Lost in Translation: How The Army Wastes Linguists Like Me | Danger Room | Wired.com
抄訳。
2006年の冬のこと、私は軍隊に、言語専門家として志願した。外国語の翻訳を担当する兵士だ。軍の採用担当は、大学で何年もアラビア語を履修した私のジェイムズ・ボンド的技能を信用しなかったようだ。ともかく群の採用担当は、実地における経験を積めるよう配慮すると約束した。そこで、私は入隊して教育訓練を受けた。
2年間の教育訓練の後、国内でのアラビア語関連の仕事を経て、ついに2009年の3月、私はデルタ基地に着陸したブラックホークより降り立った。イラク南部のアルクートに近い基地だ。私の仕事は、傍受したアラビア語の通信を翻訳して、前線兵士に警告を出すことであろうと、私は考えていた。
任地で私を迎えた曹長の専門言語が朝鮮語であると知った時の、私の驚きを想像してもらいたい。どうやら、私の配属された5人班の半分は、朝鮮語話者であるようだ。イラクの砂漠で、朝鮮語の需要がどれだけあるというのか。これが、私の配属は、訓練内容とまったく合っていないのだと知る、最初の兆候であった。
イラクでの任務が始まり、私は、誰が言語を英語に翻訳しているのかという事実を、すぐに知った。それは、中年の巨漢なアラブ人であった。私ではない。モースル生まれのネイティブであり、我々の配属が必要としている翻訳の半分をこなす、民間人からの任用者であった。噂では、彼は20万ドル以上儲けているらしい。私の給料の優に5倍の額である。その間、私の班員は、暇そうにそこらへんに座り、装備をいじったり、パソコン画面を眺めたりして、退屈な時間を過ごしていた。
どうやら、どこの班でも事情は同じらしい。私は8ヶ月の勤務中に、35冊の本を読み終えた。そのうちの一冊は、Fiasco: イラクにおけるアメリカ軍兵士のアドベンチャーであった。
例えば、イランの国境に近いアマラーの基地にいる、ある兵士は、ペルシャ語を流暢に話す。もし、彼が通信兵に配属されたならば、非常に便利であろう。では、彼は代わりに何をしているのか? 彼は同僚がWoWで遊ぶのを観察するという非常に忙しい任務に付いている。
私の知る限り、軍隊内の言語専門家は、皆同じ問題を抱えている。
こんな状況ならば、そもそも軍は言語専門家など派遣するべきではないのだ。戦地に派遣されなかった言語専門家は、NSAとかのインテリジェンス部門で働いている。海外に派遣された者とは違い、彼らは実際に言語技能を活用して、派遣された兵士の力になっている。毎日の仕事によって、彼らの言語技能は維持されている。ある防衛会社などは、言語専門家を遠隔通信で前線にいる兵士とつなぎ、必要な翻訳を担当させるようなことまでしている。
一方、現地に派遣された言語専門家は、全く関係ない退屈な仕事をしている。他の兵士と何ら変りない。専門の言語技能は必要とされず、技能を維持することすら難しい。多くの者は、技能確認のテストに落第してしまう。
少なくとも、軍は我々言語専門家を、どこにでも使える万能要員のように扱うのを辞めるべきだ。我々の技能は専門的である。朝鮮語話者は朝鮮にいるべきであって、アルクートにいても仕方がない。スペイン語やフランス語専門の者は、ラテンアメリカとかNATO軍とかに配属されるべきなのだ。
まあでも、軍は私の代わりに、民間任用者を多数雇用して仕事をさせている。むしろこっちの方が優れているのだろう。ネイティブの技能には、太刀打ちできるわけがない。金はかかるが、品質も悪くない。
No comments:
Post a Comment