2010-05-05

最近の3Dとやらについて

しばらく前から、ディスプレイの3Dということが盛んに喧伝されるようになった。私の記憶では、nVidiaは、まだまともな対応ディスプレイがない頃から、すでに3D表示をサポートしていたはずだ。

ここでいう「3D」とは、いわゆる立体視によって、擬似的に、映像に奥行きを感じさせる表示方法である。360度全方位から見ることのできる、理想的な3Dではない。

この3Dは、はたして流行るのだろうか。

昨日、たまたまビッグカメラに立ち寄って、店頭に展示されている動作デモを見た。実写と、3DのFPSゲームの映像が流されていた。たしかに、奥行きはあった。しかし、これは、はたして値段相応の価値があるのだろうか。

私の感覚では、奥に巨大な一枚壁があって、その前で、物体が動いているように見えた。何といえばいいのだろうか。リニアな奥行きではない。切り絵を重ねあわせて動かしている感じだ。つまり、球を表現できない。

そういうわけで、よくある、平行法や交差法で立体視できる画像と、見た感じは同じであった。

それに奥行きは感じられるのに、なにか違和感がある。あるいは、焦点の問題なのだろうか。我々が近くを見るときは、遠くのものはぼやける。反対に、遠くを見るときは、近くはぼやける。今話題の3Dディスプレイには、これがない。

少なくとも、私は、3Dディスプレイで映画を観たいとは思わなかったし、また、FPSゲームをやりたいとも思わなかった。

当時、ゲームは、リアルタイム3DCGが発達したことによって、生き延びた。リアルタイム3DCGがなければ、ゲームは、とっくの昔に滅んでいただろうという意見を読んだことがある。では、この「3D」は、ゲーム業界の活力になるだろうか。聞説、任天堂もソニーも、次世代のポータブルなゲーミングコンソールは、この3Dをサポートする予定であるらしい。疑問だ。

私がディスプレイに望むのは、立体視などでない。高DPI化である。漢字は複雑な文字である。小さい漢字を読むためには、紙への印刷と同程度のDPIがほしい。私は、紙への印刷と同じ程度のDPIを確保できるまで、日本では、電子書籍は流行らないだろうと考えている。アンチエイリアスは、ごまかしに過ぎない。高DPIなディスプレイがほしい。

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