2013-11-10

Canonical、商標権を使って批判を検閲しようと企てる

Linux Outfit Canonical Launches Campaign to Silence Privacy Critic | Wired Enterprise | Wired.com

fixubuntu.comというドメイン名、Fix Ubuntuというタイトルで、GNU/Linuxの有名なディストロであるUbuntuの、Dashにおける検索クエリ―ダダ漏れのオンライン検索を無効にするための一行シェルスクリプトを公開していたWebサイトが、Ubuntuの開発企業であるCanonicalから商標権侵害と取り下げの申し立てを受けた。

これは明らかに商標権を、その本来の目的から外れて悪用した検閲である。

fixubuntu.comの作者は取り下げ要求には応じなかった。この作者、Micah Leeは、EFFの技術スタッフであり、オンライン上の権利活動家であり、この手の安い脅しを送る相手としては不適切であったと言える。

LeeがEFFの弁護士と相談したところ、この文脈におけるUbuntuという商標の利用は、既存の商標法で認められているものであると判断したそうだ。

Leeはブログに反論を掲載した。

Canonical shouldn’t abuse trademark law to silence critics of its privacy decisions | micah.f.lee

まずLeeは、この文脈でのUbuntuロゴ画像の使用は、単に参照目的であり、権利の及ばないところであり、当然使用に制限があるものではないが、今回はUbuntuロゴを取り下げる。

さらに、注意書きを付け加えた。

注意:もしあなたが、1) 完全にアホ、2) 弁護士、3) その両方、である場合、このサイトはCanonical株式会社と関係あるいは許可をうけたものではないことに注意してもらいたい。このサイトはCanonicalのUbuntuユーザーに対するプライバシー侵害機能を批判するものであり、またどのようにして問題を修正できるかを教育するものである。ゆえに、明らかに、このサイトはCanonicalの許可を受けていない。我々の商標、Ubuntuの使用は単なる説明であり、一般にこのサイトを発見させ、また理解をさせるのに役立つものである。

さらにLeeは、もしCanonicalがUbuntuのプライバシー侵害のオンライン検索機能を、Opt-in、すなわちデフォルトで無効にし、ユーザーが明示的に有効にしなければならないように切り替えたならば、このサイトはその本来の目的を失うので、喜んで自発的に取り下げると宣言した。

Leeは、その無効のための処置は、以下のたった一行のコマンドの実行であり、技術的な困難性は一切ないと主張する。

gsettings set com.canonical.Unity.Lenses remote-content-search none

Canonical Blog: Trademarks, community and criticism

Canonicalはブログで、Ubuntuロゴの使用が取下げられ、またサイトがCanonicalとは関係がないと明示されたので、問題は解決された。批判を封じるのが目的ではないと答えた。

Mark ShuttleworthはGoogle+上で、弁解に追われている。

これはこっちの手違いだった。スマン。こちらの商標ガイドラインは、皮肉や批判(・・・はクソだサイト)を許可していて、だから要請というのは、ガイドラインに合致する利用であることを明示するように頼むことであるべきだった。

追記:CanonicalのSteve Georgeは返事を、http://blog.canonical.com/2013/11/08/trademarks-community-and-criticism/に上げた。

ただ、こちらとしても、Ubuntuロゴの使用には、いくつかの合意を課さなければならないのだよ。正当な利用というのは主観的なもので、だからこそ、Ubuntuという商標を守るために、ポリシーや同意が必要になるのだ。

この場合、こちらとしては、「許可を得ていると明示するならば商用をつかってもよい」と言うべきだった。たぶん、新人が間違えたのだろうが、それは起こりうることであり、この件でCanonicalを叩く必要はない。この問題を知らせてくれたJon Mastersに感謝する。

Mark Shuttleworth - Google+ - Canonical: Seriously? …

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