2011-01-21

Duke Nukem Foreverに学ぶこと

結論:PublisherとDeveloperが分かれているのは合理的である。Project Leader/Managerは必須である。

1996年に発売された、Duke Nukem 3Dは、非常に成功したゲームであった。1997年、3D Realmsは、続編の、Duke Nukem Foreverの開発に着手したことを発表する。その時の発売予定は、1998年の中頃であった。

Duke Nukem 3Dのために3D Realmsによって自社開発されたプログラムは、Buildエンジンと呼ばれていた。これは、当時、最高水準の描画をした。しかし、1997年に発表されたQuake IIエンジンは、さらに描画が良かった。そのため、3D RealmsのGeorge Broussardは、Quake IIエンジンへの移行を決定した。これは、これまでの作業の殆どを捨ててしまうようなものであった。

さて、1998年に、Unrealエンジンが発表された。これは、さらに描画がよかった。そのため、Broussardは、移行を決断した。

Duke Nukem Foreverの開発は、全く終わらなかった。何故ならば、Broussardが、どんどん機能の追加は修正を要求するからであった。社員の間でかわされるジョークとして、「Broussardに最新ゲームをプレイさせるな」というものがあった。Broussardが新しいゲームをプレイするたび、何かしら新機能の追加を要求するからである。

1990年代後半から、2000年代は、日々ハードウェアの性能が向上していく時代であった。常により高速で高機能なハードウェア、それを使った描画技術が発表されていた。Duke Nukem Foreverは、それらを延々と取り込み続けたのである。Broussardは、ゲームを最高のものにしたかった。しかし、それには時代の進歩は、あまりにも早すぎた。どこかで機能追加をやめて、テストや微調整をして、出荷すべきだったのだ。しかし、何時までたっても、Broussardは変更を要求し続けた。

一体、なぜこんなに馬鹿げた開発を続けられたのか。どうして資金が続いたのか。ゲームの開発資金というのは、どのゲームDeveloperでも、問題になっている。それ故、Developerはたいてい、Publisherから開発資金を提供してもらうのである。

ところが、3D Realmsの場合、Duke Nukem 3Dがあまりに成功しすぎたため、現金がうなっていたのである。Builtエンジンのライセンス料もかなり入ってきていた。そのため、3D Realmsは、自社の資金で、延々と開発を続けられたのである。

Publisherは、ゲームの発売日延期を嫌う。延期すると、それだけ余分に費用がかかるからである。一方、生粋の開発者というのは、ゲームをできるだけ素晴らしい状態にしたいと考える。それゆえ、開発期間は伸びがちである。PublisherとDeveloperの対立は、スーツと現場の対立に似ていて、珍しいものではない。

Duke Nukem ForeverにPublisherはいた。しかし、Publisherは、口をさしはさむことができなかった。なぜならば、開発は3D Realmsの資金で行われていたのである。Broussardは、いつDuke Nukem Foreverが発売されるのかという質問に対して、常に、「完成したとき」と答えていた。

今や、ゲーム開発というのは、途方もなく大規模になってしまった。何億、何十億という金をつぎ込み、50人、100人といった人員を雇うものである。ところが、Duke Nukem Foreverは、1990年代の精神のまま、少数で開発を続けていた。そもそも、最終的な完成がどういったものになるのか、Broussard自身にも、明確なイメージがなかったのである。ただ最高のゲームを目指して、延々と変更と機能追加が続けられたのである。

資源は有限である。3D Realmsも、ついに資金が尽きかけてきた。ここ最近の顛末は省略するが、まあ、あまりいい状況ではない。2011年に発売するといっているが、どうなることやら。

結局、Duke Nukem Foreverの教訓としては、ソフトウェア開発には、明確な納期が必要なのだろう。どこかで機能追加を凍結して、微調整して出荷しなければならない。また、全体を管理するProject Leaderも必要である。Broussardの仕変要求を最初にはねのけたのは、Brian Hookであった。

参考:
Learn to Let Go: How Success Killed Duke Nukem | Magazine
Duke Nukem Forever - Wikipedia, the free encyclopedia

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