2011-05-28

技術を理解しないものによって法律が書かれる悲劇

BBC Site Uses Cookies To Inform Visitors of Anti-Cookie Law - Slashdot

EUは、俗称アンチクッキー法と呼ばれる、クッキーの利用を制限する法律を、5月25日から施行した。

イギリスのテレビ会社、BBCのウェブサイト、Radio Timesでは、これを受けて、26日より法律に対応した。最初にサイトを訪問した際、クッキーを使用していいかどうかを尋ねるのだ。

ここでクッキーの使用を拒否すると、クッキーは使用されない。ただし、二度目以降にサイトを訪問した場合、たとえクッキー使用を拒否しようと、このメッセージは表示されない。何故か。クッキー使用に同意したか拒否したかを、クッキーを使って記録しているからだ。

これは、技術を理解しない者の手によって法律が書かれたために起こる悲劇である。

そもそも、クッキーとは、クライアント側のソフトウェアが提供している機能である。クッキーの使用が嫌ならば、ブラウザーのクッキーの機能を無効にすればいい。ほとんどのブラウザーは、クッキーを無効にするためのオプションを提供している。

日本のアンチウイルス法も、同じ道をたどるのだろうか。

追記:slashdotのコメントによると、EUのアンチクッキー法は、トラッキングクッキーのみを禁止しているのであって、セッションクッキーや、ウェブサイトの利用に必要なクッキーの利用まで制限しているわけではないという。しかし、クッキーはあくまでクッキーであって、技術的には何も違いはないのだ。トラッキングクッキーと、ウェブサイトの利用に必要なクッキーとの技術的な違いは何もないのだ。EU圏の考え方は分からん。

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