CSS Multi-column Layout Module
CSS3には、マルチカラムレイアウトが規定されている。これは、縦書きと組み合わせることができる。例えば、以下の様なCSSを使うと、
<div style="
column-width: 15em ;
column-gap: 2em ;
column-rule: thin solid black ;
-webkit-column-width: 15em ;
-webkit-column-gap: 2em ;
-webkit-column-rule: thin solid black ;
writing-mode : vertical-rl ;
-webkit-writing-mode : vertical-rl ;
font-family : '@MS 明朝' ;
font-size : 16pt ;
line-height : 2em ;
">
<p>
本分
</p>
</div>
以下のように表示される。
趙の邯鄲の都に住む紀昌という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。己の師と頼むべき人物を物色するに、当今弓矢をとっては、名手・飛衛に及ぶ者があろうとは思われぬ。百歩を隔てて柳葉を射るに百発百中するという達人だそうである。紀昌は遥々飛衛をたずねてその門に入った。
飛衛は新入の門人に、まず瞬きせざることを学べと命じた。紀昌は家に帰り、妻の機織台の下に潜り込んで、そこに仰向けにひっくり返った。眼とすれすれに機躡が忙しく上下往来するのをじっと瞬かずに見詰めていようという工夫である。理由を知らない妻は大いに驚いた。第一、妙な姿勢を妙な角度から良人に覗かれては困るという。厭がる妻を紀昌は叱りつけて、無理に機を織り続けさせた。来る日も来る日も彼はこの可笑しな恰好で、瞬きせざる修練を重ねる。二年の後には、遽だしく往返する牽挺が睫毛を掠めても、絶えて瞬くことがなくなった。彼はようやく機の下から匍出す。もはや、鋭利な錐の先をもって瞼を突かれても、まばたきをせぬまでになっていた。不意に火の粉が目に飛入ろうとも、目の前に突然灰神楽が立とうとも、彼は決して目をパチつかせない。彼の瞼はもはやそれを閉じるべき筋肉の使用法を忘れ果て、夜、熟睡している時でも、紀昌の目はカッと大きく見開かれたままである。ついに、彼の目の睫毛と睫毛との間に小さな一匹の蜘蛛が巣をかけるに及んで、彼はようやく自信を得て、師の飛衛にこれを告げた。
これも、Windows上のChromeで動作を確認した。これは、私が手動で罫線を挿入したのではない。ブラウザーが自動でマルチカラムレイアウトを計算しているのである。
ただし、現在のwebkitにおけるマルチカラムレイアウトの実装は、かなり不完全である。他のCSSプロパティとの組み合わせがうまく動かないし、ボックスモデルの計算もかなりおかしい。特に、縦書きと組み合わせて、長い文字列を描画させた際に、描画がうまくいかなくなる。そのような未熟な実装だからこそ、まだベンダープレフィクスが必要なのだろう。
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