芥川龍之介の地獄変と邪宗門の元ネタが、前から気になっていたので、ちょっと調べてみることにした。
まずタイトルにもなっている地獄変の絵師、良秀だが、これは宇治拾遺集の説話、「絵仏師良秀」を題材にしているらしい。では、とさっそく読んでみたが、恐ろしく短い。しかもその内容も簡潔である。
隣家に火事が起こり、良秀の家にも燃え移った。良秀は無事に逃げたものの、中には妻子がいる。良秀は我が家の燃え盛る様子を見て、物憑きにあった様にゲラゲラと笑っている。というのも、最近、不動尊の火炎の絵が上手く描けなかったがが、今図らずも本物を見たおかげで、今後は上手く描けるだろうということだった。
たったのこれだけとは思わなかった。堀川の大殿様は一体誰なんだ。邪宗門の方は多分に創作を含むとしても、堀川の大殿様には、誰かモデルがいるのではないかと思うのだが。
そういえば、芋粥も宇治拾遺集の「芋粥」の話を下敷きにしているようで、これは原作通りの話であった。現代語訳といってもいいくらいに原作忠実だ。
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