SBykeという奇妙な乗り物がある。言葉で説明するより、動画を見たほうが早いだろう。
SBykeに最も近い形状の乗り物はキックスクーターだ。ペダルもハンドクランクもない軽車両で、地面を蹴って人力で進むという点ではキックスクーターに近い。ただし、キックスクーターとはだいぶ異なる乗り心地になる。
SBykeは前輪にBMXの大きなエアタイヤがついている。前輪はボードに固定されていて曲がらない。取っ手はステアリングではなく単なる取っ手だ。ターンは後輪で行う。スケートボードのように、リーンすると後輪が曲がるようにできている。前輪には自転車によくあるブレーキもついている。
SBykeは2012年にリリースされた割と新しい製品だ。ホイール径の大きなエアタイヤのキックスクーターを探していて発見した。そのあまりにも奇抜すぎる仕組みが気になって即座に購入してしまった。
無事に自宅に届いたが、まず組み立てなければならない。組み立ては付属の六角レンチだけでできるのだが、いろいろと不親切だった。まずトップデッキの上からネジを貫通させるのだが、トップデッキには穴が空いていなかった。そして、ネジが一本、どうやっても回りきらず浮いてしまう。浮いてはいるものの、このネジ一本だけでも固定されているので、固定はされているものと考えて残りのネジも締めた。そして、タイヤの空気が入っていないことに気がついた。SBykeはアメリカの会社の製品なので、タイヤチューブのバルブは米式であった。しかたなく英米仏3方式に対応した空気圧ゲージもついている空気入れを注文して、数日を無駄に過ごした。
空気入れは届いたが、あいにくとその日は雨が降っていて乗ることができない。今日、ようやく初めて乗ることができた。
SBykeはとても乗りづらい乗り物であった。そもそもリーンしないと曲がれない上に、リーンしすぎると曲がりすぎてしまう。しかし、浅くリーンした状態を維持することは難しい。果たしてこの乗り物に問題なく乗れる日は来るのだろうか。
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