高校時代、にわかに柳田國男にハマり、彼のまとめた、地域ごとの昔話の差異のおもしろさを喧伝している友人がいた。当時の私は、柳田國男という名前は、一般常識として知っていたが、彼の著作を、ひとつだに読んだことがなかったので、その実否を質すことができなかった。
さて、近日、たまたま定本柳田國男集を手に入れ、昨日、その第一巻の初めを読んだ。なるほど、確かに柳田國男は、すごい男であった。
ただ、ひとつ気になる点がある。というのも、彼の著作は、多分に空想を含んでいるのではあるまいかということだ。とはいえ、空想を否定して、確実な証拠のみを元にした歴史というのも、当てにならないのである。というのも、当時の文章に残っている世界は、かなり偏りがあったからである。その辺は、網野善彦の著作にも詳しい。
さて、手に入れた所の定本柳田國男集は、35冊。別巻五を欠く。ただし、別巻五は索引と年表らしく、無くてもそれほど差し支えあるまい。第一、この35冊の分量を読むには、数年を要すると思われる。
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