三人吉三廓初買は、少し前に南座で見たのだが、何せ三等席だったので、あまり楽しめなかった。やはり花道の近くで見たいものだ。
月も朧に白魚の、篝も霞む春の空、つめてぇ風もほろ酔いに、心持ちよくうかうかと浮かれ烏のただ一羽、寝ぐらへ帰ぇる川端で、棹の雫か濡れ手で粟、思いがけなく手に入る百両、ほんに今夜は節分か、西の海より川のなか、落ちた夜鷹は厄落とし、豆沢山で一文の、銭と違って金包み、こいつぁ春から縁起がいいわい
白浪五人男は、正確には、青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ:読めるかこんなもん)と言うそうだが、これは是非とも見ておきたい。
玉島逸当(実は日本駄右衛門)「ゆすりかたりのそのなかでも、さだめて名のある者であろうな」
弁天小僧菊之助「エー、それじゃあまだお前方、わっちらの名前を知らねぇのか」
番頭達「どこの馬の骨か、知るものかい」
弁天小僧菊之助「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種ぁ尽きねえ七里ヶ浜、その白浪の夜働き、以前を言やあ江ノ島で、年季勤めの稚児ヶ淵、百味講で散らす蒔銭を、当てに小皿の一文字、百が二百と賽銭の、くすね銭せえだんだんに、悪事はのぼる上の宮、岩本院で講中、枕捜しもたび重なり、お手長講と札付きに、とうとう島ぁ追い出され、それから若衆の美人局、ここやかしこの寺島で、小耳に聞いたじいさんの、似ぬ声色で小ゆすりかたり、名せえ由縁の弁天小僧菊之助たあ、俺がことだ」
また、今年の前半、平家物語を読んでいたこともあって、勧進帳は一度ぐらい見ておきたい。義経は嫌いだけれど。
勧進帳といえば市川團十郎だが、外郎売も聞いてみたいが。
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