2013-06-28

最近のphoronix.comの記事で面白かったもの

[Phoronix] 16-Way Linux OS Performance Comparison

16種類のUNIX風OSのディストリビューションを比較ベンチマーク。大半はGNU/Linuxベースだが、FreeBSDとDragonflyBSDもある。カーネル差し替えより面倒だっただろうなぁ。

OpenGLを使うゲームのベンチマークでPCLinuxOSのスコアだけが突出して高いのは、PCLinuxOSはデフォルトでAMDのプロプライエタリなバイナリブロブを使っているからだ。他のディストロでも汚らしいバイナリブロブを使えば似たような結果になる。

[Phoronix] Xfce, LXDE, & GNOME Are Running On Ubuntu XMir

UbuntuのMirでUnity以外のデスクトップ環境ってどうなるんだよという疑問があったが、どうやらXMirで走らせる予定らしい。XMirとはX.orgの互換レイヤーで、XWaylandと技術的には同じものだ。Canonicalの開発者がXMirの互換性を調べるために実験してみたところ、多くのデスクトップ環境が、一応は動いたらしい。

しかし、多くのデクストップ環境がWayland対応を進めていることを考えると、いずれは古臭いX11から脱却したいはずだ。もちろん、現段階ではX11を捨てるなどありえないが、将来的にはどうなのだろうか。

[Phoronix] Kernel-Based X11 Server Claims 2x Performance Over X.Org

面白かったというか、むしろアホくさくて面白かったというべきか。

X11をLinuxカーネル内で実装したら二倍速くなったぜと主張しているMicroXwinという胡散臭い連中の話。

「X11をLinuxカーネルにぶち込むなんて、まあ話のネタには面白いが、怖いな」と思う人が大半だろうが、問題はそれ以前だ。

Linuxカーネルを使っているのになぜかプロプライエタリ。ソースコードは公開されておらず、バイナリが試用かつ非商用目的にぽんと置いてあるだけ。

さらに、デモ動画もWindows 7上で動く仮想環境というわけの分からなさ。

二倍速くなったとか主張しているデモ動画で使われているのはgtkperfとx11perf。仮想環境で動くX.orgの具体的な設定も公開されていない。今時そんなベンチマークが二倍速くなったところでなんだというのだ。OpenGLには一切言及がないし、そもそも対応するのが困難だろう。

世の中には、古い技術を改良して、全く新しい別物の技術に対抗しようとしている笑うべきバカが存在する。電話交換手をよく訓練して電話の接続速度を上げようとか、モールス信号打電装置を改良して電報の転送速度を上げようなどと、現代で主張するようなものだ。すでにどちらも全く新しい技術により、そもそも人間すら必要なくなっているし、そもそも電話とか電報という存在自体が、全く新しい概念によって、過去のものとなりつつあるのに。

[Phoronix] Native Linux Kernel Module Is Out For Microsoft exFAT

exFATのカーネルモジュール。すでにFUSEベースの実装があるが、やはりFUSEということで遅いらしい。もちろん、特許上の懸念から、mainlineに取り込まれることはまず20年ほどありえない。

純粋なデータ構造になぜ特許が認められるのか、そこからして理解できない。そもそも、私は特許という仕組みの存在意義自体が理解できない。

何にせよ、LinuxカーネルがexFATのようなふざけたファイルシステムに対応するより、WindowsやMac OS Xのような不自由OSがネイティブにext2に対応したほうがよっぽどいいと思うのだが。

[Phoronix] Research Underway With QEMU 3D Support
[Phoronix] Red Hat Is Indeed Working On 3D QEMU Support

QEMUがホスト側のGPUを利用できるようになるべく、Red Hatが作業中らしい。

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