2009-07-15

日本というのは大昔から変わってないらしい

私の高校時代の知人の一人に、漫画やゲームで歴史を語る阿呆がいる。

曰く、「戦国時代の某は~」、「幕末の某は~」、「明治の某は~」

その実際はどうだったか、怪しいものである。およそ、歴史に名を残した人物ほど当てにならぬ者はない。福澤諭吉は、隣にいたらぶん殴りたくなるほどウザい奴だったろうし、夏目金之助の教師としての資質は甚だ疑問であるし(彼の生徒が、ホレーショの哲学なんていう誤訳を書き残しているぐらいである)、森林太郎は、旧陸軍にしてみれば、国賊ものの阿呆である。本当に優れている人間は、自分の業を残し、なおかつ名を残さぬ事に成功した者である。例えば、徳川秀忠や徳川慶喜、大正天皇などが該当する。それに引き替え、現在名の知られている人間というのは、大抵、明治時代のイデオロギーが関係しているのである

ここに、幼學綱要という本がある。これなどひどい書だ。およそ書かれていることはすべて間違っている。事実といえば、過去、そのような人物がいたというだけであり、その人物に関する逸話は、かなり本書の主張に合わせるため、脚色が入っている。大方は、大日本史から抜き出してきたのだろう。いかにも傲慢ちきでホモな光圀の好みそうな話ばかりだ。朱子学は何と馬鹿げた学問であったことか。

結局、明治という時代と政府の空気の中で、このような価値観が生まれたのだろう。

漢文を学べば学ぶほど、朱子学の馬鹿馬鹿しさが鼻について仕方がない。日本の歴史教科書は、早く朱子学の亡霊から脱却すべきだ。

では明治以前は良かったかというと、そうでもない。今日、日本で、ばかばかしい歴史観の小説、ドラマ、映画、漫画、ゲームが流行るのも、結局は、日本という文化の為せるものなのか。

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