2013-06-07

いまさら児童ポルノ法の改正という枝葉に反対しているのでは遅すぎる

児童ポルノ法、その正式名称を、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」というそうだが、今、検閲主義の自民党によってこれが改正され、単純所持の禁止、そしてあるいは、被害者の実在しない架空の存在、つまり人間による創作物にまで児童ポルノの定義が及ぶであろうことを危惧して、様々な団体や、一部の政治家が反対の声を挙げている。

これに対して思うことがある。なぜ今頃、枝葉に反対するのだ?

日本には表現の自由がない国である。なぜかというと、日本には刑法175条があり、わいせつ物の頒布を禁じているからだ。

すでに、チャタレー夫人の恋人や、悪徳の栄えといった、名だたる文学作品が検閲されている。

児童ポルノ法のごときは枝葉である。たとえ児童ポルノ法の改正を阻止、あるいは廃止したとしても。刑法175条が存在する以上、問題は何も解決しない。

刑法175条は日本で表現の自由を制限する法である。しかし、憲法21条はどうしたのか。曰く、

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

これは一体どうなっているのか。憲法で保証された表現の自由が侵されているではないか。どうやら、理由はさっぱり理解できないが、公共の福祉のために、限定的に制限できるらしい。

その限定的に制限できる理由の一つに、「わいせつ性」があるというのだ。

公共の福祉ということこそ理解できない。刑法175条はわいせつ物を頒布するのを禁止する法律である。私が受けとりたくないものを無理やり渡すのは、「公共の福祉」に関係する。私の権利と衝突するからだ。しかし、私が受け取ることを同意しているもの渡す場合、一体誰のどの権利と衝突するのか。そして、その渡すものがわいせつ物である場合、なぜ法律で犯罪にしなければならないのか。

ましてや、わいせつ性の判断は時代によって異なる非常に曖昧で危険なものである。

私は刑法175条は存在自体が間違っている法律であり、無効化されなければならないと信ずる。

さて、いまぞろぞろと名乗りを上げている児童ポルノ法改正反対論者は、なぜ今頃反対の声を上げるのか。普段から刑法175条の存在に反対しているべきなのだ。

そして、反対の声を上げた一部の現役の国会議員もいると聞く。もし、彼らが真に憲法21条を知り、表現の自由の力を知っているのであれば、すでに刑法175条の廃止を訴えているはずだ。さもなくば、人気取りのパフォーマンスと言われても仕方がない。

刑法175条こそが表現の自由を脅かす敵の本体だ。児童ポルノは枝葉にすぎない。

追記

今回問題になっている児童ポルノ法は、刑法175条のような頒布の禁止ではなく、単純所持の禁止だ。たしかに、持っているだけで違法になるというのは、とても危険だ。もしかしたらこのブログには、img要素があって児童ポルノ画像を自動でダウンロードさせている可能性だってあったのだ。

img要素とは、HTMLにおける画像を表示するための要素であり、以下のように記述する

<img src="http://example.com/child-porn.jpg" />

ほとんどのブラウザーは、img要素のsrc属性が指定するURLを、自動的にダウンロードする。ダウンロードされたデータは、キャッシュという仕組みでストレージに書きだされ、しばらく保持される。さらに、近代的なOSは、ファイルを自動的にバックアップするなどの機能も提供している。もし、"http://example.com/child-porn.jpg"というURIが児童ポルノへのURLであって、このimg要素がこのブログに書かれていた場合、読者はすでに児童ポルノをダウンロードして所持してしまっているのだ。

これからの日本人は、あるWebサイトを閲覧したければ、まずHTMLを生で閲覧し、超能力で事前に児童ポルノのリンクを含むかどうか判断できなければならないという事だろう。

ただし、HTMLには、SVGやデータURIのような機能もあり、さらにはCSSやtable要素を使って1ピクセルずつ指定するような技法もある。このような技法を使えば、擬似的にHTML内に画像を埋め込める。この。この場合、HTMLフォーマットのデータをダウンロードしただけで犯罪になる。

単純所持と言えば、銃刀法や軽犯罪法も、非常に危険な法律である。すでに、工具類を所持しているだけで任意同行や押収が行われているし、しかも最近は両刃の刃物が規制され、カキの殻剥きナイフのような正当に利用されているはずの道具まで所持すると犯罪になるそうだ。

銃刀法と軽犯罪法も、危険極まりない法律である。

2 comments:

Anonymous said...

べつに今ぞろぞろ名乗り出たわけではなく、何年も前から児ポ法改正に反対してる人たちばかりだと思いますが
具体的に誰です?その遅すぎる改正反対論者とやらは

江添亮 said...

私が言いたいのは、なぜ刑法175条への反対をもっと強く表明しないのかという事です。

更に言うと、公共の福祉とやらで制限される憲法21条の条件をもっと狭めるべきで、憲法改正論者はこのことをもっと論点にするべきエス。