一両っていくら? 一文っていくら? 江戸時代の通貨の価値はどうなっていたのかということが、ふと気になった。そこで、軽く調べてみたが、どうやら物事は、それほど単純ではないようだ。
まず、貨幣であるが、金貨、銀貨、銭貨(材質は銅)という、三種類の金属製の貨幣があったようだ。参ったことに、この貨幣は、それぞれ別物らしい。というのも、時代によって為替相場が、かなり変動するのだ。つまり、円とドルとユーロが、各々並行して使われていたとでも言うべきだろうか。あるいは、米ドルとカナダドルと香港ドルぐらいだろうか。
まず価値については、金貨>銀貨>銭貨 である。
銭貨について述べる。これは、一文、二文と数える。千文集めて、一貫文と言う。
銀貨はちょっと分かりづらい。まず、丁銀という銀貨がある。この価値は変動するのだが、だいたい五十乃至は六十匁である。その下に、五匁銀というものがある。これは、文字通り五匁である。さらにその下に、一分銀という貨幣がある。一分銀が4枚で、五匁銀である。また、二朱銀と一朱銀があり、十六朱で五匁銀になる。まとめると、次のようになる
1 丁銀 = 12 五匁銀 = 4 一分銀 = 8 二朱銀 = 16 一朱銀
さて、金貨はどうなのか。まずおなじみの小判、一両、二両と数える。その下に、二分金、一分金、二朱金、一朱金がある。銀貨の場合と同じく、一両 = 四分 = 十六朱 である。
さて、変動為替相場がやっかいだ。小判一枚が何文に相当するのか。ちょっと調べた限りでは、4000~6000文といったところだった。かなり曖昧だ。金貨と銀貨は、一両が50~60匁に相当するようだ。これもかなり開きがある。
さて、交換比率はいいとして、実際に、一両は何円なのかが知りたいところだ。時代劇でよくある、悪代官の袖の下に、切り餅(25両)を通すところなど、実際いくらぐらいなのかが知りたい。とはいえ、そもそも時代が違うのである。物価も大きく違っているのだ。通貨の価値を比較するには、たとえば実際の物資で比較するのが分かりやすいが、何で比較するかによって、だいぶ違う。たとえば、砂糖や菜種油は、かなり高い。特に、砂糖の高さは、現代から考えると異常である。つまり、現代と昔では、砂糖に対する価値が違うので、砂糖を基準にしてしまうと、一両の価値は、数千円になってしまう。米を基準とした場合と一桁違う。物資ではなく、サービスでも同様である。たとえば髪結いだが、現在床屋が2~3千円、美容院は6千円以上はする。ところが、江戸時代では、せいぜい数十文である。髪結いを基準にすると、一両は百万近くにまで跳ね上がってしまう。どうやら、昔と今を単純に比較することはできないようだ。
まあ、私の結論としては、一両は5~10万ぐらい、一文は10円強というあたりの認識にしておいた。すると、切り餅は150万円ぐらいというところだろうか。
参考:
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~sirakawa/J029.htm
http://hirose-gawa.web.infoseek.co.jp/mame/kahei.html
http://plaza.across.or.jp/~akira-f/jd-koban/koban.html
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