c - Why doesn't GCC optimize a*a*a*a*a*a to (a*a*a)*(a*a*a)? - Stack Overflow
俺は科学技術計算の数値計算の最適化をしてたんだけどさ。GCCは
pow(a, 2)
をa*a
にしてくれるんだな。うん。で、pow(a, 6)
は最適化されずに、ライブラリ関数であるpowを呼んじゃうんだ。パフォーマンス的に最悪。(Intel C++ Compilerはpow(a,6)
のライブラリ関数呼び出しを消し去ってくれるんだけどな)どうもよくわからんのが、
pow(a, 6)
をa*a*a*a*a*a
で置き換えて、GCC 4.5.1をオプション"-O3 -lm -funroll-loops -msse4"で使ったら、mulsd命令を5個使う。movapd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13
だが、
(a*a*a)*(a*a*a)
と書いたら、出力は、movapd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm14, %xmm13 mulsd %xmm13, %xmm13
これは、乗算命令が3個になっている。iccもGCCとほぼ同じだ。
なんでコンパイラーはこれを最適化できないんだ?
答え:浮動小数点数演算では、結果が変わってしまうおそれがあるから。
それは、浮動小数点数は結合法則を満たさないからだ。浮動小数点乗算のオペランドの囲み方により、結果の数値精度に影響を及ぼすからだ。
その結果、ほとんどのコンパイラーは、浮動小数点数演算のリオーダリングに対して極めて保守的なのだ。答えが変わらないと確信できるときや、数値精度を気にしない場合にしか最適化できない。たとえば、GCCの-ffast-mathだ。
c - Why doesn't GCC optimize a*a*a*a*a*a to (a*a*a)*(a*a*a)? - Stack Overflow
GCCに-ffast-mathオプションを指定すると、浮動小数点数演算の誤差を気にしないとコンパイラーに伝えたことになる。このオプションを指定すると、GCCは浮動小数点数の演算に対して、大胆な最適化ができるようになる。もちろん、演算精度に注意しなければならない。
What Every Computer Scientist Should Know About Floating-Point Arithmetic(すべてのコンピューター科学者が浮動小数点数演算について知っておくべきこと)
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この記事はC++とは直接関係がないが、ドワンゴ勤務中に書かれた。
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3 comments:
いやー、ほんとに浮動小数点は色々面倒くさいですね…。
再現性を考えると、固定小数点で作りたくなりますわほんと。
↑速度考えたらどう考えても浮動小数点が圧倒しますけどね。
計算順序なんて目じゃない。
この問題は丸め誤差が原因なので
固定小数点でも最適化できない問題が起きると
思います
例えば、小数点第3位で四捨五入して丸めると
いうルールで1.5x1.5x1.5x1.5の計算を考えます。
この時、1.5x1.5x1.5x1.5は5.07で、
(1.5x1.5)x(1.5x1.5)は5.06になります。
この結果は固定小数点でも結合法則は
満たさないことが起きることを示しています。
なにか勘違いしていたら、訂正願います。
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