2008-08-28

サラシを切る

白波五人男で最後まで分からなかったセリフの意味が分かった。

弁天小僧「騙りが露れたその時は、送られる氣で新らしく、晒布を一本切つて來たのだ」

渡世人などの伊達を好む男は、腹にサラシを巻くものだ。これは腹を保護する役目もあるのだが、ファッションとしての意味合いも強い。もし、喧嘩沙汰になって重症を負い、サラシを見られるような事態になったとき、そのサラシが汗や垢で汚れていたり、シワだらけであると、みっともない。そこで、ひょっとしたらそういう事態になりそうな時には、見られても恥ずかしくないように、新しいサラシを巻いて出かけるのだ。切るというのは、サラシを作ることだ。当時、サラシというものが売られていたわけではない。売られているのは単なる布である。そこで大きな布切れから、サラシにちょうどいい大きさに布を切るのだ。

1 comment:

Anonymous said...

私も疑問に思っていたセリフでした。ご教示ありがとうございました。