2009-06-17

「予防的先制攻撃」が国際法違反であることを知らない人間が党国防部会の委員長と防衛大臣をやっていたという事実

小池元防衛相が党基地対策委員長を「抗議の辞任」 - MSN産経ニュース

自民党の小池百合子元防衛相は16日、党本部で記者団に、党基地対策特別委員長を辞任したことを明らかにした。

 党の国防関係合同会議が麻生太郎首相(党総裁)に提出した提言の「敵基地攻撃能力の保有」の項目に「予防的先制攻撃を行わない」との文言が盛り込まれたことに抗議したという。

 この文言は、提言の作成過程で、自民党の防衛庁長官・防衛相経験者会議が「外国に誤解を与えてはいけない」とする山崎拓元副総裁らの主張を取り入れて採用した表現。

 敵基地攻撃は国際法や憲法、専守防衛の範囲内の「先制攻撃」の一種。「予防的先制攻撃」は差し迫った脅威ではないが放置すれば将来、受け入れがたい脅威をもたらす可能性のある相手を攻撃する国際法上違法な「予防攻撃」を指す。

 小池氏は産経新聞の取材に対し「『専守防衛』で手足を縛り、『予防的専制攻撃』でさらに縛る。縛る話ばかりだ。日本の防衛政策を縛り続けていいのか。近隣諸国への配慮といっても、向こうは配慮なんてしない」と語った。

おいおい、「予防的先制攻撃」の否定は、先制攻撃そのものを否定するわけではないというのが分かっていないのか。

予防的先制攻撃というのは、将来、脅威になり得る相手に対して先制攻撃を加えるというもので、これは国際法に違反している。アンクル・サムとユダヤ人と共産主義者の大好きな攻撃がこれである。三者とも、常に盛大にこれを行っており、しかも正当な先制攻撃だと主張しているようだが、それはまた別の話だ。

アンクル・サムやユダヤ人や某アカい大国ならともかく、日本が予防的先制攻撃を行ったら、他国から合法的に侵攻する大義名分を与えてしまうことになる。なぜなら、予防的先制攻撃は国際法に違反しており、法を先に破ったのは、日本と言うことになるのだから。だから、日本の脅威になり得る某国としては、おそらく日本が予防的先制攻撃をしてくれることを、待ち望んでいるはずだ。そうなれば、合法的に侵攻できるのだから。

そして、予防的先制攻撃の否定は、先制攻撃自体を否定するものではない。あくまで、「疑わしいな~」とか、「ほっといたら将来ヤバいな~」程度の理由で先制攻撃するのを否定するだけなのだから。

こんな無知な女が、元は党国防部会の委員長と防衛大臣をやっていたというのか。世も末だ。

9 comments:

Anonymous said...

>こんな無知な女が、元は党国防部会の委員長と防衛大臣をやっていたというのか。
いや、わかってないのではなくて、
いざとなったら国際法違反でもやるかもよ、
と含みを残すか残さないかという問題なのでは?

それとも、わかっていなかったという事実を認識されているとか?

江添亮 said...

そんな「含み」なんて、いざというときには何の役にも立ちません。
その程度なら、外ならぬ小池百合子元防衛相が、
「憲法改正も含めたあらゆる方向で議論してゆくべきだ」と一言発言するほうが効果的でしょう。

Anonymous said...

>そんな「含み」なんて、いざというときには何の役にも立ちません。
あたりまえです。
「含み」はいざというときに役立てるためのものではありません。

>「憲法改正も含めたあらゆる方向で議論してゆくべきだ」と一言発言するほうが効果的でしょう。
それはそうだが、どこをどうしたら「無知な女」という話になる?

もしかして論理的に話ができない人なのか?
C++の話を見る限りではそんなことないように思うのだが…。

江添亮 said...

「予防的先制攻撃を行わない」という文面に抗議したところが無知です。
この文面はすべての先制攻撃を否定するものではありません。
そもそも、予防的先制攻撃は国際法で禁止されているところです。

国際法に違反するということは、世界を敵に回すということです。
日本に対する経済封鎖や、日本に対する「合法的」な先制攻撃の大義名分を、他国に与えてしまうことになります。
大国ならそれでもいいのですが、日本のような小国では、世界を相手にして勝てるだけの物量がありません。

いわゆる「含み」などというハッタリは、何の役にも立ちません。
単に日本の評価を下げるだけです。

この手の「含み」は北朝鮮が得意とする所ですが、あの国が成功しているとは、私には思えませんね。

Anonymous said...

>「予防的先制攻撃を行わない」という文面に抗議したところが無知です。
だめだ。こりゃ。
すみません。おじゃましました。

Anonymous said...

ほらよ。

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090616-507237.html
> 小池氏は「『専守防衛の範囲』と書いてあるのだから、屋上屋を架す必要はない。抗議の辞任だ」と語っている。(

江添亮 said...

意味は理解していないというのはマスコミの歪曲報道や報道不足に起因するもので、
本当の理由は、意味の重複した複数の文面なので、抗議のために辞任するというわけですかね。

すると、今回の騒動は、そんな些細なことで争っていたのですか。
二重三重に制限しようが、同じ意味に対しての制限であれば、別に問題はないでしょう。
それに、この文面は、ひとつも曖昧な要素を付け加えていたりはしません。
「予防的先制攻撃の否定」は、「専守防衛の範囲」の一部の意味でしかありません。
「専守防衛の範囲」といえば、もっと広い意味を持っています。
例えば防衛のための武力を持つであるとか、敵が実際に侵攻してきたら、これと戦うであるとか。

だから、その非常にあいまいな解釈が可能な、「専守防衛の範囲」などという広義の制限ではなく、
明らかに問題のある行為の一部を明確に制限したのは、
むしろ曖昧な要素を消す意味で、好ましいのではないですかね。

なんにしても、こんな些細なことで辞任して与党内に混乱を引き起こし、政治への不信を増加させたのは、
政治家としてはどうも責任感が無いと思いますがね。

Anonymous said...

>意味は理解していないというのはマスコミの歪曲報道や報道不足に起因するもので、
どうしてあなたでさえ知ってることを、
こともあろうに防衛大臣経験者が知らないと簡単に思えてしまうのだろう…。

>本当の理由は、意味の重複した複数の文面なので、抗議のために辞任するというわけですかね。
政治の世界なんて虚虚実実。
こんな小学生みたいな批判ならしないほうがましでは?

江添亮 said...

政治論争は不毛ですな。
歴史を考えるに、数十年後には、どうでもよくなっていることでしょう。
AなのかBなのか、いやどちらでもないのだ、というのが、常の理です。
ちょうど、北朝と南朝のどちらが正当な天皇だったかという議論のように。