ゲーム流通プラットフォームであるEpic Storeは、Epic Mega Saleと称して、とても大規模な一時的な値下げを行った。これはほとんどのゲームタイトルを一律10ドル値下げするというもので、値下げ分はEpicがゲームパブリッシャーに補填する。
しかし、一律10ドル値下げというのが問題に鳴っている。50ドルのゲームが40ドルになるならいいとしても、15ドルのゲームは5ドルに、11ドルのゲームは1ドルになってしまう。値下げ分は補填されるとは言え、これは長期的にはとても問題になる。
何故か。ゲームはリリース直後が最も価格が高く、時間が立つに連れて昔のゲームとなるので安くなっていく。これは当然の話で、リリースされたばかりのゲームは最新のスペックで動く最新の技術を使った旬なゲームなので、当然値段を高くして開発費用を回収して利益を出す。しかし、10年前のゲームは10年前のスペック向けの10年前の技術を使った、今となっては見劣りするゲームだ。したがってその価値は低く、値段を安くしないと売れない。
またゲームは、一時的な値下げをして短期的な売上を上げる戦略が行われている。期間限定で値下がりをしているなら、値段が下がっているうちに買おうという心理が働くためだ。
しかし、そのような慣習と戦略が続いた結果、購入者の方でもゲームを購入する戦略ができている。ゲームは待てば必ず値段が下がる。ということは数年前の安くなったゲームを、さらに一時的な期間限定の値下げを狙って変えば、とても安く購入できる。そして、購入するならば市場最安値と同等以下の値段で買いたい。
あまりに需要があるためか、世の中には様々なゲームの値下げをトラッキングしているWebサイトまで存在する。
そのような状況で、Epicの値下げは問題になる。よほど興味のあるゲーム以外は、底値でしか買おうとしない雰囲気が燻蒸されている業界で、一時的にせよ数ドル程度に値下げされたという歴史を持ってしまうと、今後そのゲームは数ドルでしか売れなくなってしまう。その歴史が着くことを嫌ったゲームパブリッシャーが、Epic Storeから次々にゲームを一時的に販売取り下げに走っている。中にはEpic独占販売のゲームや、Epic独占かつプリオーダー状態のゲームですら取り下げられている。これらのゲームはセールが始まってから取り下げられたことを考えると、Epicは事前の根回しなしに急に今回のEpic Mega Saleを始めたことが伺える。
そんな中興味深いのがUbisoftだ。Ubisofthは都合がいいことに、Epic Mega Saleの始まる1週間前から、「Uplayの不具合」という理由で、Epic Storeから全ゲームを一時的に販売取り下げしている。ゲームの販売を一時的に中止しなければならないほどの不具合にもかかわらず、またセール期間中というとても重要な時期にもかかわらず、未だにUbisoftは「Uplayの不具合」を都合のいいことに「修正」できていない。これではまるで、Ubisoftは根回しか内通かスパイなど何らかの方法で事前にEpic側の動向を知っていたのではないかと疑ってしまうほどの都合のよさだ。もちろん、Ubisoftの表向きの理由は未だに「不具合」だ。
なぜEpicがこんな暴挙に出たかと言うと、競合相手のValveのSteamのセールが近づいているので、対抗したかったのだろう。それにしても無計画でカオスだ。長らくSteam一強だったゲーム流通プラットフォームシェアは、果たして揺らぐだろうか。しかし、顧客からするとゲームが急に販売取り下げられたりするのは利便性を上げたりしない。
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Nice post. I really enjoy reading it. Very instructive, keep on writing.Thanks for sharing.
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