2012-09-08

邪悪なクリエイティブ・コモンズで起こるべくしておきた事件

Internet Brands Sues People For Forking Under CC BY-SA - Slashdot

CC-BY-SAでライセンスされているWikitravelのコミュニティが、forkしてWikimediaに移行することを決定した。すると、Wikitravelは訴訟を持ちだした。

CC-BY-SAはforkできるライセンスである。唯一の条件は、同じライセンスのもとで公開することだけだ。WikitravelはCC-BY-SAが何なのかわかっていないようだ。

これは、起こるべくしておきた事件である。というのも、クリエイティブ・コモンズは邪悪だからだ。クリエイティブ・コモンズというライセンスはなく、CC-BYとかCC-BY-SAとか、ひどいのになると、CC-BY-NCとかCC-BY-NDなどがある。これらのライセンスは、お互いに非互換であるにも関わらず、同じクリエイティブ・コモンズという名前で知られている。そのため、クリエイティブ・コモンズと言っただけではどのライセンスなのかわからないし、また詳細はしばしば省かれるため、詳しいライセンスが誤解される。

非互換のライセンスには、明確に区別できる別の名前をつけるべきだ。たとえばNCやNDが入っているライセンスは、アンクリエティブ・コモンズと名付けるべきだ。なぜならば、非人道的な不自由で制限のあるライセンスだからだ。

これがために、クリエイティブ・コモンズは、全体が推奨できない。一部が推奨できないのであれば、不審は全体にかかるのは当然だ。しかも、彼らはクリエイティブ・コモンズが非互換のライセンス集であるということを十分に宣伝していないし、わざと誤解を招くように、単にクリエイティブ・コモンズと称する。甚だ邪悪である。

もはや、この悪はバージョンを上げただけでは解決しない。もしこの問題を解決しようと思ったら、別の名前のライセンスにすべきだ。たとえばGFDLとか。

5 comments:

Anonymous said...

このblog記事は頭の悪い単純なFUDです。読者には鵜呑みにしないことを、執筆者には訂正を求めます。

 ~ 基本的な部分の誤り ~

>邪悪なクリエイティブ・コモンズで起こるべくして起きた
クリエイティブ・コモンズで起きたわけではなく、文中にあるようにWikitravelとWikimediaの間で起きたことです。
CC BY-SA 3.0(ライセンス)の下でのforkに関連する事件だからといって、事件がクリエイティブ・コモンズ(組織)で起きた、などという嘘をついていいはずがありません。どうも、江添さんは組織であるクリエイティブ・コモンズと、ライセンスであるCC BY-SA 3.0の区別が出来ていないようです。

>これらのライセンスは、お互いに非互換であるにも関わらず~
http://wiki.creativecommons.org/Frequently_Asked_Questions
このページにある、"Can I combine works that use different Creative Commons licenses into my work?" 以下をお読みください。お互いの互換性の有無がハッキリとチャートに示されています。
(creative commons compatible でググればすぐに出てくる情報)


 ~ ここからが本題 ~

記事内にあるように、クリエイティブ・コモンズが提供するライセンスにはプロプライエタリなものがあることは紛れもない事実です。また、クリエイティブ・コモンズのライセンスに種類が多いことや、詳しい内容がよく誤解されていることも確かです(誤解については現に江添さんが身を以て証明している)

が、クリエイティブ・コモンズの問題と、本件で扱っているWikitravel - Wikimedia間の問題は、互いに全く無関係です。

・まず第一に、クリエイティブ・コモンズの提供するライセンスは、いずれもforkできるという基本特性に変わりはありません(NDだってforkできる)。
 よって、forkした人間を著作権侵害で訴える、なんてのは無理です。そんなことを言い出す人間がいたとしたら、それはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスへの誤解ではなく、ライセンスという概念そのものへの無知によるものでしょう。

・第二に、Internet Brandsもおバカではありませんから、著作権で争うなんて無意味なことはしていません。以下をお読みください
 https://blog.wikimedia.org/2012/09/05/wikimedia-foundation-seeks-declaratory-relief-in-response-to-legal-threats-from-internet-brands/
 結局のところ、Internet Brandsは訴訟の根拠に特許を持ってきたようです。訴訟の根拠が著作権ではなく彼らの持つ特許なのですから、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスだから事件が起きたとか、GFDL v1.3だったら大丈夫とか、そんなFUDは明らかに事実無根ですね。

 ~ おわりに ~

この記事は、クリエイティブ・コモンズが邪悪だという結論ありきの記事です。しかも、クリエイティブ・コモンズが邪悪だと言いたいだけならwikimediaの件など除いて本旨だけ載せればいいものを、邪悪さを強調するためにわざわざ無関係な事件を持ってきています。「邪悪な民主党のせいで自民党の阿部が潰瘍性大腸炎に罹った」という文章と本質的に何も変わらない、非常に悪質で幼稚な書き方です。
このような邪悪な記事は早く滅ぶべきです。

江添亮 said...

自由な利用を謳っておきながら、特許による制限をかけるとは不思議ですな。
GPLv2が直面したのと同じ問題です。

すると、クリエイティブ・コモンズが真に自由なライセンスであると宣伝するためには、GPLv3と同じように、特許も考慮したライセンスに変更しなければならないでしょう。

Anonymous said...

GFDLv1.3にも全く同じことが言えますねー。
だからどう取り繕っても、この記事の文脈のおかしさは無視できません。訂正されるのをお待ちしています。

江添亮 said...

そもそも、特許というのが根本的に間違っている仕組みなのです。
そもそも、GFDLは主に文書を対象としていおり、文章の構成や単語や文法などに、特許が認められるべきではない。

Anonymous said...

そもそも、この訴訟の問題点として特許制度を挙げておけばよかっただけの話ですね。この件にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの互換性問題や不自由性など、関係ないものを持ち出して話を捻じ曲げているのが邪悪です。

むろん、この訴訟はGFDLで防げる類でもありません。主に文書を対象とするライセンスでは、訴状のリストの幾つかの項目がそもそものライセンス対象から漏れますから。