来年、すなわち2013年には、吉川英治と柳田國男の著作権が切れる。楽しみで仕方がない。
ところで、一つ疑問がある。いま、各国の著作権の保護期間は、微妙に異なっている。たとえば、アメリカの著作権は、法人名義は公開後95年、個人名義は死後70年保護される。一方、日本では、それぞれ公開後50年(映画は70年)、ないしは、個人の死後50年である。ただし戦時加算と旧法の方が保護期間が長くなる場合に注意しなければならない。ということは、アメリカで公開された著作物が、日本では保護期間が満了しているものの、アメリカでは満了していないということが起こりうる。この時、一体どうなるのであろうか。
今、アメリカで作成、公開されたコンテンツがあるとする。日本では著作権が著作権が切れているが、アメリカでは切れていない。このコンテンツを日本国内で合法的に入手し、アメリカに持って行くとどうなるのだろうか。アメリカからみると、私のコンテンツの入手方法は、海賊行為である。しかし、日本からみると、著作権が切れているために、合法である。すでに私は合法な方法でコンテンツを入手したのだから、それは私の所有物である。私の所有物であるということは、アメリカ国内でも合法であろうか。しかし、私がアメリカ国内でも合法的に所有しているのであれば、コンテンツをアメリカ国内で販売できるはずである。まさか、所有はできるが販売はできないなどという中途半端な状態にはならないだろう。とするとやはり、私はアメリカ国内ではこのコンテンツを合法的に所有できないのだろうか。つまり、私アメリカに入国する際には、そのようなコンテンツを持っていかないように気をつけなければならないのだろうか。
これはやはり、博打や大麻とおなじであろうか。日本では、博打と大麻は禁止されている。しかし、外国では、禁止されていない国もある。大麻の場合は、大麻取締法の第二十四条の八に、「第二十四条、第二十四条の二、第二十四条の四、第二十四条の六及び前条の罪は、刑法第二条 の例に従う。」と書かれてあることから、日本人が日本国外で大麻を摂取した場合は違法である。博打の場合には、そのような規定はないので、国外で行う分には合法である。
では、この著作権の保護期間の違いの場合はどうなるだろうか。
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