されていて、修正されている。では今回の騒動は何なのか。まだ似たような問題があるのか。

京都国立博物館

ちょうどタダ券を手に入れたので、京都国立博物館に行ってきた。まず、平常展はとても面白かった。蒔絵、印籠とその根付、刀剣と甲冑、素晴らしく美しい字の経文、ちょっとマイナーだが鳥獣戯画の乙巻、水墨画、大仏のたぐいはあまりいいものが見当たらなかった。着物の類も、劣化が激しすぎて、どうもいまいちだった。教科書に良く載っている、源頼朝像があった。これはデカイ。隣に平重盛もいた。この燈篭大臣は過大評価されすぎているきらいがあるので好きではない。

明恵や日蓮があるのに、何故文覚はないのか。やはり日本人は文覚が嫌いなのかね。色々威という甲冑があった。たしかに文字通り、いろんな糸を使っている。また、甲を派手にして存在感をアピールすることが流行ったらしく、甲の上に馬鹿でかい金属プレートをつけて、六字名号、すなわち南無阿弥陀仏と書いたものがあった。戦場でこんな甲をかぶっている図を創造するとマヌケだ。

さて、平常展は楽しめたのだが、特別展はつまらなかった。まず入り口で音声ガイドを配っている。一個五百円。何が悲しゅうてそんなもんを使わにゃあかんのや。そして中に入ると、みんな音声ガイドを片手にガラスケースに詰め寄っている。見ていて悲惨だ。それに大声で会話している。肝心の蒔絵だが、西洋に輸出されたものが多かった。南蛮人は蒔絵を輸入して、分解して別の家具に組み立てなおしていたらしい。不思議なことだ。また、ニスを使った蒔絵もどきもあったのだが、犬は西洋の犬で、人間は、日本人と中国人とインド人を足して三で割ったような不思議な絵だった。

特別展は、当たり外れもあるのだろうが、あまりお勧めしない。平常展は人も少なくてお勧めだ。しかし、特別展はあれほど人がいるのに、平常展にはあまり人がいないというのは、どういうわけだろう。

2008-11-19

ちょっとしたテスト

すぐに消えるかも

異文化はよくわからん

Dark Roasted Blend: Vending Machines Craze in Japan

IRCで、これを示された。別に、日本では何の変哲も無い自動販売機の写真だ。海外の奴らから見ると、卵や傘の自動販売機はとても奇妙に見えるらしい。不思議なことだ。

<video>と<audio>のクロスドメインはまだ分からない

Bluish Coder: HTML5 video and audio spec changes

どうなるんだろうなぁ。クロスドメインの制限は厳しすぎると思うんだけど。どうせimgはクロスドメインできるし。明示的なAccess-Controlをこのためだけに使うのは面倒だ。

ところで、25年後のサザエさんのサイトが糞すぎる。ストリーミングにaviファイルを使っているし、動画を再生するためだけにプラグインを使っているし、もうわけわからん。貴殿未だH.264を知らざるか。

2008-11-18

戀塚寺と文覚

少し前のことだが、戀塚寺に行って、文覚に関する研究の自費出版の本をもらってきた。

また、縁起絵巻の説明を聞いたが、どうもあれは、最上段の右から左に、その後下段の左から右に、さらに下段の右から左に、と見るものらしい。渡と袈裟のいる絵は、渡が袈裟に対して、渡辺の橋供養を見て来いと言っている場面らしい。寺は、やはり神護寺ではなくて、渡の出家したある寺らしい。名前を失念した。また、寺が焼けているのは、応仁の乱らしい。応仁の乱は、その名の通り、応仁元年(1467年)の出来事だから、だいぶ時代が飛ぶ。また、一番下の絵は、太平の世の一幕らしい。

食について

腹が減ったので、スーパーに何かおかずを買いに出かけた。何を買ったかというと、卯の花、オクラのおかか、法蓮草のおひたし。うーむ、歳を取ったのかなぁ。どうも肉を喰う気にはなれない。

2008-11-17

耳塚

耳塚とは、京都市の豊国神社の近くにある塚のことだ。昼間に前を通ると、常に韓国人の人だかりができている。戦前は李舜臣のことをすっかり忘れ果てていた民族にしては、近頃は殊勝なことだ。しかし、この韓国人達は実に平和的である。というのも、もし彼らが、耳塚の左側にある石碑に書かれている漢文を知ったならば、烈火のごとく怒り、頭髪上指し、目眥尽く裂き、石碑を取り囲み、素手で破壊し始めるであろう。石碑は劣化が激しく、もはや何が書いてあるかよく分からないが、次のように書いてある。

與隣敵交兵欲宣国威而已矣非悪其人而戮之也春秋邲之役楚人請築京観楚王
不可曰古者明王伐不敬取其鯨鯢而封之以為大戮於是有京観今罪無所而民皆
尽忠以死君命又可以為京観乎論者以為盛徳然未若我豊太閤之仁及枯骨其徳
為更深也按史征韓後役我軍連捷諸将有所斬獲截敵鼻献功其数幾万公喜其勝
賞其功而愍彼士為国致命埋其獲於京都大仏之前為築墳塋立大卒塔婆名曰鼻
塚請五山僧呂四百人大修供養資其冥福時慶長二年九月廿八日也相国寺承兌
撰其文美公之不分恩讎不論彼我深垂慈仁以設平等供養夫恩及海外可謂広矣
况於交戦之敵国乎推公此心謂之行今日赤十字社之旨於三百年前豈其不可哉
世徒謂公豪雄英武誇大自喜因以此塚比京観而誰知其慈仁博愛而有礼如此之
深哉塚後訛称曰耳塚物換星移豊氏絶祠而塚独儼存巍然為平安之偉観四方観
光之客弔古之士無不徘徊顧望于其下欽当年之偉業感豊公之慈仁者此地旧属
妙法院故以時修仏事而世変多故久委荒残矣今茲豊公功臣愛将之裔与同志者
諝謀将修公墓以行三百年祭而未及此塚心竊恨焉方広寺原董権大僧正泰良以
此塚與大仏関係尤深欲修営建碑期豊公祭大修追弔供養之式予亦以妙門嘗掌
豊国廟尤喜其事有所斡旋既得官準京都市給金若干円以助之其旧部内亦附以
其前地於是広募資用以起其役乃築乃修材良工励以一月三日経始以三月廿日
竣功宏荘完堅比旧時有加焉陸軍大将大勲位功二級彰仁親王聞而嘉之賜以題
字可謂栄矣夫此塚者邦威拡張之符表豊公盛徳之遺物而朝鮮者与我輔車相依
唇歯相保邇年我国率先万国扶其危匡其傾明其独立為之大戦以完隣邦之交誼
則於其旧時亦能無感乎豊公既行之乎交戦之日今日則為友邦豈可不益尽其道
哉嗚呼十方衆生一視同仁三界万霊平等利益希以此修営保其物以此供養資其
福奮武之跡慈仁之挙大顕於世且両国隣交益加厚東洋平和永莫渝乃記其事勒
貞珉以垂不朽

明治三十一年三月廿日

陸軍大将大勲位功二級彰仁親王篆

前天台座主大僧正妙法院門跡村田寂順

どこにも訓読した文章が見つからないので、試みに訓読してみる。

隣敵と兵を交えるは、宜しく国威を欲するのみ。其の人を悪むに非ずして、之を戮す也。春秋の邲の役に、楚人の京観を築くを請ふ。楚王、可めずして曰く、古に明王伐って敬はず、其の鯨鯢を取りて、之に封し、以って大戮を為す。是に於いて京観有り。今罪とする所無く、而して、民は皆忠を尽くし、以って君命に死す。又以つて京観と為すべきや。論者は以つて盛徳と為す。然るに未だ若我が豊閤の仁枯骨するに及ばず。其の徳更に深しと為す也。按史征韓の役の後、我が軍は連捷にして、諸将の斬獲する所有りて、敵の鼻を截りて功として献ず。其の数数幾万、公其の勝を喜び、其の功を賞して、彼の士の国に命を致す為に愍れみ、其の獲たるを京都大仏の前に埋め、墳塋を築いて為し、大いなる卒塔婆を立て、名に曰く、鼻塚として、五山の僧侶四百人に請ふて、大いなる供養を修し、其の冥福を資く。時は慶長二年九月廿八日也。相国寺兌を承つて其の文の撰び、美公の不分の恩讎は、彼我も論ぜず。深く慈仁を垂れ、以つて平等の供養を設ける。夫れ恩は海外に及び、広く謂ふべし。況や交戦の敵国に於いてをや。推公の此の心、之を謂ふ。今日の赤十字社の旨を三百年前に行ふ。豈其の可ならざらんや。世の公豪雄英の謂に従れば、武に誇り大いに喜ぶに自り、因つて此の塚を京観に比す。而れども、誰か其の慈仁博愛にして、礼此の如く深きを知るや。塚は後に称を訛して曰く、耳塚と。物換り星移り豊氏の祠絶えるも、塚は独り儼かに在す。巍然として平安の偉観と為し、四方の観光の客、古の士を弔い、徘徊して其の下に顧望せざる無し。欽に当年の偉業、豊公の慈仁に感ずるは、此の地は旧は妙法院に属し、故に時を以つて仏事を修す。而れども、世変多く、故に久しく荒残に委す。今茲に豊公功臣愛将の裔は同志の者と諝く謀り、将に公墓を修して、以つて三百年を祭を行ふ。而れども、未だ此の塚には及ばず、心竊かに恨む。方広寺の原董権大僧正泰良、此の塚の大仏と関係尤も深きを以つて、営を修し、碑を建てんと欲し、豊公祭の大修追弔供養の式に期し、予ねて亦妙門嘗掌豊国廟を以つて、尤も其の事の斡旋有る所を喜び、既に官準を得、京都市は若干円の給金を持つて之を助け、其の旧部の内、亦其の前の地を以つて附して、是に於いて資用を公募し、以つて其の役を起こし、乃ち築き、乃ち修し、材を良くし工を励まして、一月三日を以つて経を始めて、三月廿日を以つて竣功し、宏荘にして堅を完うし、旧時の加え有るに比す。陸軍大将大勲位二級彰仁親王聞きて之を嘉し、以つて題字を賜う。栄謂うべし。夫れ此の塚は邦威拡張の符表、豊公の盛徳の遺物にして、朝鮮は我と輔車相依り、唇歯相保ち、邇年我が国は万国に率先して、其の危うきを扶け、其の傾きを匡い、其の独立を明らかにして、之の大戦を為し、以つて隣邦の交誼を完うし、則ち、其の旧時に於いて亦能く感ずること無きや。豊公既に之を行わんや。交戦の日は今日則ち友邦と為す。豈益其の道に尽くさざるべけんや。嗚呼、十方の衆生視を一にして、仁を同じくし、三界の万霊は平等の利益なり。希はくは、此の修営を以って其の物を保ち、此の供養を以って其の福を資く。奮武の跡、慈仁の挙、大顕世に於いて、且は両国隣交の益加ふること厚く、東洋の平和、永く渝わること莫かれ。乃ち其の事を記して、貞珉を勒し、以つて不朽に垂るべし。

韓国人が知ったら怒りそうだ。現代訳などは、太宰治の嘲笑するところであるからしないが、少しだけ分かりにくい部分の解説をしつつ、要約をしてみる。

この碑は明治三十一年に作られたものである。楚王というのは、楚の荘王のことである。京観というのは、敵国の兵士の死体を使って、我が国はこんなにすごいことをしたのだと宣伝する塚である。荘王は徳のある人だったので、敵国の兵士といえども、その国のために命を落とした人間であるからといって、京観を作らなかった。秀吉は、朝鮮出兵の際に、塚を作ったが、これは荘王よりも徳が高いことである。何故ならば、敵国の兵士を哀れんで、仏教的に弔ったからである。三百年前に赤十字社の精神を行っていたのだから、我が国は赤十字社に加入する資格がある。世の中の右翼左翼は、これを京観だというけれど、断じて違う。だいぶ荒れ果てていたのを、今(明治三十一年時点で)修復した。この塚は我が国が素晴らしい国であることを表し、秀吉の徳が高かったことを示すものである。朝鮮と我が国は共に協力すべきだ。我が国はどこよりも早く朝鮮を助けて、日清戦争を行い、独立させてやった。秀吉も昔同じことをした。アジアは平和になるべき。

而の二つの使い方

而には、漢文では主に助字として使い、而して、しこうして、しかれどもという、順接、逆接の二つの意味がある。而れども、どちらの意味であるかは、前後の分で判断するしかなく、而して、面倒である。

而には、漢文では主に助字として使い、しこうして、しかれどもという、順接、逆接の二つの意味があるが、どちらの意味であるかは、前後の分で判断するしかないので、面倒である。

而を、しこうして、とか、しかれども、とそのまま訓読すると、いかにも漢文らしくてかっこいい。

紛らわしい漢文

世有伯楽、然後有千里馬、千里馬常有而伯楽不常有。

この漢文のうち、不常有がややこしい。これは、常有の部分否定である。だから、「伯楽は常には有らず」となる。伯楽はいつもいるわけではないという意味だ。もしこれが、伯楽常不有だったとしたら、「伯楽は常に有らず」となり、伯楽は絶対にいないという意味になる。ややこしい。

似たような漢文に次のようなものがある。

有徳者必有言、有言者不必有徳。

今両虎共闘、其勢不俱生。

ヴィクトリア女王杯

Well they're under starter's orders for this very valuable Queen Victoria Handicap. And they're off, and Queen Victoria got a clean jump off, followed by Queen Victoria, Queen Victoria and Queen Victoria. It's Queen Victoria from Queen Victoria and Queen Victoria. It's Queen Victoria making the early running on the inside. And at the back Queen Victoria already a couple of lengths behind the leaders. Queen Victoria has now moved up to challenge Queen Victoria with Queen Victoria losing ground. Queen Victoria tucked in neatly on the stand side with a clear view. Queen Victoria still the back marker as they approach the halfway mark, but making ground now, suddenly past Queen Victoria with Queen Victoria, Queen Victoria and Queen Victoria still well placed as they approach the first fence. And at the first fence it's Queen Victoria just ahead of Queen Victoria and Queen Victoria falling away in third place. And Queen Victoria in the lead as they ...

さあ、今まさに、この光栄なるヴィクトリア女王杯が始まろうとしております。さあ、各馬一斉にスタート。そしてヴィクトリア女王がきれいな飛び出しを見せた。そしてヴィクトリア女王、ヴィクトリア女王、ヴィクトリア女王が続く。さあヴィクトリア女王でヴィクトリア女王とヴィクトリア女王だ。先行は内にヴィクトリア女王。後ろとはすでに数馬身放している。ヴィクトリア女王が今飛び出してきてヴィクトリア女王でヴィクトリア女王は地を失った。ヴィクトリア女王の前がひらけます。半ばでヴィクトリア女王はまだ最後尾だ。しかし追い上げてきた。急にヴィクトリア女王とヴィクトリア女王を抜いて、ヴィクトリア女王とヴィクトリア女王は最初のフェンスに向かいます。最初のフェンスでこれはヴィクトリア女王、すぐにヴィクトリア女王がヴィクトリア女王に続き、そしてヴィクトリア女王が三つ目のフェンスから落ちた。そして先頭はヴィクトリア女王で……

Monty Pythonはいつまでも古びない名作だ。

2008-11-15

ユーザ定義リテラルについて

ユーザ定義リテラルはinlineやconstexprにすることができます。しないこともできます。たとえばBrainF*ckのリテラルを作ることもできます。

"+++++++++[>++++++++>+++++++++++>+++++<<<-]>.>++.+++++++..+++.>-.\------------.<++++++++.--------.+++.------.--------.>+."bf ;

でも、私はユーザ定義リテラルにあまり興味が持てない。たとえば以下のようにしてもいいのではと思ってしまう。

bf("+++++++++[>++++++++>+++++++++++>+++++<<<-]>.>++.+++++++..+++.>-.\------------.<++++++++.--------.+++.------.--------.>+.") ;

普通の関数やコンストラクタですむのに。

ユーザ定義リテラル、一進数

ネタにマジレスカコワルイ

constexpr int operator "" unary ( char const *, std::size_t size )
{
        return (size % 2) ? - (size / 2) : (size / 2) ;
}


int main()
{
        int a = "wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww"unary ;//32
        int b = "wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww"unary ;//-32
        int c = "wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww"unary ;//33
}

2008-11-14

保元物語を読むべきだ

平家物語だけでは足りない。保元物語、平治物語、承久記も読むべきだろう。他にも読みたい旧記はたくさんあるが、漢文は敷居が高い。うーむ。

2008-11-13

来月の東京行きはどうしようか

夜行バスというものに乗った事がないので、この機会にのってみようか。幸い、関西関東を結ぶ、恐ろしく安い夜行バスがある。問題は、日帰りしようか、一泊してどこかに行こうかということだ。できれば多磨霊園に、中島敦や吉川英治の墓を見に行きたいところだが。それから、森林太郎の墓も、もう一度見てみたい。さてどうするか。

どうもChromeの挙動がおかしい

たとえば、このブログでは、埋め込みのYouTubeのFlashの場所が、すべて左上の絶対値(0,0)からになってしまう。GoogleのいくつかのWebアプリの描画もおかしい。もっとも、Dev版だからそういうこともあるだろうが。

朗読 芥川龍之介著 猿蟹合戦

芥川龍之介の猿蟹合戦。
青空文庫 猿蟹合戦

Flash Player

http://zoome.jp/bookworm/diary/32

Chromeにブックマークマネージャーが来た

Dev版のChrome 0.4.154.18にブックマークマネージャが実装されている。他のブラウザのように、ブックマークの細かい編集ができるようになった。

PGO

Visual C++ Team Blog : POGO

プロファイルによる最適化について。その仕組み、使い方、どのような最適化がされるかなど。

主に、どのコードをどこに配置するかということに関する最適化なのだろう。よく使うコード同士は、同じ場所においておいたほうが、キャッシュヒットしやすい。ある関数から、別のある関数が良く呼ばれる場合にも、同じ場所においておいたほうがいい。あるいは、関数をインラインするかしないかなど。関数は常にインライン化すればいいというわけではない。

いかなる広告を行おうとも、すでに死語となった言語のコンパイラならば意味がない

The Old New Thing : Doesn't matter what your marketing technique is for your compiler if nobody actually writes code in your language any more

Terry Zinkのアンチスパムブログは、以前にも、恒例のリンク集記事で紹介した。スパマーはどれぐらい儲かるかという記事は、とても興味深いものであった。就中、売り上げ率が非常に低いというのが目を引いた。たったの0.12%しかクリックされず、しかも、そのクリックされたうちの売り上げ率は、たったの0.5%なのだという。よって、実際の売り上げ率は0.0006%である。それにもかかわらず、スパマーは週七千六百九十ドル、あるいは、年三十万ドルも稼ぐという。スパムトラフィックの監視を試みた研究者は、また別の概算を立てている。Terryの話が、実際のスパマーの話だから、更に興味深い。

そういえば、マイクロソフトのFORTRANコンパイラに関する仕事をしていた人の話がある。(昔はMSのFORTRANコンパイラがあったんだ。本当だよ) その人が言うには、コンパイラのマーケティングのため、ある有名なコンピュータ雑誌の購読者に向けて、マイクロソフトFORTRANに対するアンケートハガキを送ったことがあった。

「大抵、この手のダイレクトメールの返事は、まあ3%か4%ってところだね、上手くやれば。結果は二つだったよ。」
「2%か。まあ、悪くないんじゃない。FORTRANだしね」
「違う。2%じゃないんだ。二つだったんだ。全部で二通しか返ってこなかったんだよ」
「えー」

MSがFORTRANコンパイラを作っていたとは初耳だ。

2008-11-12

吉川英治の鬼才

鬼才という語を使うと、太宰治が墓の中から出てきて嘲笑しそうだが、それはさておき、吉川英治の鬼のような才能についてである。

吉川英治は信じられないくらいに物を読んでいる。今、新・平家物語を読み始めたが、やはり作者の非凡を観ぜずにはいられない。平家物語などの、所謂、軍記物や、当時の文章などは、かなり断片的なのだが、いったいどうやってここまでまとめ上げたのだろう。驚くべき構成力だ。

ただ、盛遠の渡辺橋供養あたりのこととか、袈裟が身代わりを決意するまでの心情描写がなかったのが残念でならない。吉川英治ならば、あの場面もうまく書いてくれただろうに。

2008-11-11

携帯のメールアドレスにSPAM殺到

辞書にも載っていないアルファベットの羅列(というか登録時に間違えた)で、数年SPAMなど来なかったのに、今夜になってSPAMばかり到着する。どこから漏れたのだろう。

GMailのスパムフィルタでは弾けるのだが、GMailの使えない古い携帯ではどうしようもない。そもそも、この携帯はほぼ電話とメールしか使わない最安の契約だ。どうしたものか。

とりあえず、アドレス帳からしか受信しないようにした。

Spam! Spam! Spam! Lovely spam! Wonderfull Spam!

アドレス帳からしか受信しないという機能は、たんに内容を受信しないだけで、タイトルは相変わらず受信する。何の意味もない。これはメールアドレスを変えるしかないかもしれない。

swfobjectがGoogle AJAX Libraries API入りした

deconcept » SWFObject now available on Google AJAX Libraries API

これはいい。何がいいかといって、わざわざjavascriptファイルをホストする必要がなくなるからだ。これからは、
http://ajax.googleapis.com/ajax/libs/swfobject/2.1/swfobject.js
を参照すればいい。

2008-11-10

戀塚寺

戀塚寺に行ってきた。ここは、あの文覚が袈裟御前を葬った場所といわれている。

京阪で丹波橋まで行き、そこから西に向かって歩いたが、やはりだいぶ距離があった。実は、今の戀塚寺は、二年前に再建されたものである。とはいっても、その前の寺も、鳥羽伏見の戦いの後に再建されたものなのだが。

まずは恋塚を見てみることにした。寺に入って右手のスロープを降りると、塚がある。何ということはない、どこにでもありそうな平凡な塚であった。犬が一匹、ひもで繋がれていた。この寺で飼われているのだろう。おとなしいが好奇心旺盛な犬であった。

さて、目的の、袈裟御前の肖像画と、寺の縁起絵巻を見てみることにした。お堂を右に回ると、ガラス戸越しに眺めることができる。しかし、あいにくと曇り空で、さらにガラス越しで離れていることもあり、細部がよく分からない。どうしたものか。そもそも、この寺は住職が住んでいる寺である。頼めば中に入れてもらえるのではないか。さっそく電話をしてみたところ、入れてもらえた。

極彩色本寺縁起絵巻

近くで縁起絵巻を観察できたので、ガラス越しでは分からなかった部分もよく分かった。とりあえず分かったことを書いておく。

まず、一段目の左は、衣川と盛遠である。同じ屋敷にいるということで、親戚同士であるということをあらわしているのだと思われる。その次は源左衛門尉渡である。その次は、渡と袈裟で、婚姻かなにかだろう。袈裟の隣にいるのは誰だろう。盛遠のはずはないが、袈裟の父親なのだろうか。その次、一段目の左端は、盛遠と渡が、屋敷を守護しているところだろう。何しろ、彼らは北面の武士なのだから。

二段目の左は、盛遠が左手に衣川の襟をつかみ、右手で抜き身の刀を持って、まさに斬らんとしているところである。その次は、衣川と袈裟が会っているところである。その次は、袈裟と盛遠だ。二段目の左端は、袈裟が渡に酒を強いているところであろう。

三段目の左は、盛遠が月光に首を照らしてみると、なんと袈裟の首であったという場面である。ただし、その話は、たの書物には見えていない。というのも、源平盛衰記や猿源氏草子では、盛遠は首を懐に入れて持って帰り、その後、袈裟が何者かに首を斬られたという話を聞いて、驚いて首を見てみると、袈裟であったとされているからだ。その次は首を切られた袈裟である。その次がよく分からないが、衣川なのだろうか。右端は、寝ている渡である。

四段目は、盛遠が袈裟の首を持って渡の屋敷に推参するところである。その次は、渡と盛遠が髻を切るところ。右は、おそらくは神護寺であろう。戀塚寺の説明では、文覚は神護寺で出家したという話である。ただ、神護寺で出家した落ち宇野は疑わしい。なにしろ、当時の神護寺は、誰も住んでいなかったはずなのだからだ。文覚が修行した後に神護寺に住んで、再建のために勧進してまわっていたのだ。

五段目の左は、よく分からない。火事にあっているところなのだが、どこが焼けているのだろうか。まさか戀塚寺ではあるまい。というのも、戀塚寺が建立されたのは、嘉応二年(1170年)とされているからだ。文覚が出家したのは、どんなに遅く見積もっても、まず1140年頃であろう。その頃にはまだ、寺自体がなかったはずである。もっとも、塚を建てるぐらいだから、何かしら寺があってもおかしくはないのだが。その右に袈裟の後世を弔う塚や、袈裟が観世音菩薩の化身であるか、あるいは彼岸に度したような描画、文覚の那智の滝での荒行があるのを見ても、時系列的に前である。なぜ火事になっている建物があるのかよく分からない。

六段目の左端は、戀塚である。右がよく分からない。文覚が伊豆に流されている時の絵ではないかとも思うのだが、違うかもしれない。川は鴨川であろう。ひょっとしたら、法然が流されたことを描いているのかもしれない。

戀塚寺は観光化されていない寺であった。いい寺だ。また行きたい。

2008-11-08

クロスドメインの必要性がいまいちよく分からない

クロスドメインの何たるかを学ぶためにググっても、如何にしてクロスドメインを回避するかということについては腐るほど情報があっても、なぜクロスドメインが必要なのかという情報はまったく見つからない。とりあえずこんな解釈でよかろうか。

script要素やimg要素は、javascriptや画像ファイルへのURLを指定できる。しかし、その指定されたURLのサーバは、別にjavascriptや画像を返すとは限らない。

たとえば、mixiはIDとパスワードによるログインをして、初めて利用可能になる。一度ログインしたら、cookieによって、再度ログインする必要はなくなる。もしここで、scriptやimgなどで指定されているURLが、http://mixi.jp/home.plであったとする。そのURLにアクセスするのは、所詮ユーザの使っているブラウザなので、もしユーザがmixiを使っていて、すでにログインしている場合、mixi.jpはログインしなければ得られない情報を返してくる。もしJavaScriptやFlashが、制限なく他のドメインのURLにアクセスできるならば、これはセキュリティ上の問題である。そこで、FlashやSilverLightなどは、クロスドメインのポリシーを記述したXMLファイルにアクセスすることを取り決め、またaccess-controlという、統一した規格も策定され始めている。

でも、imgがクロスドメイン可能で、具体的にどういうセキュリティ上の問題があるのだろう。指定されたURLが、画像でないログインが必要な情報を返したとしても、それをクライアント側から調べる方法があるのだろうか。画像に問題がなければ、動画や音声にも問題はないと思うのだが。それとも、やはりimg要素もクロスドメインであったほうがいい理由があるのだろうか。現状でも、ピクセルデータにはアクセスできないわけだし、何の問題があるのだろうか。

<video>と<audio>はクロスドメインの制限があった!

Bluish Coder: Video, Audio and Cross Domain Usage

It looks likely the that

そんなアホな。HTML5の<video>と<audio>にはクロスドメインの制限があるやて。お前、それむっちゃ困るやん。動画や音声のようなファイルを他のドメインの鯖に置いておくのは最もありえる使い方やろ。それをお前、なあ。

もっとも、Flash Playerかてcrossdomain.xmlが必要やし、SilverLightはclientaccesspolicy.xmlか、あるいはアドビ規格のcrossdomain.xmlが必要なんで、今と何も変わってないっちゅうたら、変わってないねんけどな。ほんで、これらのクロスドメインのポリシーファイルに相当する機能が、Access Control for Cross-Site Requestsっちゅう奴で、これはクロスドメインの使用制限をヘッダで明示する新しい規格やねん。ファイルっちゅうか、特定のURLにアクセスして、独自規格のポリシーを返すっちゅう現行の仕様は、確かに変で、何か統一規格が必要やねんけどな。ただ、あまりにも新しすぎて、まだドラフトやねん。遅いっちゅうねん。お前実用になるまで何年かかると思てるんや。規格が決まって、さらにサードパーティのサーバが実装せなあかんやろが。難儀やなぁ。

TOEIC申し込み

四年ぶりにTOEICを受けることにした。前回受けたのは、高校二年生のときで、630点であった。今回は730点を越えられるといいが。

2008-11-06

アタック25を観戦してきた

高校時代のクイズ好きの友人が出場するというので、大阪のABC新社屋まで観戦に行った。しかし、問題はわけの分からないものばかりだった。特にアナグラムがなぜ回答できるのかさっぱり分からない。

2008-11-05

大徳寺納豆

親父と酒を飲んでいたところ、親父が言うことには、この前、大徳寺に行ってきたらしい。常には公開されていない場所を見て、おお、三十年ぶりだと感傷にひたっていた。ところが、後からいかにも年取った爺さんがやってきて、ぽつりと一言、
「おお、五十年ぶりだ」
さすがにこれには参ったということだった。

さて、大徳寺の帰りに、有名な大徳寺納豆というものを買ってきたらしく、思い出したように棚から出してきた。食べてみたが、筆舌に尽くしがたいほどマズかった。お茶受け、酒のアテなどに、好きな人はよく食べるそうだが、にわかに信じられない味である。

Google Page Creatorが終了するらしい

これは知らなかった。このブログに必要ないくつかのファイルをPage Creator上にホストさせていたので、これは問題だ。自動的にGoogle Sitesに移行されるらしいが、とりあえず今からやっておくべきだと思い、ファイルを移行した。たぶんこれまでと変わらずに、このブログで動画が見れるはずだ。古い動画はどうしよう。

源平盛衰記読み畢

源平盛衰記を読み終わった。

2008-11-02

どうもGoogle Readerがおかしい

いくつかのフィードを更新しなくなっている。とても困るのは、それにhttp://blogs.msdn.com/vcblog/default.aspxを含むということだ。どうも思うに、全部MSのブログのような気がする。とすると、MS側の問題なのか。しかしRSSもATOMもfeed validatorに通るようだ。しかし、oldnewthingなどは問題なく更新している。不思議だ。

2008-11-01

アリョール うごく絵Ver.2.0

この頃のALTRONは非常に面白いゲームを作っていた。

Flash Player

http://zoome.jp/bookworm/diary/30

画竜点睛

張僧繇、呉中人也。武帝崇飾仏寺、多命僧繇画之。金陵安楽寺四白龍、不點眼睛。毎云、點睛即飛去。人以爲妄誕、固請點之。須臾雷電破壁、両龍乗雲、騰去上天。二龍未點眼者見在。

張僧繇は、呉中の人なり。武帝、仏寺を崇飾するに、多く僧繇に命じて之を画かしむ。金陵の安楽寺の四白竜は、眼睛を点ぜず。毎に云う、睛を点ぜば即ち飛び去らん、と。 人、以て妄誕と為し、固く請いて之を点ぜしむ。須臾にして雷電壁を破り、両竜雲に乗り、騰去して天に上る。二竜未だ眼を点ぜざる者は、見に在り。

――歴代名画記

梁の武帝の朝に、張僧繇というは、自他共に認める天下第一の画の名人であった。僧繇の画は微に入り細を穿ち、その山水画を画く時は、見る人あたかも身を桃源郷に置くが如く、岩窟の虎を画く時は、幼子は泣き出し、大人は命からがら逃げ出すというほどであった。この如く僧繇の画は、実に神仙の域にまで達していたのである。

さて、梁の武帝は仏法の信仰篤き人で、仏寺へ喜捨すること不斜、たびたび僧繇に命じて、仏寺の壁に見事な画を画かせていたが、ある時、僧繇をして金陵の安楽寺の壁に四白龍を画かせた事があった。しかしどうしたことか、僧繇の画いた龍には睛が欠けている。金陵の人々はこれを怪しみ、ついには武帝も不審を為すに至ったが、僧繇はただ、「睛を点ぜば、画龍が飛び去ってしまうんでな」と云うばかりであった。いや、それでは理屈が通らぬ。是非とも睛を画いてもらいたいという人々の声を受け、僧繇はしぶしぶ絵筆を取り、四龍のうちの二龍の睛を入れた。睛を入れた龍は命を吹き込まれたようで、まさに画から飛び出さんばかり、僧繇を取り囲んで見守っていた人は、見事な龍の画に感心していた。とそこへ、俄に黒雲一叢立来たり、安楽寺の上に引渡った。雷鳴人々の肝を消し、黒雲日の光を遮って、前後も分からず暗くなった。その中で、一人僧繇のみが、平然と画の前に立っていた。黒雲は渦を巻いて、安楽寺の壁に引き降る。見ると、瞳を点じた二龍が動きだし、画を抜けて虚空に浮かび上がった。龍はしばし、己の作者である僧繇を睨んでいたが、やがて一礼すると、黒雲に取り巻かれて、天に昇っていった。

黒雲晴れて周り明るく、人々は我白昼夢を見たるかと怪訝な顔をする所に、見よ、先ほどまで四白龍だった壁の画の、二龍が消え、未だ睛を点ぜざる二龍のみ残っているではないか。人々様々罵りあう所に、僧繇は絵筆をしまい、平然と帰って行ったという。

どうも私が書くと、漢文崩れではなくて、平家物語になってしまうな。つい「四白龍を画かせけるに、何とかはしたりけん、眼睛を点じ給はず」などと書きそうになった。中島敦のようには行かないものだ。

2008-10-31

Introducing Direct2D and DirectWrite

Windows 7: Introducing Direct2D and DirectWrite | pdc2008 | Channel 9

PDC2008の動画が来た。Windows 7の新しいAPI、Direct2DとDirectWriteについて。その概要と実際のコード。

Direct2Dは2D描画用の新しいAPIで、Direct3D 10.1の上に構築されている。つまり、GPU支援による描画ができる。また、アンチエイリアスなどの機能も使用可能で美しい描画ができる。主にC++のネイティブコード用に作られている。完全にソフトウェアだけで動作することもでき、動画のデモでは、ソフトウェアだけでも、GDI+より速いとされている。API自体はCOMベース。ただし、GDI/GDI+などへ描画することもできるし、GDI/GDI+から描画することもできる。が、その場合は遅くなる。

DirectWriteは文字の描画用の新しいAPIである。GDI/GDI+やDirect2D、あるいはビットマップ上への描画ができる。ClearTypeやOpenTypeフォントの多くの機能をサポートしている。Direct2D上に描画する場合は、GPUによる支援が得られる。また、わざわざシステムにフォントファイルをインストールしなくても使用できるという機能もある。ブラウザやワードプロセッシングを実装する時ぐらいにしか必要でないようなローレベルな機能もあるようだ。(日本語でローレベルとか低レベルとか低級などというと、どうも劣ったという意味に感じられてしょうがない。いっそのことLow Levelにするべきか。)

ほんの少しだけ触れられていた、UIAnimationが気になるところだ。あの手のものはCOMではなく、本当のC++のライブラリ(COMのような、言うなれば単なる構造体と関数ポインタじゃなくて)としてあったほうが使いやすいだろうけれど。

もちろん、これらの機能がXPに提供されることはない。コーラを飲んだらゲップがでないくらいにありえない。Vistaには提供されるかもしれない。少なくともVistaには提供されて欲しいところだ。

Tom's Blog(Direct2Dについて解説するために開設されたブログ)

2008-10-29

Mark Russinovich、Windows 7について語る

Mark Russinovich: Inside Windows 7 | Going Deep | Channel 9

スピンロックとかファイバーとか、あと省電力やMinWinについても語っている。特にそれほど目新しいことはないような気がするが。MinWinってテスト用のOSだったのかな。

Windows 7 Developer Guideについて

http://code.msdn.microsoft.com/Win7DeveloperGuide

とりあえず読んでみた限りの、気になった部分に対する感想を書いてみる。Windows 7についての興味深い情報がある。これは感想であって要約ではない。

2D描画用に、Direct2Dが追加される。「Direct3D 10上に構築されている」とある。"immediate-mode"の意味がよく分からない。簡便な2D描画に期待するのは、むしろ豊富な固定機能だと思うのだが、シェーダーも使えるという意味なのだろうか。"resolution-independent"は、どうせ最後に行列による変換をかますから、実際の解像度を気にしなくていいということなのだろうか。GDI/GDI+やDirect3D 10との混在ができることをほのめかす言葉がある。Direct3D 11との混在はどうなのだろうか。

文字列描画用に、DirectWriteが追加される。GDIやDirect2Dなどで使用できる。Direct2Dと共に使用する場合は、ハードウェアによる支援が得られる。また、わざわざフォントをインストールしなくても使えるらしい。つまり、フォントファイルへのパスを指定して使うなどといったことも可能なのだろうか。それならば素晴らしい機能だ。

Vistaに追加されたWindows Imaging Componentが、新たな規格をサポートする。progressive image decoding(プログレッシブJPEGのことか)や、expanded PNG features(具体的になんだろう)だ。GIF metadataはどうでもいい。だいたいGIFのサポートなんて今時いらないだろう。PNGOUTによるPNGの方がよっぽど圧縮率が高い。

Direct3D 11が追加される。まあVistaにも来るだろうと思う。

Direct3D 10が改良される。シェーダーの命令数の上限がなくなったりとか、汎用的に使えるリソースとか、整数やバイナリなど。あとジオメトリシェーダーが追加(あれ? これって別にWindows 7に限った話ではないような)
Windows Advanced Rasterization Platformが追加される。これはソフトウェアによるDirect3D 10の実装で、マルチコア対応で、速いらしい(本当だろうか) Direct3D 10 Level 9というものが追加される。これにより、Direct3D 9のハードウェアでも、Direct3D 10やDirect3D 11が使えるようになる。足りない部分はWARPとやらで補われるのだろうか。Caps地獄再来はいやだなぁ。自分がDirect 3D 9の学習をやめてしまった理由も、ひとえにGPUベンダーが全然別々の機能だけを実装して謳い文句にしていたからだ。私は理想主義者なので、ハードウェアごとの違いを意識などしたくはなかった。

Direct3DとGDIを混同している糞コードに対する互換性の向上。DWMが無効にならずにすむようになった。また、パフォーマンスも向上している。

従来のDirectShowに変わりMedia FoundationがVistaで導入されたが、Windows 7は最初からH.264のデコーダを搭載しているらしい。さらにmp4にも対応している。やれやれ、さすがのMSも、H.264には勝てなかったか。これは素晴らしいことだ。これで気兼ねなく、H.264なmp4を使えるいうものだ。しかし問題は、AACのサポートするとは書いてないことだ。mp4コンテナといえば、まずH.264とAACである。最近になってmp3も認められたが、何にせよAACの方が音質が高い。とくにHE-AACやAACv2は、低ビットレート(HE-AACは48kbps以下、AACv2は32kbps以下)での音質が驚くほどよい。是非ともサポートして欲しいところだ。しかしこれは、SilverLightでH.264+AACなmp4がサポートされると発表されたことと関係があるのではないか。とすると、AACのサポートも期待してもいいのかもしれない。しかし、とすると、Windows Vistaでも、サポートがあるのではないか。

Media Foundationに、新しい簡便なAPIが追加されるらしい。これには興味がある。というのも、自分のプログラムで動画を再生してユーザに見せたい(たとえばゲームで途中に表示するムービーなど)といった程度のことで、従来のDirectShowやらMedia Foundationやらの複雑怪奇な低レベルのAPIを使うのはどう考えてもやりたくないことだからだ。

"New DVXA video processing APIs, which use a more flexible compositing model and are better suited for HD video formats."、などといった文章もあるけれど、正直DVXAにはまったく期待していない。なぜなら、DVXAでは、H.264規格のある機能を使うと再生できないなどといった程度のことならまだかわいいもので、主要なGPUベンダーのドライバでは、かなりの確率でブルースクリーンを表示してOSが落ちるからだ。GPUベンダーに自浄能力はなく、各社ともあいかわらず、ベンチマークとパフォーマンスに特化していて、安定ということをまったく考えていないドライバばかり出荷する。動画を再生しようとしただけでBSoDになるのはふざけているにも程がある。動画ファイルは規格違反のものが非常に多い。規格を守らないエンコーダもさることながら、HDDなどの不調でビット列が書き換わったとか、ダウンロードの途中の動画ファイルなど、データの構造が壊れていることは往々にしてある。いかなる入力があったとしても、BSoDを発生させるべきではない。

追記:AACもサポートされるらしい。

2008-10-28

象について

源平盛衰記のいけずきとするすみの部分に、象についての記述が出ているので、ちょっと象について調べてみた。

象自体は、日本人にとっても、古くから知られていたと思われる。なにしろ、母摩耶の夢の中で、釈尊は白象となって、母摩耶の右脇を衝いて胎内に入ったという伝説が残っているぐらいだから、仏教伝来と共に、象の存在も日本に知られるところとなったはずである。

しかし、当然ながら日本人は、象はおろか、その写真さえ見たことがない。当時の日本人にとって見れば、伝説の生き物と同じ扱いだったのではないか。

日本に初めて象がやってきたのは、室町時代の応永十五年(1408年)のことで、今の小浜市に南蛮船が着岸したらしい。船は現在のスマトラ島からやってきたと推測されている。象は足利義持に献上されたらしい。そもそも、仏教書では、象というものは、白象とされているので、実際の灰色の象を見て、わざわざ黒象と書き残しているようだ。

また、江戸時代の享保十三年(1728年)、広南(ベトナム)から象がやってきて、八代目将軍、徳川吉宗に献上されたらしい。また、時の皇、中御門天皇の叡覧にも預かったのだが、天皇に謁するためには、位が必要とて、「広南従四位白象」という位と名前を賜ったとか。

文覚のこと

文覚が非常に気になる。しかし、真偽の疑わしい話しか残っていない。特に、平家物語の後はどうなっていたのか、さっぱりわからない。

とりあえず、今分かっている限りでは、頼朝の後ろ盾で、後白河院に神護寺を初めとした諸寺を再建立させているが、正治元年(AD1199)に頼朝が死んでからは、後ろ盾を失い、反幕府派の源通親の讒奏にあって、佐渡に流された。佐渡には真禅寺という寺があり、文覚はここで荒行をしていたらしい。佐渡に流されたのは正治元年(AD1199)で、建仁二年(AD1202)には赦免されて教徒に戻っている。

京都に戻ってこれたものの、こんどは後鳥羽上皇に謀反があると言われて、元久二年(AD1205)に対馬に流されるが、たどり着くことなく、途中で死んだらしい。

2008-10-27

読める! 読めるぞ!

神護寺四十五箇条起請文

源平盛衰記を読んでいるうちに、これが読めるようになっていた。習うより慣れろかな。

源平盛衰記のこと

現在、敦盛が滝口入道に会うところまで読み進めた。気になったことをいくつか。

まず、文覚であるが、だいぶ詳しく書いてある。父は遠藤左近将監盛光、母は上西門院の北面の下﨟であり、母は南山で死亡、三歳にして父にも死別したこと、幼い頃から粗暴であったこと、十三歳にして元服して盛遠と名乗り、上西門院の北面の武士になったこと、容姿は優れぬが、武道には優れていたことなどが記されている。十八歳にして出家とある。また、袈裟御前の逸話などもある。

ただしひとつだけ、平家物語にあって、源平盛衰記に書いていないことがある。それは、文覚が荒行をするにあたって、どれだけ苦しいか試してみようと、藪のなかに臥した事である。その記述はない。

木曽殿、つまり源義仲についても、平家物語より、多少詳しく出ている。また、巴のその後については、鎌倉殿の召しにしたがって鎌倉へ行き、首を刎ねられるべきが、和田義盛のとりなしによって、女房となって、朝比奈三郎義秀を産んだともあるが、これは年代からしても怪しい話である。後世の創作であろう。

ところで、一谷の合戦で有名なのは、あの九郎義経が、鵯越を馬で落として平家の陣の裏から攻めたという話である。源平盛衰記でももちろん出てくるのだが、ひとつ面白い話がある。それはあの畠山が、いまは馬を労わるべきだといって、自ら馬を背負って降りていったということだ。それも記述をみると、どうも畠山一人で担いで降りたように読める。いくら日本の馬は小さいとはいえ、やはり二百ないしは三百キログラムほどの体重があり、一人で担ぐのは、文字通り、「人倫には非ず、誠に鬼神の所為」である。まあ実際には、畠山ほどの名のある武士ならば、従者がいたはずであり、人手があれば馬を担ぐことはできたと思われる。

ちなみに、この畠山とは、畠山庄治次郎重忠である。この人は、平家物語では大力と名が高く、例えば宇治川を渡す時に、馬から落ちて、泳いで岸までたどり着いたが、やけに体が重いと気がついてみれば、重親がしがみついており、助けてくれと懇願されたので、川の中から岸辺までブン投げたという話がある。また、義仲が落ちていく下りで、畠山は巴と組み合おうとして、弓手の鎧の袖に取り付いたところ、巴は叶わなじと、春風という名前の馬に鞭を当てた。すると鎧の袖をふつと引き切って逃れたとある。馬が強いことも確かだが、袖を抑えていた畠山もすごい。とはいえ、源平盛衰記のこの部分は、巴が鬼神の如き振る舞いの記述であって、畠山の大力については、一切触れていない。源平盛衰記では、これを見て畠山が逃げ出したと書いてある。源平盛衰記の記述では、巴の事ばかり書いているので、ここで畠山がいかに大力であるかということには、普通気がつかないはずだ。言われてみればその通りではあるのだが。Wikipediaの項目にある参考文献にでも書いてあるのだろうか。

さて、源平盛衰記も残すところ三百ページほど。

2008-10-23

Bloggerの埋め込みコメントフォームのサイズの変え方

新しい埋め込みコメントの機能をさっそく使ってみたが、フォームの大きさに問題がある。WUXGAのディスプレイを使っている自分にとっては、とても小さい。これでは、せっかく長々とコメントを書こうとした人のやる気をそいでしまう恐れがある。何とかしてサイズを変えよう。

さっそくソースを読んでみたが、どうもコメントフォーム自体は、インラインフレームで実装されている。これは困った。しかし、フレームの幅や高さは変更できるはずだと見てみると、width属性は100%になっていた。はて、ではなぜ横幅がこんなにも狭いのか。OperaのDragonFlyで見てみると、CSSで.comment-formに、max-widthが475pxと設定されていた。では変更しようとBloggerのソースを見たが、インラインCSSに.comment-formが見当たらない。これはどうしたことかと、DragonFlyを見直すと、なんと外部のCSSで設定されていた。その外部のCSSは、現在使っているウィジェットのために、他にも色々な指定があり、使わないわけには行かない。さてどうするか。

とりあえず、div要素に使われていることに注目して、div.comment-form としてみた。これはうまく動いた。しかし、あまりよろしくない。ふと!importantの事を思い出して使ってみた。これも動いた。とりあえずこれでいこう。

さて、縦の高さは、フレーム側のHTMLで記述されているので、いかんともしがたい。まあ、縦の高さはまずまずだし、スクロールバーも表示されるだろうし、Webkitを使っているブラウザ(SafariやChromeなど)なら、フォームのサイズは変更可能だし、よしとしておこう。

Bloggerのコメントが書きやすくなった

本日より、Bloggerのドラフト機能であった、埋め込みコメント機能が、ドラフトを離れた。この機会に早速使ってみたが、なかなかコメントしやすくなっている。

2008-10-22

豊国廟、静閑寺

豊国廟と静閑寺に行ってきた。どちらも歩いて行ける場所にある。まず豊国廟に行ってきたが、石段が多い。その数、実に565段あるらしい。とても数える気にはならなかったが、とにかく足が疲れた。とりあえず上がると、石が組んである。なるほど、あれがあの絶倫のエロオヤジが奉られている場所というわけだ。しばらく足を休めて、また長い長い石段を降りた。

静閑寺には、誰もいなかった。当然だ。観光客が来るような場所ではない。ここには、高倉天皇と小督殿が奉られている。平家物語では欠かせない人物だが、私はどうも、高倉天皇に関する話は、あまり好きではない。

さて、静閑寺から道なりに帰ると、清水寺にでた。大勢の観光客でごった返していた。特に、音羽の滝の前はひどい行列で、徒然草の第四十一段が思い出されて愚かであった。しかし、まったく日本語が聞こえないのはどういうわけか。中国語と韓国語しか聞こえない。世も末というものか。しばらく哀れな観光客達を眺めていると、中国人風の二人組みのオバハンが、傘の先を強く私にぶち当てておきながら、省みもせずに過ぎ去っていった。中国が優れていたのは、唐の時代までと、誰かが言っていたのを、ふと思い出した。

スーパードンキーコング2 3面

動画へ

http://zoome.jp/bookworm/diary/29

2008-10-21

真実の壇林寺と壇林皇后

古道具屋はともかくとして、本当の檀林寺はいったいなんだったのか。実は、あまり良くわかっていない。

嵯峨天皇の皇后は、橘嘉智子で、別名檀林皇后と呼ばれている。檀林皇后は仏教の信仰厚く、弘法大師に勧められて、日本最初の禅寺を作った。作られたのは承和の間(834年から847年の間)で、場所は、現在の天龍寺のあたりで、かなりの大きさだった。慧萼(えがく)という法師を唐に送り、義空という禅僧を招いた。とはいっても、義空は数年で唐に帰ってしまう。そもそも日本に禅宗が広まったのは、鎌倉時代のことで、それも武士の間で流行したのだ。平安時代の貴族達には、禅の教えはあまりしっくり来なかったのだろう。檀林寺は、平安中期には滅びてしまう。

檀林寺に関しては、これぐらいしか分かっていないのだ。だからこそ、平安末期に盛遠が檀林寺で祈ったという話が噴飯ものなのだ。

ところで、壇林皇后についてなのだけれど、私はどうも、かの呂太后や則天武后や西太后もかくやと思われるほどの人物だったのではないかと推測する。まず、他人を押しのけて天皇の皇后となるには、並々ならぬ努力が必要であろうし、ライバルが多い時には、天皇がわざわざ訪れてきても、追い返している。容姿もまた奇妙なもので、文徳実録には、「后為人寛和、風容絶異、手過於膝」と記述されている。ひととなりが寛和であるのはいいのだが、風容が絶異であるというのはどういうことだろう。美しいとか厳かではなく、絶異というのがよく分からない。名状すべからざる、とか、何とも形容しがたい、などとは。手、膝に過ぐというのも奇妙だ。まさか傴僂であったわけでもあるまいに。

それでも、日本は平和だ。かの呂太后、則天武后、西太后には、おぞましい逸話がたくさん残っているが、壇林皇后には、さっぱり残っていない。そもそも、日本における悪女とは誰をさすのだろうか。

2008-10-20

もし、ならば

歴史を語る上では、多くの空想が生まれる。「もし、クレオパトラの鼻がもうすこし低かったら」、「もし、元寇の時敗れていたら」、「もし、明智光秀が謀反を起こさなければ」等々。列挙に暇がない。

もし、歌詞にレトリックが一切使われていなければ。

歌詞に難解な比喩や暗喩が使われていて嫌になったことはないだろうか。これから二時間は、全チャンネルでメタファーフリーな音楽だけを提供します。

My girlfriend is getting an abortion, she's too young so we're trashing the baby
She's a brick and I'm drowning slowly off the coast and I'm heading nowhere

You're a young adult, no one understands you when you're growing boobs
It just takes some time, little girl you're in the middle of the ride

Jeremy shot his class today
Jeremy spoke in class today

Bite my lip and close my eyes, masturbate a lot tonight
Bite my lip and close my eyes, I'm drifting away to paradise

You ain't nothing but an *****, ***** all the time
You ain't nothing but a hound dog, crying all the time

And I'm STALKing you...
And now you crash into me yeah

I'm a meth, I'm a meth head
Doot doot doot, doot doodoot doot

...my name, it's like a little prayer, I'm down on my knees, I wanna give you head
it's like a little prayer, I'm down on my knees, I want to take you there

Would you know my name, if you hadn't fallen out of that 53rd story window
Would you know my name if I saw you in heaven

We are taking large amounts of pills, large amounts of pills...
We all live in a yellow submarine

Dave Coulier, I don't like you
And I'm here to remind you

This song is gonna get me laid
Your body is a wonderland

And it seems to me that you lived your life until you were hit by that van
And it seems to me that you lived you life like a candle in the wind

やはりレトリックはあらまほしいところかな。

もし、映画に携帯電話があれば。

映画には意思疎通の不備により、すれ違いが発生したりするものだ。そこでもし、すべての映画に携帯電話があればどうなるであろうか。

物語が始まらない。

Nightmare Cityの続編Catastrophe

昔といっても、それほど昔ではないのだが。

http://zoome.jp/bookworm/diary/28

2008-10-19

懐かしのFlash Nightmare City

み~や氏のNightmare City。あのころはFlashの末だったか。

http://zoome.jp/bookworm/diary/27

2008-10-18

現在の檀林寺について

昨日、怪しげな檀林寺の門を出て、哀れみに似たため息をつきながら大覚寺へ向かいつつ、親父にメールを打ってみたところ、現在の壇林寺は真っ赤な嘘で、実は古道具屋であると白洲正子が書いていたというメールが帰ってきた。どの本だと聞いたが、はっきりとは覚えていないという。その日の夕方、白洲正子の本をあさってみたが、どうもそれらしい記述は見つからない。しかたがないので、白洲正子は抜きにして、観光日記を書いた。

そもそも、檀林寺でググってみても、どうも怪しげな記述が目立つ。観光のガイドブックにも書かれていないらしい。理由もいまいち分からない。

ところが、さきほど白洲正子を読んでいたら、父親の言う通りの檀林寺の記述を見つけた。檀林寺のあの怪しさに惹かれた人のために、引用しておく。これは白洲正子著、十二面観音巡礼の、幻の寺の章の最後の方の部分である。

京都へ帰るタクシーの中で、運転手さんが耳よりな話をした。
「檀林寺ならすぐそこだっせ。史料も沢山ありまっせ」
騙されたと思って、寄ってみることにすると、祇王寺の前で降された。「ここです」という。この寺なら、まんざら知らないことはなかった。数年前、祇王寺へ行った時、「まあ、お入りやす。よっておいきやす」と、しきりに呼びとめる寺がある。この頃はお寺も客引きをするのかと、おかしかったが、まさか「壇林寺」とは知らなかった。物はためしと、百五十円払って、中に入れて貰う。妙に白々しい境内で、殺風景なコンクリートの建物が建っている。やがて、顔色の悪い爺さんが出て来たので、「檀林皇后のことを伺いたい」というと「それは御殊勝なことで……」と、胡散臭そうな目つきをした。
本堂の中は、小博物館といった感じで、薄汚い仏様達が、何の関聯もなく並んでいる。その真中のみすぼらしい観音様を指さして、じいさんは恭しくいった。「檀林皇后十八歳の御像です」
隣の部屋には、驚くほど沢山の「史料」が並べてあった。曰く、「檀林皇后の御衝立」、曰く、「檀林皇后の御茶碗」etc。
「このお寺は何宗ですか?」
「禅宗です」
「天龍寺の末寺ですか?」
「違います」
「では何派で?」
それには答えず、じいさんは引込んで、二度と姿を現さなかった。私は何百点とある「史料」を拝観した後、檀林寺を辞したが、外へ出たとたん、堪えていた笑いが一時に爆発した。巡礼をしていると、時々こういう御利益もある。
そこへ顔みしりの知人が現れたので、今、おかしな寺へ行って来た、まるで小道具屋だったと話すと、彼は苦笑いをしていった。
「小道具屋なんですよ。質屋もしていたという話です」
それで読めた。あの不可思議な仏達や、厖大な「史料」の数々は、酒手に窮した生臭坊主の質流れに違いない。観光寺院がはやるのを見て、ここで一もうけしようと、企んだにきまっている。それにしても、檀林寺とは、よくも名づけた。が、今時そんな名前を知る人は少く、思った程参詣人が来ないのは気の毒なことである。

やれやれ、どうやら私の智識も、それほど曇っていないようで安心した。私も檀林寺の門を出てから、哀れみに似たため息を止める事ができなかったのだ。とはいえ、心ある人があの檀林寺を見れば、怪しいことは火を見るより明らかである。

まあ、私に白洲正子をまともに読ませるきっかけを与えたのだから、あの寺もなかなかの善智識と言えなくもない。

哭蔵氏のフラッシュ

当時、哭蔵氏のフラッシュは定評があった。

http://zoome.jp/bookworm/diary/26

お寺観光

仕事も見つからず、焦燥感で源平盛衰記の読書が進まなかったので、寺を見てくることにした。考えてみれば、京都にいるのに、まったく観光していないというのも、もったいない話だ。

さて、どこに行くか。もちろん、平家物語ゆかりの場所に決まっている。そこで、祇王寺と滝口寺に行くことにした。

まずJR京都駅から山陰本線で嵯峨嵐山駅まで向かう。ちなみに、山陰本線の京都‐園部間を、嵯峨野線とも言う。嵯峨嵐山の駅までは、230円である。

さて、嵯峨嵐山駅を降りて、目当ての二つの寺に向かう。といっても、祇王寺と滝口寺は同じ場所にある。事前にGoogle Mapで確認しただけで、直感に頼って向かったところ、場所がよく分からない。この辺だろうと北西に向かっていたところ、清涼寺についた。せっかくなので入ってみることにした。南の門から入って右手側に、法輪というのがある。なんでも、この法輪を一回転させると、一切経を一回読むのと同じ功徳が得られるらしい。だいぶズボラな世の中になったものだ。一切経は五千巻以上からなる経典で、真読には一体何十年掛かるのか分かったものではない。とりあえず法輪を見てみようと、お堂に行ってみると、一回百円との看板が出ている。ちょうど三人組の若者がいて、法輪を回すところであった。法輪をまわすと、箱の中に隠してあるスピーカーから、雑音交じりの読経が聞こえてくる。実にマヌケな図だ。私は笑いをこらえて法輪を後にした。しかし、やたらと修学旅行生が多い。まあ、あのような法輪があるから、修学旅行生が寄ってくるのだろう。

さて、清涼時を西に行くと、目当ての祇王寺、滝口寺の看板が見えた。坂を上っていくと、檀林寺という寺がある。寺の由来を書いてある立て札に何気なく目を通したところ、嵯峨天皇の御宇に建てられたらしい。しかも、唐から義空という禅僧が渡ってきて、この寺で指導したらしい。はて、禅宗が渡来したのは、鎌倉時代ではなかったか。嵯峨天皇の時代に禅宗など入ってきていたのだろうか。もちろん、禅の思想が貴族社会に定着しなかっただけで、入ってきたことは入ってきていたのかもしれない。禅は武士の間で流行ったのだから。しかし、本当に嵯峨天皇の時代、すなわち八世紀に入ってきていたのだろうか。疑問だ。

檀林寺に入るかどうかは後から考えることにして、とにかく祇王寺に行った。拝観料は三百円である。祇王寺とは、その名前の通り、祇王、祇女、その母の閉、仏御前の庵があった場所だ。祇王と祇女は白拍子の上手で、かの清盛公に寵愛された。ところが、仏御前が推参してくると、祇王祇女は捨てられてしまう。祇王は無常の世の理を知り、出家して後世を頼むようになったという話だ。入ってみると、拝観コースを示すのか、矢印やロープが張られている。見苦しいことだ。ロープにしたがって進んでいくと、クマガイソウとアツモリソウが栽培されていた。意味が分からない。何故こんなところでわざわざ栽培してあるのか。まあ、どうせ観光用なのだろう。この寺と熊谷次郎直実や、無官大夫平敦盛とは、何の関係もないではないか。気がついて見れば、周りはオバハンだらけ。だからこそ、こんな観光用の草が植えてあるのだろう。本当に見苦しい。お堂の中には、なぜか清盛公の仏像まである。どう考えても場違いだ。何を考えて浄海入道を配置してあるのか。何のために祇王は世を捨てたというのか。来るべきではなかったのかもしれない。帰りがけに、祇王寺と大覚寺に両方入れる割引があると書いてあった。大覚寺は行く予定ではなかったが、せっかくだから行くことにしようと、割引券を買った。

さて、滝口寺である。ここも拝観料は300円。ここには、滝口入道がいた。滝口入道というのは、在俗のときは、滝口武士の斉藤時頼といういい身分の将来ある武士だったが、賤女の横笛という女に惚れてしまった。身分違いの恋であり、父親から咎められたので、出家して滝口入道と呼ばれた。ここは印象の薄い寺であった。滝口と横笛をかたどった人形があるだけだ。観光客への媚ぐあいは、祇王寺よりはマシかもしれない。

さて、寺を出てきて、檀林寺の前に来た。どうするか。入るべきか。禅寺というのがどうしても怪しい。本当なのだろうか。禅はどう考えても鎌倉時代だろう。看板によると、寺自体は、どうも最近になって再建されたらしい。寺の前でしばし考えていると、外人が近寄ってきて、この寺の名前は「ぎぃぃぃじ」でいいのかどうかと訊ねてきた。祇王寺と言いたいのだろうか。「だんりんじ」と答えると、当てが外れたような顔をしている。祇王寺の方を指差して、「ぎおうじ、たきぐちでら」と言ってやると、納得して祇王寺に向かっていった。要するに、この寺は観光ガイドブックには載っていない寺なのだろう。

やはり気になったので、入ってみることにした。拝観料は400円であった。高い。気になったのは、拝観料を払うところで待機しているオバハンの言動だ。祇王寺や滝口寺とは違い、近づいただけで、何も言わないのに親しげに挨拶をしてきた。まるで商売人だ。これこれの宝物が全部ありますなどと、宝物のリストを指差す。変わった寺だ。お堂に入るとすぐ仏像があり、おじいさんが解説を始めた。このおじいさんが曲者であった。この音声は一字一句よどみなく流れ、まるであらかじめ録音されているようであった。もしここで「実はアレはシリコンでできた精巧なロボットなんだよ」と言われたとしても、その時の私は何の疑いもなく信じたであろう。おじいさんはひとしきり解説し終わると、仏像に向けて手を合わせた。しかしあいにくと、私は仏神を信じてはいない。お堂には博物館さながらの宝物が展示されてた。実際、なぜ寺にあるのか分からないものもたくさんあった。何しろ、縄文時代の土器とか、鎌倉、室町時代の鬼瓦などがあったのだから。祝詞があり、楷書で書かれているので、私でも読むことができた。何しろ源平盛衰記では、訓読になっていない祝詞が頻出するものだから、意外とすんなり読むことができた。しかし、読むことができるのは、冒頭と末尾だけで、大部分は別の紙で隠されていた。不思議に思ってよくみると、隠されている部分の、かろうじて上に載せた紙からはみ出している部分に、朱で返り点が認められていた。不思議なことだ。また、文覚の像があったのだが、その解説が噴飯物であった。なんでも文覚は、この檀林寺で祈っていたところ、天啓を得て出家したらしい。私が博物館もといお堂から出ようとすると、さっきの解説用ロボットはまだいた。私は何も言わずに通り過ぎたが、そのときの私の顔は、相当に怪訝だったはずだ。多くの違和感と疑問を感じながら、私は檀林寺を後にした。

さて、割引券を買ったので、大覚寺に行ったのだが、大覚寺について記すことはあまりない。強いて言えば、受付が寺とは思えないほど事務的だったり、受付嬢が二部式の着物を着ていたり、入ってすぐに源氏物語の人形が置いてあったり、お土産を売る売店があったり、建物の中にプラズマディスプレイが置いてあって映像を流していたり、マネキンが置いてあったり、といったところだろうか。

さて、大覚寺を見ている間に気になった、東側の池に行ってみることにした。大沢池という名前で、なかなか悪くない池であった。しばらく池の周りを散歩し、なこその滝を見て帰った。ここは、白洲正子が著書で述べている。悪くない場所だ。

さて、駅の方へ向かって歩いてると、バス停を発見した。見ると、京都駅まで行くらしい。帰りはバスで帰ることにした。

帰ってから檀林寺について調べると、やはりどうも、ろくな寺ではなさそうだ。

昔のFlash文化は面白かった

昔、といってもそれほど昔ではないが、Flashによるアニメーションがもてはやされた時代があった。ほんの四五年の話だ。例えば以下のFlashなどだ(これはキャプチャしたものだが。)

http://zoome.jp/bookworm/diary/25/

http://zoome.jp/bookworm/diary/25/

2008-10-17

サウスパーク 乳ガンファイト

South Park Breast Cancer Show Ever

Cartman : My school life is over 'cause now all the guys don't think I'm cooool.
Stan : Dude, We've never thought you are cool.
Cartman : That's not true. You are just saying that.
Kyle : No really. We've always thought you're suck.
Jimmy : Yeah. Nothing changed. Our opinion have you can't possibly go any lower.
Cartman : You are just saying that to make me better.
Crag : No it's true. we always hated you.
Butters : Yeah.

救いようがない。さらにこの後のカートマンの言動も救いようがない。カートマンがカートマンらしく活躍する話だ。

2008-10-16

2008年10月の雑記

仕事がまったく見つからない。この業界はいい加減に諦めるべきだと思ってはいるが、ついつい求人に応募してしまう。そして面接に行き、ここに入社するとあんな感じの人間になるのかと悲観するを得るのみ。やんぬる哉。

どこかに面白い仕事はないものか。

源平盛衰記は、ようやく木曽殿が落ちていくところまで読み進めた。やはり木曾はもっと評価されるべきであると信ずる。木曾が田舎者で意固地だったわけではなく、単に京にいる公卿達が慣習に凝り固まった救いようのないアホだったというだけの話だ。

救いようのないアホといえば、山門の大衆も同じだ。いまでもそうだが。というのも、今比叡山に行くと、比叡山の歴史などが色々解説してあるのだが、時の朝廷に対して神輿を振り奉ったとか、あまりにも横暴なため信長の焼き討ちにあったことなどは、まったく触れていない。また、比叡山出身の有名人が列挙してあるのだが、そこに掲げてあるのは、皆比叡山に見切りをつけて、ふもとに下って何かを始めた者達だ。比叡山にいて何事かを為したものはいないわけだ。

さて、いよいよ源平盛衰記も、残すところ四分の一ほど。義経の悪行が楽しみだ。

Flash Player 10のGPU支援を動画以外に試してみた

いくつかの有名なFlashのアニメーションに、いわゆる<param name="wmode" value="direct" />を試してみたところ、思いのほか良い描画になった。ただし、私はハイエンドとはいかないまでも、比較的マシなGPUを使っているのであって、貧弱なGPUを使っているPCでは、あるいは遅くなるのかもしれない。

Flash Player 10でnanaca crashが遊べない問題について

Flash Playerのバージョンの確認が、次のようなActionScriptのコードであった。

   player = Number(/:$version.substr(4, 1));
   playererror = isNaN(player) || player < 7;
   if (playererror) {
    load_mc._visible = false;
   }

メジャーバージョンが9から10になったので、このコードでは、メジャーバージョンを1だと判定してしまう。人間性すら疑われるコードだ。

追記: FlashのバージョンチェックはJavaScriptで行ったほうが楽だと思うのだけれど。もしFlashの互換性自体がなくなれば、いくらActionScript内でバージョンチェックをしても意味がない。

Flash Player 10リリース

Flash Player 10がリリースされた。とうとうGPUによる描画がサポートされている。

GPUによる描画をするには、wmodeをdirectに設定する必要がある。実際に試してみると、どうもFlashの右クリックのコンテキストメニューの、設定ダイアログが無効になるようだ。FrapsでFPSがオーバーレイ表示されるので、たしかにDirect3Dを描画に使っているらしい。実際に動画を再生させて見ると、60fpsの動画のコマ落ちがなくなった。まあ、悪くない。

なお、以下の動画は、Flash Player 10以降でなければ見れないようになっている。

kaourantin.net: What does GPU acceleration mean?

2008-10-15

スーパードンキーコング 吹雪の谷 エンコードテスト

最高にエンコードが難しい面

ジョン・クリーズ、サラ・ペイリンについて語る

やはりジョンは笑い方が素晴らしい。

2008-10-14

ref-qualifierがよく分からない

ふと気がついたが、non-staticなメンバ関数につけるref-qualifierの何たるかを理解していなかった。ドラフトを読んでみたが、overload resolutionにおける、implicit object parameterがlvalueかrvalue referenceかということでいいのだろうか。(13.3.1 Candidate functions and argument lists)

次回のサウスパーク予告

聞き起こしのスクリプト。多分あってる。

Mrs. Testaburger : Wendy, Have you been bullying kids at school?
Wendy : What? No!
Mrs. Testaburger : Well, Do you want to explain my this little boy's mother had to come talk to us.
Cartman : sob
Wendy : Oh! You didn't.
Mr. Testaburger : Did you tell this little boy you are going to beat him up?
Wendy : You don't understand! He said horrible things!
Cartman : The thing is I... I tottaly said I was sorry. The thing is, Wendy, I really think you are awesome. and I know I'm a just nerdy little weakiling to you. But I want to be your friend because I don't have that many friends thats... sob

2008-10-13

スーパードンキーコング2 1,2面

http://zoome.jp/bookworm/diary/23

2008-10-12

has_xxxの実装方法

BOOST_MPL_HAS_XXX_TRAIT_DEF

これは数ある変態的なBoostのメタ関数の中でも、実に変わったもので、次のように使う。

BOOST_MPL_HAS_XXX_TRAIT_DEF(xxx)

struct a { int xxx ; } ;
struct b { void xxx() ; } ;
struct c { typedef int xxx ; } ;
struct d { struct xxx ; } ;

BOOST_STATIC_ASSERT(( has_xxx<a>::value )) ;// Error
BOOST_STATIC_ASSERT(( has_xxx<b>::value )) ;// Error
BOOST_STATIC_ASSERT(( has_xxx<c>::value )) ;// OK
BOOST_STATIC_ASSERT(( has_xxx<d>::value )) ;// OK

実に不思議な挙動をする。メタ関数has_xxxは、引数の型がxxxというnested type nameを持っているかどうかの判断する。一体どうやって実装しているのであろうか。

実は、それほど難しい実装でもない。

#include <boost/mpl/bool.hpp>


namespace hito {

namespace detail {


template< typename T >
class has_xxx_impl {

    typedef char yes_type ;
    typedef struct { char c[8]; } no_type ;

    template< typename U >
    static yes_type check( U *, typename U::xxx * = NULL ) ;


    template< typename U >
    static no_type check(...) ;
public:
    static bool const value = sizeof( check<T>( NULL ) ) == sizeof( yes_type ) ;
} ;

}// namespace detail

template<typename T>
struct has_xxx : boost::mpl::bool_< detail::has_xxx_impl<T>::value > {};

}// namespace hito

実装はこれだけだ。ようするにSFINAEとオーバーロードを利用している。これは規格的に正しい。こんな実装もある。

#include <boost/mpl/bool.hpp>


namespace hito {

namespace detail {


template < typename T > struct sfinae_helper { typedef void type ; } ;

template < typename T, typename U = void >
struct has_xxx_impl
{
    static bool const value = false ;
} ;

template< typename T>
struct has_xxx_impl< T, typename sfinae_helper< typename T::xxx >::type >
{
    static bool const value = true ;
} ;

}// namespace detail

template<typename T>
struct has_xxx : boost::mpl::bool_< detail::has_xxx_impl<T>::value > {};

}// namespace hito

これはオーバーロードを使わないテクニックだ。これはVC7.1のためのworkaroundらしい。

さて、これはネストされたある型名の有無を判断するメタ関数だ。具体的な型についてはどうでもいい。もちろん、必要とあらば具体的な型でのみtrueを返す実装もできるが、それは話の枝葉だ。もし、型名ではなく、メンバ変数やメンバ関数そのものの有無を判断したい場合はどうすればいいのだろうか。つまり、上の使用例でいう、a,bのクラスがコンパイルエラーにならないようなメタ関数を実装するにはどうすればいいのだろうか。それには、次のような二つの実装が考えられる。

//オーバーロードあり
template< typename T >
class has_xxx_impl {

    typedef char yes_type ;
    typedef struct { char c[8]; } no_type ;

    template< typename U >
    static yes_type check( U *, int U::* = &T::xxx ) ;


    template< typename U >
    static no_type check(...) ;
public:
    static const bool value = sizeof( check<T>( NULL ) ) == sizeof( yes_type ) ;
} ;

//オーバーロードなし
template < typename T, int T::* > struct sfinae_helper { typedef void type ; } ;

template < typename T, typename U = void >
struct has_xxx_impl
{
    static bool const value = false ;
} ;

template< typename T>
struct has_xxx_impl< T, typename sfinae_helper< T, &T::xxx >::type >
{
    static bool const value = true ;
} ;

面白いことに、どちらもVC9では、どちらも期待通りの動作をする。すなわち、aのstatic_assertが通る。bのstatic_assertを通すには、シグネチャをvoid (T::*)(void) とすればよい。

規格ではどうなるのかよく分からない。

ちなみに、C++0xでは、decltypeとSFINAEとOverload Resolutionで、同じことができる。

滝口入道

夏の盛り購入せし滝口入道を、読み侍り畢。二月前は浅学無知にして、所詮は馬琴のひとつ下の世代と一笑し、恬として省みることのなきに、今日源平盛衰記を読むを得て、漸く古典の蔗を嚼む境に入るに、高山樗牛の非凡な才能、いまさら語るも愚かなり。

しかもこれを書いたときは廿三歳だったというのだから驚きだ。よく平家物語を読んでいたのだろう。

2008-10-10

眠れる森の美女をブルーレイで見るために、120ページ以上ものEULAを読解する子供たち

Kids need to agree to 120+ pages of EULAs in order to watch BluRay Sleeping Beauty - Boing Boing

Boing Boingガジェットでジョンが言及していることだが、眠れる森の美女をブルーレイで再生するためには、実に120ページ以上もの法的な駄文、すなわちEULAに同意しなければならないらしい。

ディズニーのEULAに対する執念は、ほとんど病的なほどで、私などは、ディズニーから頼まれた講演を断ったことがあるぐらいだ。というのも、あの法務部の奴らが、「今後ともディズニーという単語を許可なく文面において使用しない」というような事を書いた契約書にサインさせようとしたからだ。ディズニーワールドのたのしいたのしい乗り物には、実に馬鹿げたEULAを載せた看板があった。その内容というのは、「ディズニーに関するジョークを言った者は、その責任を負う。すなわちそのジョークに関するあらゆる著作権法の問題でディズニーに与えた損害を弁償すべし」ということへの同意だ。この看板自体はジョークではないらしい。どうも、その看板をくぐると、同意したことになるらしい。つまりディズニーによれば、小学生は法的に契約を結ぶことができ(法的に不可能)、しかも看板の下に立つだけで同意が成立し(法的に不可能)、世にあるジョークというものはすべて元ネタが存在しない(常識的に不可能)、らしい。

親は、子供達がディズニーを見て、王女様にあこがれたりなどの、空想を信じる事を恐れているのかもしれない。しかし、子供達に眠れる森の美女をブルーレイで観させた日には、何をするにあたっても、まず数百ページにも及ぶ駄文に同意しなければならないと信じてしまうに違いないが、いいのだろうか。おちおち自宅パーティすら開けないだろう。

英語と日本語で文節をきっちりあわせて翻訳するのは不可能だ。

鉛筆の取り扱い説明書がネタに思えなくなってきた。

HTML5とCSS3はまだか

さっさとwhite-space-collapseとtext-wrapをよこしやがれ。CSS2.1のwhite-spaceプロパティなんざ使い物にならねーんだよ。

あと各UAはruby要素を絶対にサポートしろ。いいな、絶対だぞ。あとCSS3にwriting-modeは絶対に入れろ。日本語は縦書きの言語なんだよ。

Order and Consistency

今回のドラフトで、29.1のOrder and Consistencyの冒頭部分がだいぶ変わっている。n2783 Collected Issues with Atomicsによる変更だ。

個人的には、以前の方が分かりやすかった気がしないでもないが。以前はmemory_orderのメンバそれぞれに対して、別々に定義がなされていたのだけれど、今回はなんだか分かりにくい記述だ。memory_order_acq_relはloadとstoreの両方に出てきているから、両方を意味するとか、memory_order_seq_cstは別にパラグラフをを作って詳しく記述している。また、memory_order_consumeの記述があっさりしすぎていて戸惑った。29.1で言及している、consume operationは、1.10.9に記述されている。以前は29.1でも簡単な記述があったのだが、今回からは、consume operationであることぐらいしか書かれていない。

さすがはイタリア

水道からワイン 粋な?配管ミスに住民大喜び(社会) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

 イタリアの町、マリノのいくつかの民家の蛇口から水ではなく白ワインが出てきたため、住民はびっくり。「聖なる奇跡だ」との声も上がった。「甘いにおいですぐに気付いたけど、ワインでモップ掛けするところだったわ」と、ある女性。

 町長によると、毎年恒例のお祭りの際に町の噴水からワインを出そうとしたが、配管ミスで民家で出てしまったのだという。町長は「みな喜んでいるし、祭りも楽しみにしている」と失態にはお構いなしだ。(UPI=共同)

傳聞、愛媛県にはポンジュースの出る蛇口あり、何となれば、そこにてはオレンジジュースは恒河沙よりも多いとこそ、承ったり。かるがゆえに、ついには上水道をしてポンジュースを流すことを得たり。

2008-10-09

サウスパーク再開

The China Probrem

サウスパークがようやく再開された。

コンセプトの名前付き要求

n2581 Named Requirements for C++0X Concepts
n2780 Named Requirements for C++0X Concepts, version 2

私は、コンセプトを使うのは簡単であると、一度も言ったことがない。寝言で言ったかもしれないが、それは所詮寝言だ。たとえば、STLのsortに使えるイテレータを持ったrangeを扱う場合には、以下のように記述する必要がある。

template < typename T >
    requires std::Range< T >
       && std::RandomAccessIterator< std::Range< T >::iterator >
       && std::ShuffleIterator< std::Range< T >::iterator >
       && std::LessThanComparable< std::Range< T >::iterator::value_type >
void f(T & r)
{
    std::sort( begin(r), end(r) ) ;
}

もちろん、すべてをrequires-clauseに記述するのではなく、constrained-template-parameter(テンプレート引数のtypename/classの場所)にRangeを指定すれば、この重複を省くことができる。しかし、constrained-template-parameterで指定できるコンセプトはひとつだけなので、もっと複雑になると、こうなる。

template<InputIterator Iter1, InputIterator Iter2, typename T>
    requires Multiplicable< Iter1::reference
                , Iter2::reference
               >
    && Addable< T
         , Multiplicable< Iter1::reference
                 , Iter2::reference
                 >::result_type
         >
    && Assignable< T
           , Addable< T
               , Multiplicable< Iter1::reference
                       , Iter2::reference
                       >::result_type
               >::result_type
           >
T inner_product( Iter1 first1, Iter1 last1, Iter2 first2, T init );

言うまでもなく、このコードは冗長にも程がある。そこで、named requirementが提案され、このたびドラフト規格に入った。これは文字通り名前をつける機能で、以下のようになる。

template<InputIterator Iter1, InputIterator Iter2, typename T>
    requires mult = Multiplicable<Iter1::reference, Iter2:reference>
       && add = Addable<T, mult::result_type>
       && Assignable<T, add::result_type>
T inner_product( Iter1 first1, Iter1 last1, Iter2 first2, T init );

とても分かりやすい。

これはrequires-clauseに対して適用されるので、もちろん、associated-requirements(コンセプトの中のrequires)にも適用される。

auto concept BinaryIsoFunction< typename Op, typename Elem > {
    requires std::Callable<Op, Elem, Elem>;
    requires std::Convertible< std::Callable<Op, Elem, Elem>::result_type, Elem>;
    typename result_type = std::Callable<Op, Elem, Elem>::result_type;
};

また、refinement clausesの(いわばコンセプトの継承とでも言うべき機能)、refinement-specifier でも使用できる。つまり、

concept Refining< typename T, typename U >
    : Complicated<T,U>
{
    requires std::HasPlus< Complicated<T,U>::result_type >;
} ;

ではなく、

concept Refining< typename T, typename U >
    : c = Complicated<T,U>
{
    requires std::HasPlus< c::result_type >;
} ;

とできる。

史上最高に糞なソフトウェア

インストール時に、VistaのUACをオフにするソフトウェアが存在する。といっても、いわゆるmalwareやspywareではない。今使っているマザーボードのベンダー、MSIのドライバの自動アップデートのソフトウェアだ。今まで見た中で最高のcrapwareだった。

Engineering Windows 7 : User Account Control

互換機能

C++の規格には、Compatibility featuresという項目がある。これは、歴史的な理由などで、互換性のために残されている機能のことだ。試みにC++03の互換機能を挙げてみると、

bool型に対するインクリメント演算子の使用(使うべきではない)
namespaceスコープ内でのオブジェクトの宣言にstaticキーワードを使用すること。(無名namespaceを使うべき)
Access declarations(11.3)の使用(using-declarationsを使うべき)
文字列リテラルの非constへの暗黙の変換(使うべきではない)
標準Cライブラリヘッダ、stdio.hなど(cstdioなどのヘッダを使うべき)
昔の iostream のメンバ、多すぎるので列挙しない(使うべきではない)
char * ストリーム、strstreamなど(使うべきではない)

staticキーワードとaccess declarationsと文字列リテラルに関しては、サンプルコードを示したほうがわかりやすいかもしれない。

// 別の翻訳単位から参照されたくない名前空間内の変数
namespace hito
{
    // これは互換機能、使うべきではない
    static int x ;
    // こうすべき
    namespace { int y ; }
}

class base
{
public :
    int x ;
    int y ;
} ;

class derived : private base
{
public :
    // base::xのみpublicでアクセス可能に
    base::x ; // これは互換機能、使うべきではない
    using base::x ; // こうすべき
} ;

int main()
{
    derived d ;
    d.x = 0 ; // OK
    d.y = 0 ; // Error
}

int main()
{
    // こうすべき
    char const * char_const_ptr = "Would you like to give up being a mason?" ;
    
    // 互換機能、使うべきではない。
    char * char_non_const_ptr = "No? That's wrong! Wrong! Wrong! Wrong! No! No! No! Bad! Bad!" ;
}

C++0xでは、この互換機能が増える。

まずは、binder。これはbind1stやbind2ndなどといったfunctionalヘッダで定義されている関数とクラスである。知らなくても別に恥ではない。誰もこんな糞なライブラリなど使っていないからだ。変わりに、新しく導入されたbindを使うべきだ。これはBoostのbindとよく似ていて、使い方も同じだ。

次に、auto_ptr。これは中途半端な仕様なので使うべきではない。もっと意味がはっきりとした、unique_ptrとsmart_ptrを使うべきだ。前者はコピーができず、後者は参照カウンタを備えている。

最後に、(これが本当に云いたかったのだが)、Iterator primitivesがある。これは、端的に言ってしまうと、iterator_traitsそのものをdeprecatedにしている。コンセプトがあれば、こんな使いづらいメタ関数は必要ない。

とはいっても、iterator_traitsを互換機能に落としてしまうのは、だいぶ英断だと思う。

C++0xのCD公開

http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg21/docs/papers/2008/#mailing2008-10

N2798 Working Draft, Standard for Programming Language C++
N2799 Editor's Report

今回言語に入ったペーパーの一覧。ライブラリなどはEditor's Reportを参照されたし。

N2757, Expedited core issues handling (revision 2): 220, 592, 606, 614, 624, 681, 683, 688
N2756, Non-static data member initializers
N2764, Forward declaration of enumerations (revision 3)
N2762, Not so trivial issues with trivial
N2752, Proposed text for bidirectional fences
N2765, User-defined literals (aka Extensible literals) (revision 5)
N2761, Towards support of attributes in C++ (revision 6)
N2782, C++ data-dependency ordering: function annotation
N2773, Proposed wording for concepts (revision 9)
N2780, Named requirements for C++0x concepts, version 2
N2778, Wording for range-based for-loop (revision 3)

まずコンセプトが入った。これは大きい。Unified Function Syntaxは、今回入らなかった。しかしペーパーが更新されている。まあ、まずC++0xには入るだろうと思う。N2763 Unified Function Syntaxがそれだ。named lambdaとblock-local functionは取り除かれている。これらはC++0xには期待できないが、将来は入るかもしれない。

2008-10-08

B-CAS廃止という希望的観測が出回っているけれど

事の発端はこの飛ばし記事、「第5権力」としてのウェブ

しかし、池田信夫は、この業界では有名な山師であるのはご存知のとおりだし、実際の委員会では、明確に廃止などとは言っていない。

池田 信夫 教授の記事に関して

正確な言葉というのは、「B-CAS に関する技術と契約の観点から考えられる対応策を考えていこうということ」程度の事らしい。

今に始まった話ではない。「見直しが必要だという提言もある」、だとか「見直しを含めて検討していく方向で各関係者間で調整を行っていきたい次第である」だとか、総じて、いかにも日本語らしい言葉しか出ていないのだろう。

だいたい、インタレのMPEG2なんて使っている日本のテレビなんどに、誰か期待しているというのか。

2008-10-07

Blue Labelを飲んだこと

某店でジョニーウォーカーのブルーラベルを飲んだ。噂には聞いていたが、飲むのは初めてだった。まあ、悪くない味だった。あるいは、飲みやすい味とでも言うべきか。よく言われることに、良い酒は水みたいな酒であるということがあるが、その言の如き酒であった。それなら最初から水を飲めばいいのではないかという話は抜きにして。

まあ、あそこは悪くない店だ。

仕事が見つからない

いっそのこと単純労働のほうがいいのかもと、配電盤製造の求人の面接に行ってみたが、どうも人間として何か大切なものをなくしてしまいそうな職場であった。いわゆるライン工ではないのだが、働いている人間に表情というものがない。

とりあえず不思議な求人の例

キャッチコピー:どん底の中で、前向きに行動できること。それができる人は必ず成長する

以下、代表取締役の人生を振り返る文章が続く。要約すると、16歳、中卒で喫茶店で働き、定時制高校に通って、運送業などをする。24歳のときに、フィリピンで働きながら一年過ごす。どうも文章に問題がありよくわからないが、このたったの一年の間に、家賃36万円のコンドミニアムに住む環境から、家賃2500円のウィークリーマンションまで、上がり下がりの激しい生活を送ったらしい。フ一年後に帰国して実家の京都が嫌だったので、東京に行って路上生活を始め、パチンコ店で働いて、その後渡米して仕事を探すが見つからない。ようやく雇ってもらえたが、まずトイレ清掃の仕事だった。トイレ清掃に精を出すうちに、次の仕事にも使ってもらえた。29歳、京都に帰り、大手不動産で働くが、独立してこの仕事を立ち上げた。

事業:賃貸マンションの企画・立案・ファイナンシャルプラン、マンションリフォーム業 マンスリーマンション事業。

さっぱりわからない。特に自伝の文章が読みづらい。上がり下がりの激しい人生を送ってきたと言いたいのかもしれないが、それにしてもフィリピンでの生活はたったの一年間である。物価の差を考えれば、バックパッカーとして過ごすこともできると思うのだが、現地で仕事をして、家賃36万の家から2500円の家まで転々としたというのが解せない。たったの一年間じゃないか、暮らしたというより旅をしたというべきではないか。アメリカではカイジの帝愛グループを地で行く仕事をしたらしい。あのパチンコ「沼」があるカジノの店長、一条の下りだ。あれはマンガの世界だと思っていたのだが。

そして何より、業種は不動産業なのだ。そんなどん底の人生を広告に出しても、この会社はこんな成り上がりが社長をやっているのかと思われるだけだ。むしろヤクザな仕事をしているのではないかと疑われる恐れもある。不動産業だけに、特にそんなイメージは避けたいはずだ。不思議だ。

営業職は求めてません!! ガツガツした営業は求めていません。ノルマを目指すのではなく、「お客様の喜びが自分の生きがい!!」と思える方を求めています。未経験の方、安心して応募ください。

仕事:ルームアドバイザー
お客様とお話をしながら、より良い物件をお客様にご紹介するお仕事です。

それを営業職と言わずしてなんという。まともな職場ならば、理不尽に厳しいノルマなどはパワハラにあたるので、求めないことはもとより当然である。してみれば、最初からそんな広告を出すのはおかしい。広告というものは、本当にそうであることではなく、そうと思わせたいことを言うものであるから、「安心して」などという文句がある広告に安心することはできない。もしそれ、真に安心できる職場であれば、そんな謳い文句は、はなから生じないはずだからである。

人間コンパイラの道はまだまだはてしなく遠い

ふと気がつくと、TR1のrefの実装がill-formedだった。やれやれ、Two Phase Lookupをまともにサポートしていないコンパイラを常用すべきではないのかもしれない。以下のコードはコンパイルエラーになるべき。

template < typename T >
struct base
{
    typedef T type ;
} ;

template < typename T >
struct derived : public base< T >
{
    typedef type result ;// ill-formed.
} ;

derivedクラスで使われているtypeは、Non-dependant nameなので、first phaseで名前解決されるべきである。然るに、typeという名前は見つからないのでコンパイルエラーになる。解決方法は、Dependant Nameにするしかない。

typedef typename base::type result ;
typedef typename derived::type result ;

まあそもそも、あのrefの実装は愚直すぎるのだけれど。関数呼び出し演算子のオーバーロードは、単純にreference_wrapperの中で、可能ならばVariadic Templatesを使って、実装しておけばいい。

2008-10-05

築地もいずれ

近年、卸売業者は減ってきている。生産元から末端の小売までに届くコストを減らせば、利益は減らさず価格を下げることができる。

直取取引反対で仲買人統一組織

全国で初めて漁業協同組合と大手スーパーが市場を通さない鮮魚の直接取引を始めた島根県で市場で働く仲買人が、統一組織を設立して直接取引の見直しを求めていくことになりました。

島根県では、漁業協同組合の「JFしまね」が、流通コストを省いて燃料などの高騰に苦しむ漁業者の収入を増やそうと、大手スーパー「イオン」との間で市場を通さずに月1回程度直接、鮮魚を取り引きする取り組みを今年8月に始めました。
これに対して島根県内の市場でセリに参加している仲買人からは、直接取引によって生活が脅かされかねないとして見直しを求める声があがっていました。 こうした中、県内のすべての仲買人400人余りが参加する統一組織「島根県魚商人組合連合会」が、4日設立されました。
連合会では、市場を運営しているJFしまねがセリを通さずに、特定の小売業者に対して、直接鮮魚を売れば、取り引きの公正さが損なわれるとして、直接取引の見直しを求めていくことにしています。また今後は、連合会として漁業者との意見交換の場を設け県内の鮮魚の取り引きのあり方についても考えていきたいとしています。

まあ、ここで仲買人の連中の言いたいこととしては、セリの仕組みがなくなれば、イオンなどの大手の購入口が強い立場にモノを言わせて、安く買い付けるかもしれないということなのだろう。

まあ、かといって今の新参お断りのセリは、なんだか資本主義とは思われない。

2008-10-03

2008年のイグノーベル賞

イグノーベル賞公式サイト

気になったものをいくつか。

要約:ひもは必ず絡まることの数学的証明

PHYSICS PRIZE. Dorian Raymer of the Ocean Observatories Initiative at Scripps Institution of Oceanography, USA, and Douglas Smith of the University of California, San Diego, USA, for proving mathematically that heaps of string or hair or almost anything else will inevitably tangle themselves up in knots.
REFERENCE: "Spontaneous Knotting of an Agitated String," Dorian M. Raymer and Douglas E. Smith, Proceedings of the National Academy of Sciences, vol. 104, no. 42, October 16, 2007, pp. 16432-7.

man, i always have wondered that! Could you please tell me how to prevent tangling them?

要約:変形菌により迷路を解くこと

COGNITIVE SCIENCE PRIZE. Toshiyuki Nakagaki of Hokkaido University, Japan, Hiroyasu Yamada of Nagoya, Japan, Ryo Kobayashi of Hiroshima University, Atsushi Tero of Presto JST, Akio Ishiguro of Tohoku University, and Ágotá Tóth of the University of Szeged, Hungary, for discovering that slime molds can solve puzzles.
REFERENCE: "Intelligence: Maze-Solving by an Amoeboid Organism," Toshiyuki Nakagaki, Hiroyasu Yamada, and Ágota Tóth, Nature, vol. 407, September 2000, p. 470.

Let them solve the Travelling salesman problem. btw have you ever eat slime mold in rogue?

要約:コカコーラには殺精子作用が、あること、あるいはないこと、の発見

CHEMISTRY PRIZE. Sharee A. Umpierre of the University of Puerto Rico, Joseph A. Hill of The Fertility Centers of New England (USA), Deborah J. Anderson of Boston University School of Medicine and Harvard Medical School (USA), for discovering that Coca-Cola is an effective spermicide, and to Chuang-Ye Hong of Taipei Medical University (Taiwan), C.C. Shieh, P. Wu, and B.N. Chiang (all of Taiwan) for discovering that it is not.
REFERENCE: "Effect of 'Coke' on Sperm Motility," Sharee A. Umpierre, Joseph A. Hill, and Deborah J. Anderson, New England Journal of Medicine, 1985, vol. 313, no. 21, p. 1351.
REFERENCE: "The Spermicidal Potency of Coca-Cola and Pepsi-Cola," C.Y. Hong, C.C. Shieh, P. Wu, and B.N. Chiang, Human Toxicology, vol. 6, no. 5, September 1987, pp. 395-6. [NOTE: THE JOURNAL LATER CHANGED ITS NAME. NOW CALLED "Human & experimental toxicology"]

I don't mind which is the correct because i won't need it anyway.

今回はちょっと微妙だな。やはり去年の冠詞 The がアルファベット順の索引に及ぼす弊害に比べると見劣りがする。

頼朝の活躍

平家物語を読むと、頼朝はろくに活躍をしていないように見える。何しろ、文覚が後白河上皇からの院宣を給わってから、すぐに富士川の戦いである。

しかし、実際には、結構なことをしているのである。手始めに兼隆判官を討ち取ったものの、なかなか手勢が集まらず、わずか三百余騎で石橋山に陣を構え、影親の兵に破れて敗走し、安房国に逃げ、そこで再挙兵している。

かなり活躍しているのに、平家物語では書かれていない。ただ、延慶本では書かれているらしいが。

ちなみに、京都のある古本屋に、長門本がある。あれも読み本系に分類される本なのだが、どうなのだろう。

今日学んだ言葉:大童とは、髪が乱れているみっともない様子の事。

椛と不思議の洞窟(仮)のプレイ動画

http://zoome.jp/bookworm/diary/22

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BACK SPACEより。

2008-10-02

まじかよ

例の気になっていたアレがC++0xのドラフトに入った模様。やれやれ、面白くなりそうだ。

追記:間違いで入ったとか言われて消されてる。どうなってるの。