2013-02-11

FOSDEMで発表されたWine 1.6の計画とGNU Hurdの計画

今は使っていないが、将来使う可能性のあるソフトウェアの動向をふたつ。記事を分けるのも面倒なのでひとつにまとめる。

[Phoronix] Wine 1.6: This Year With These Interesting Features

2013年内にリリースすることを目標にしているWine 1.6では、Layered WindowsとRaw Input、Monoのサポートを目標にしているそうだ。

Layered Windowsは、非矩形ウインドウを作るのに、通過色を設定できる。一時期はやったデスクトップマスコットによく使われている機能だ。ただし、デスクトップマスコットが流行った当時は、まだWindows 2000以前のOSも使われていたため、確かリージョンとかいうめんどくさい別の方法での非矩形ウインドウの作成も使われていたはずだ。

Raw Inputは、主に一部のゲームに使われている。Wineの利用目的の大半がWindows用のゲームである以上、相当の需要があるはずだ。

Monoは.netだ。

しかし、そろそろ調べるだけではなく、実際にWineを使ってみたいが、不自由なソフトウェアの実行を容易にするのもどうかと思うので、いまだにインストールしていない。ただし、将来Wineは使うと思うので調べている。というのも、不自由なWindowsは近い将来に死滅することに疑いはなく、不自由なソフトウェアである以上、ソースコードごと消えてしまう可能性がある。したがって不自由なWindowsは保存が出来ない。将来、すでにソースコードが消失している多くの不自由なソフトウェア、特にゲームを保存したければ、Wineに頼るしかないと考えている。ソフトウェアの保存は、単にデータを記録した情報媒体を保存するだけでは不十分である。実行環境も保存しなければならない。Wineはその貴重な実行環境になってくれるだろう。

[Phoronix] GNU/Hurd Plans For A Future With USB, SATA, 64-Bit

GNU Hurdの将来の計画も、FOSDEMに合わせて公開されている。興味をひく項目としては、Debian GNU/Hurd Wheezyのリリース、SATA、x86_64、USB、サウンドなどがある。

残念ながら、Hurdカーネルはまだ実用の域には達していない。そもそも、マルチプロセッサ―のサポートもまだだったはずだ。Debian GNU/Hurdも、phoronix.comの実権では、まともに動くハードウェアを用意できず、エミュレーター上で動かすしかなかったという。

Hurdカーネルも、今は使っていないが、将来使う可能性のあるソフトウェアである。なぜならば、Linuxカーネルは時代遅れのGPLv2でライセンスされており、Tivoizationや特許といった抜け道により、実質的に不自由なソフトウェアに成り下がることを許している。Androidのような、Linuxカーネルを使いつつ不自由な制限コンピューターが存在するのも、Linuxカーネルが時代遅れのGPLv2でライセンスされているためだ。将来、著作権や特許はますます、GPLv2が想定していなかった邪悪な方向に進むことは疑いがなく、Linuxカーネルは不自由なソフトウェアに成り下がってしまう恐れがある。そのため、Hurdの動向は調べておくべきだ。

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