2012-04-03

危険な誘惑

というわけで、私がGNU/Linuxに改宗してから10日たった。この間、新しい環境に慣れるため、色々と試している。必要なソフトウェアをインストールしたり、気に入らない設定を変更したりなどだ。本当に自分の好みに合うように調整しようとしたならば、結局、設定ファイルを手動でいじったり、CLIのツールを使う必要がある。これは、私にとっては、さほど問題ではない。私は自力で調べて解決するのが好きだし、英語も読めるのでドキュメントにも困らない。しかし、やはりこの状況は、一般人がデスクトップOSとして使うには、少々難しいことは否めない。

さて、ここで危険な誘惑がある。それは、現状に満足できないという状況だ。たとえば、今使っているソフトウェアは、最新のバージョンではない。たとえば、今この文章を入力するのに使っているMozcのバージョンは1.1.773.102だが、最新の安定板のバージョンは1.3.975.102である。このブログに投稿するために使っているブラウザー、Chromiumのバージョンは17.0.963.79だが、すでに最新の安定板は18.0.1025.142である。

Ubuntuのアップデート方針は、緊急を要するセキュリティ上のアップデートでもない限り、半年ごとのバージョンアップ時にまとめてアップデートにするというものである。

主要なソフトウェアはきちんとメンテされていて、半年おきにアップデートされるから、特に問題はないのだが、やはり、最新のソフトウェアにも憧れる。もちろん、手動でコンパイルすることはできる。ただし、手動で入れたソフトウェアは、手動で管理しなければならない。バージョンアップも手動だ。これは非常に面倒だ。

mozcやChromiumといった有名なソフトウェアであれば、公式レポジトリ外でビルドを提供しているPPAがあるから、それを追加すればいいのだが、やはり、そういうのではなしに、公式レポジトリさえ使っていれば、すべてのソフトウェアが常に最新になっているような状態にも憧れる。

となると、ArchやGentooやFuntooのようなディストリに目が行くわけであるが・・・これは非常に危険な誘惑である。ややもすると、コンピューターを使うのではなく、コンピューターを管理することに喜びを見出すようになってしまうからだ。

xkcd: Cautionary

Linux: 実際にあった話:第一週

もしもし、あたしあたし、姪だけど。新しいパソコン手に入れたんだけどさ、Windowsとか入れたくないのよ。Linuxとかいうやつのインストール手伝ってくれない?

いいよ

第二週

XORGが壊れたって。XORGって何? どうすればいいの
「manページ教えるよ」

第六週

autoconfigがうまくいかないんでUbuntuからDebianに変えることにする
「えっ」
Gentooにするかも
「やばい」

第十二週

「最近電話に出ないけど」

寝らんない。カーネル、コンパイル、しなきゃ。

「手遅れか」

親に告ぐ:誰か他人に教わる前に、子供にLinuxを教えるべきである。

8 comments:

tiger said...

先生、毒されすぎですw

Anonymous said...

Archは、ユーザの利便性を損わない範囲で簡潔さを追求しているので、
Gentooのように変態用OSって感じではないですよ。

ほとんどのソフトウェアはバイナリパッケージが用意されてますし、
ドキュメント(Arch Wiki)もけっこう充実しています。

extra/chromium 18.0.1025.142-1
aur/mozc 1.4.1033.102-2 (mozcは残念ながらソースパッケージ)

江添亮 said...

実は、Archのドキュメントは、すでに結構お世話になっています。

Anonymous said...

プログラマやLinuxをあえて使う人たちはある種の厨二マインドを持ってるとおもうので「奥が深い症候群」に一度どっぶりはまる方が自然ですね。
通過儀礼だと割り切るしかありません。

漫画の彼が「手遅れか」と言えるのは自分も同じ経験をしたからでしょう。そして手遅れになった友人もいずれ誰かに「手遅れか」と言うループ。

Anonymous said...

「新しめのパッケージが使いたいけど、目的のことに集中したい」というので、Ubuntuかなにかをお使いなら、もしかしたら、Debian sid(unstableのこと)も良いかも知れませんね。
unstableという名前がとっつきにくく見えそうですが…。

Nana Sakisaka said...

Linuxで知る人ぞ知る強力なツールにpacoというものがあります。
http://d.hatena.ne.jp/rx7/20081011/p2

これはソースパッケージを野良ビルドする時などのsudo make installなどのコマンドに1枚噛ませて、
sudo paco -p "package-name-1.0.0" make install
などとするだけで、指定したコマンドを実行しその途中で走った全てのファイルコピーをローレイヤーな方法でフックして全自動でパッケージがインストールしたファイルの一覧を作成し、pacoの擬似パッケージとして扱うことができるようになるものです。

実際、ストイックに最新のバージョンを使わざるをえない場合ではなくとも、そもそも古いバージョンですらdebパッケージ等がまともに用意されていないようなソフトウェアも幾つもあるので、個人的にはそういう場面では使用必須という感じです。参考まで。

江添亮 said...

しかし、checkinstallは同じ事をして、しかもdebやrpmといった、ネイティブのパッケージ管理を使ってくれるのですが。

Nana Sakisaka said...

>しかし、checkinstallは同じ事をして、しかもdebやrpmといった、ネイティブのパッケージ管理を使ってくれるのですが。

checkinstallでは、デフォルトの挙動ではdescription等を指定する必要がある上、バージョンやライセンスまで自動で取得してパッケージの情報として設定してパッケージを作成してくれるような機能があったかと思います。
個人的にはそこまで気を利かせてもらうまでもなく、自分のマシンで今現在インストールしてそれ以降問題なく使えれば問題無いような場面でpacoを使っています(そして、その程度で十分な場面が現実的にはしばしば多い)。

そもそも、そのマシンでビルドしてあとで同じアーキテクチャの別のマシンにもインストールしたい、というような場面でもない限りはrpmやdebなどのパッケージ形式を使う必然性は無いと思います。
更に、checkinstallでパッケージを作成後それをインストールするという手順を踏んでしまうと、パッケージ管理ソフトウェアでインストールしたのかソースからパッケージを作ってインストールしたのかが分からなくなってしまうという問題があります。個人的にはこれが大きいです。