2011-02-12

時代の流れには乗るしかないのだろうか

とうとう、このブログにTweetボタンを付けてしまった。Twitterによって提供されているAPIは非常に分かりやすく、すぐに実装できた。Twitterを使っていないため、テストしていないが、多分動くだろう。

相変わらず、Twitterを使う気はないが、ともかく、時代の流れには乗っておこうと思う。

何が時代の流れなのか。URLに対する評価方法である。歴史を振り返ってみよう。かつて、人気のURLを得る方法は、特定の個人や団体によって運営されているサイトを見るか、機械的に評価された順位を返す検索エンジンであった。当時は、ひたすらリンクを集めた個人の日記サイトが、大流行したものだ。その後、Googleが現れた。

近頃は、ソーシャルな評価方法が盛んだ。とくに、そのものズバリの目的に特化したサービスは、オンラインブックマークだ。おそらく最大手はDiggだろう。日本では、はてなブックマークになる。多くの人間に、手動でブックマークされるサイトは、何らかの理由で、価値が高いといえる。

しかし、最近、オンラインブックマークサービスが明らかに衰えてきている。かわりに盛り上がっているのは、Twitterに代表される、Micro Bloggingサービスによるリンクである。特に、Twitterへのポストの中に含まれるURLが、オンラインブックマークを駆逐しつつあるのだ。

私はどうしたわけか、オンラインブックマークにも、Twitterにも心ひかれるものがなかった。そのため、いまだにこの手のサービスを使ってはいない。ただし、利用はしている。はてなブックマークの注目エントリーを、RSSリーダーで購読すれば、今話題のURLの一覧が得られる。Twitterは、公式にはそのようなサービスがないものの、サードパーティによるサービスはある。Twitterの投稿からURLを抜き出して、各URLに対するリンク数を集計し、短期間で被リンクを大量に得たURLを教えてくれる。その人気のURLの一覧を一瞥して、タイトルと最初の数十文字を読めば、その記事が自分にとっても価値があるかどうか、すぐにわかる。これは、自分で価値のあるサイトを、何時間もかけて探し出す必要がないという点で、実に優れている。

もちろん、この方法により、一昔前の、怪しい輝きを放つ、当時のインターネットの魅力は失われてしまった。リンクをどんどんたどっていく楽しみは、もはや存在しない。現在は確実に昔より進歩しており、また、未来は現在よりさらに優れたものになると確信しており、実際に優れたものになっているのだが、やはり、当時を知る身としては、どこか寂しさも覚えるものだ。

思うに、私には、新しいもの好きの気質があるのではないかと思う。それも、ただ新しいだけではなく、今までにない新しさを好む。大衆化してしまったものには、あまり興味を示さない。

そこでだ。現在、私の食指の動く「何か」が見当たらない。動画サイトもはや大衆化してしまったし、生放送でストリーミングできるということも、所詮は動画サイトの延長線上にあるに過ぎない。ゲームはすっかり大規模化してしまって、逆につまらない。オンラインゲームは、もはや死んだコンテンツである。無料モバイルゲーム? 笑わせるな。小説はつまらないし、漫画も、ムダヅモ無き改革、角刈りすずめなどの一部を除けば、てんでダメだ。アニメなどは見る価値もない。

何かこれまでにない、既存の枠組みを超えた、新しい仕組みが欲しい。

自分で作るというのは、どうも面白くない。私は物事を学ぶのは好きだが、実際にその知識を活用して、何か革新的なものを創りだそうという意欲に欠ける。第一、革新的な物を発明するにしたって、その労力の大部分は、単調な実装作業に費やされるのだ。私はクリエイターではなく、オブザーバーになりたいのだ。

追記:ところで、いま注目しているものは、実はある。電子書籍だ。日本では、版組の複雑さから、若干の遅れがあるかもしれないが、いずれ、紙の本は駆逐されるだろうと考えている。今執筆中のC++0xの参考書も、いろいろと思うところがある次第である。

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