Linux Mintでは、ソフトウェア特許やDRMといった悪法のある日本やアメリカ向けに、一部の問題の有りそうなパッケージを削除したno codec版のISOイメージも用意されている。では、一体何が取り除かれているのか。
検索しても、取り除かれたパッケージの一覧が見つからなかった。とりあえず教えられたのが、Linux Mint 13の日本語ISOの時に、本家からのパッケージの差異を列挙したものだ。
[Linuxmint-jp-devel:58] Re: 日本語化されたISOの用意について。
なるほど、ほとんどのパッケージは、Ubuntuにも存在する。それも、Universeに存在するパッケージもある。
コーデックの名前通り、音声、動画フォーマットのエンコーダー、デコーダーが多い。
ただし、ひとつだけUbuntuのレポジトリにはないパッケージがある。w32codecsだ。Ubuntuのコミュニティ派生のMedibuntuにはあるらしい。というか、Linux MintもMedibuntuとはそれなりに関係しているらしい。たぶんMedibuntuがもとになっているのだろう。
さて、このw32codecsというパッケージは何なのか。実はこれ、Windows用の動画フォーマットのvfwデコーダーのDLLファイルなのだ。
なぜWindows用のDLLファイルのバイナリがパッケージ化されているかというと、一部のプロプラ動画フォーマットをまともにデコードできるのが、このバイナリしかないからだ。
しかし、Windows用DLLファイルなんてどうやって使うのか。実は、mplayerにはWineから流用したLoadLibraryの実装が含まれており、同じx86アーキテクチャのLinux環境ならば、自前でWindowsのDLLファイルをロードしてマップして実行できるのだ。このようなvfwデコーダーは、純粋な演算だけでWin32 APIを呼び出すという事もないので、そういう方法で実行できるのだ。
でも、このバイナリって再配布していいのとかどうとか、そのへんが不透明にもほどがある。そもそも、開発元がもはや存続していないところすらあるのではないか。
なるほど、そりゃ取り除くわけだ。
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