10年前、私はLinuxの使用も検討していたが、結局、当時のLinuxはハードウェアや日本語のサポートが貧弱だったので、Windowsを選んだ。しかし、この業界では10年前というのは大昔である。今はどうなっているのか、ざっと調べてみた。
まず、私の記憶では、10年前の初心者用のディストリは、Red Hat系列が多かったように思う。Red Hat, Turbo Linux, Vine Linuxなどだ。特にVine Linuxは、日本語のサポートが優れていたので、どんなLinux関係の書籍でも、大抵取り上げていた記憶がある。しかし、2012年の今、どのディストリも生き残っていない。Red Hatは有料版のみになり、代わりに、Red Hatを受け継いだコミュニティで開発されているFedoraができた。春高楼の花の宴~♪
DebianとSlackwareはだいぶハードコアなユーザー向けのディストロだったように思う。Debianは大規模なパッケージを提供していて、Slackwareはミニマリスト向けでマイナーだが熱狂的な信者もいるという話だった。Slackwareの状況は、あまり変わっていないように思う。Debianはだいぶ丸くなった。現在人気のUbuntuとその派生ディストリは、結局はDebianからの派生だ。
それにしても、Debianがこの10年を生き残っているのはすごい。
今、ハードコアなユーザーの需要は、GentooやArch Linuxで満たされているように思う。Gentooは数年前に興隆したそうだが、今のArch Linuxの勢いに取って代わられているそうだ。freenodeでは、Archの利用率が高いようだ。
WindowsやMacは、10年前も今も、これほどの変更はない。ひとつの企業によって中央管理されたものだけがリリースされており、派生物が大量に出現しては消えるということはない。中身はだいぶ変わっているが、見た目や操作性に、それほど大胆な変更はない。いわゆる伽藍とバザールか。
しかし、やはりどうも、人気となるディストリには、強力な指導者と資金が必要であるようにおもう。Ubuntuしかり、androidしかり。
プログラマーとして嬉しいのは、主要なLinuxのディストリでは、ライブラリを自前で管理する手間がいらないということだろう。ほぼすべての有名なオープンソースのソフトウェアやライブラリーは、ディストリの公式なレポジトリに存在して、定期的にアップデートされている。そして、わずか数行のコマンドでインストール、アップデート、アンインストールできる。Windowsにもこのような仕組みがほしい。
2 comments:
Archも今月で10周年ですね。
ローリングリリースなのでパッケージの更新がはやくデスクトップ用途として使うのに向いていると思います。自分好みの環境を構築するまでが少しめんどうですが。
https://wiki.archlinux.org/index.php/Arch_Compared_to_Other_Distributions
Archも10年の歴史があるとは。
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