たまたま、Andrew Koenig氏と技術的ではないメールを交わす機会があったので、氏がBarbara Mooと共著したRuminations on C++は、まだ私がプログラミングやC++の基礎を勉強していたころ、たいへん役に立ったと感謝の意を述べたのだが、そこでふと気がついた。
私が初めて、Rumminations on C++読んでから、まだ6年しかたっていないという事実である。なんということだ。まだ6年しかたっていないのか。私がRuminations on C++を読んだのは、もうだいぶC++について理解していた2006年だったのだが、それでも、あの本の簡単な英語と、その内容の濃さと、しかも本が1996年頃書かれたという、この業界ではもはや古典とみなされる大昔に書かれたのにもかかわらず、一向に古びていない内容に驚いた。この2012年でも、まだこの本には価値があるのだ。なぜか、世間ではEffective C++(Scott Meyers著)だのExceptional C++だの(Herb Sutterの著作)、Accelerated C++(同じくAndrew KoenigとBarbara Mooの共著)が評価される傾向にあるが、私はこの、Ruminations on C++が、C++のテクニックを解説する最も優れた本であると思う。むしろ、C++以外にも適用できる本であると思う。
非常に簡単な英語で書かれているので、原文で読むことをおすすめする。
まだ考案されたばかりだったC with Classesに対してAndrew Koenigが与えた影響は大きい。この本はC++の言語を解説した本というよりも、もっと一般的な、あまり好きな名前ではないが、デザインパターンと呼ばれるような作法を説明しているような本だ。C++の言語自体の解説は少ない。だから、古びないのも当然だ。第一、古びて使いものにならないデザインパターン、アルゴリズム、データ構造などというものが、いいデザインパターンのはずがない。(もっとも、当時のハードウェア事情から、今は価値がないが当時は価値のあった技術や知識は、当然あるのだが)
ところで、Barbara Mooも執筆に一枚噛んでいるC++ Primer 5th が今年の夏に発売される。
さらに今後、Andrew KoenigとBarbara MooによるAccelerated C++の書き直しが予定されているらしい。
さらにメールで教えてもらったのだが、Andrew Koenigは、Andrew Koenig's Bio | Dr Dobb'sで、Ruminations on C++のようなコンセプトで記事を書いているらしい。
2 comments:
Effective C++ は Scott Meyersの著書ですね。
修正。
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