2010-07-03

HDBaseTが発表された

HDMIが地獄の悪魔によって我々消費者を苦しめるために設計されたのは、周知の事実である。ディスプレイ用の端子とケーブルの規格は、実に悲惨である。ところで、面白い規格が出てきた。既存のイーサネットを使おうという規格である。

Goodbye HDMI, Hello HDBaseT

これはすばらしい。もう、無駄に一本何千円もするケーブルを買う必要はない。既存のLANケーブルが使える。

ところで、私が思うに、ディスプレイ用のケーブルは、もっともっと広帯域になるべきである。というのも、私は、もっと高PPIでフレームレートの高いディスプレイが使いたいからだ。無論、まだ私の理想とするスペックを満たすパネルは開発されていないが、私の生きている間に実現されるのではないかという希望がある。

私の理想では、最低でも、600PPI、毎秒120フレームで、物理的なサイズは24インチぐらいのディスプレイを使いたい。これぐらいのスペックがあれば、印刷と変わらぬ細かさで字が読め、しかも動画もヌルヌル再生されるであろう。

こんなパネルは、2010年の時点では、笑い話に過ぎない。パネルの話はともかく、ケーブルの話をしたい。現在のディスプレイ用のケーブルでは、帯域が全然足りないのだ。

たとえば、私は今、24インチで96PPI、毎秒60フレームのディスプレイを使っている。これが600PPIになるとする。PPIは約6倍だ。すると、ピクセル数は、36倍になる。さらに、秒間フレームも倍になっているので、現状の72倍の帯域が必要になる。

今、私はDVI-D端子をシングルリンクで使っている。これは、1920x1200のフレームを、秒間60枚送れる帯域ということになっている。ということは単純に計算しても、私の理想を実現するためには、今使っているこのDVI-D端子のケーブルが、72本必要である。

DVIのデュアルリンクでは、帯域は約2倍になっているので、ケーブルは36本ですむ。HDMI 1.4では、34本ぐらい必要になる。DisplayPort 1.2でも、やはり16本は必要になる。

というわけで、私の理想を実現できるディスプレイ用のケーブルは、まだこの世に存在しない。

1 comment:

Anonymous said...

ディスプレイが理想のスペックを実現する頃には、自分の眼のハードウェアスペックが低下しているか、あるいは脳ダイレクトリンクケーブルの登場でディスプレイが不要になっているかもしれません。