近頃、平家物語などを読むようになった。さて、しばらく読み進めて思うに、古文の読解がうまくなったのではないかと思う。たとえば、昔、かの信長公も愛したという、幸若舞の敦盛を読もうと思ったのだが、さっぱり理解できなかったが、現在は、すらすらと読めるようになった。
幸若舞の敦盛 全文
当時は、有名な、人間五十年の下りにしか目が行かなかったが、いまは全文をすらすらと読め、意味が頭に入ってくる。この話、実は平家物語が元ネタなのだ。人間五十年の独白は、熊谷のセリフだ。やれやれ、こんな重要なことも、昔は目にとどまらなかったのか。無教養はつらいものだ。
あらましは、熊谷は、平軍の船の乗って逃げようとする敦盛を挑発して、引き返させ、組み伏せて、討ち取る前に名を聞く。まだ十六歳という敦盛はひとこと、「名乗らずとも、首を見せれば誰だか知れる」と。熊谷は自分の息子と敦盛を重ね、命を助けてやろうと思うが、東軍が後ろに迫り、助けてやれなくなる。泣く泣く首を討ち取った後は、命のはかなさを思い知らされ、出家してしまう。
まあ、実際のところ、化粧までしている、オカマみたいな軟弱息子の敦盛が、歴戦の勇士、熊谷に太刀打ちできるわけもなし。そもそも熊谷だって、単に無骨なだけだっただろう。出家したのも、親戚との領地争いが発端だったんじゃねーの? という話もあるし、まあ、真相はそれほど美談というわけでもないのだろうけど。
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